January 08, 2010
約2週間の留守の間、毎日の水やりはちゃんと管理してくれる人が
いたので、家に戻ってみると植物たちは、皆元気にしていた。
花殻もしっかり摘んであったし。(聖子さんありがとう)
でも、なんというのか、こういうの、他人顔っていうのか。
私が毎日管理していたときとは違って、植物たちが、明らかに
しらじらしい態度をとっているのがわかる。
それで帰宅後は、おべっかを、というか、
ここは機嫌をとるべく、お風呂のぬるい残り湯に
うすく活性剤をまぜた水を、毎朝与えるうち
日ごとに機嫌を直してくれていくのがわかる。...気がする。
思う。感じる。気がする。
と、いうことに、敏感に、率直に生きる。
これは、言葉にするほど、簡単ではないかもしれないけれども、
大切なことだと思う。
生きて行く上でとても、大事だ。
このことは、ガーデニングをしていると、良いトレーニングになる。
水が欲しいのか、寒いのか。くたっとしたシクラメンはどちらにしても
赤信号。土に指を突っ込んで、ああ、寒かったのね。
と、ここで、水をあげたのでは、ダメになる。
でも、私が自宅に帰ったとき、シクラメンたちは、そのどちらでもない
不機嫌な顔をしていた。
でも今は、嘘みたいに、皆そこそこ機嫌がいい。ああよかったー。
寒くっても、ぜんぜん平気だって。
植物を育てていると、大好きなはずの旅行が、実は憂鬱のタネでも
あるのは、本当の話。
January 06, 2010
最後の滞在地、フィレンツェでは最初の6日間、雨が降りっぱなし。
アルノ川を濁流が轟々と流れ、テレビのニュースが各地の水害を
伝えていた。街の中を船が進む景色。
地球温暖化の厳しい影響を予感する年明け。でも、帰る日は
涙が出るほど美しく晴れた。
フィレンツェの街は、この瓦のオレンジ色と
ブルーの空とのコンビネーションが素晴しい。しかし、ずっと
今までの景色は黒と灰色で暗いモノトーンだった。
ガーデニングをしていると、常に天気に神経質になる。
そして「観光」イコール=光の観賞。光がないと、観光もつや消し。
だからせめて最後の日に、こんな景色に出会えて幸福に思う。
もう二度と息子を連れてベネチアへは行けないと思う。かなりの
無理をして旅立った。そして
彼が大人になったころ、ベネチアは水没しているかもしれない。
先のことは何もわからない。
フィレンツェから、トランジットで立ち寄るフランクフルトまでは
二時間近く。40分も遅れて出発したルフトハンザ機で、
アルプスの山を越えるとそこは、ドイツ上空。ここでつくづく
思ったこと。
ヨーロッパは地続きなのに、見事に違う文化を持つ。そして
それぞれの国が、それぞれの文化を美しく維持している。
食べ物もそれぞれに違い、それぞれが美味しい。素晴しい。
イタリアにしかないものは多い。古くて小さな店。
最後の日、トルナブオニ通り、宝石のポメラート向かいの
PROCACCI へは家族と離れて一人で行った。このカフェは、年配の
マダムが一人で行くのにピッタリ。ここのパニーノは世界一だ。
朝からディギスタシオン(味見)でトスカーナワインを一杯。
クレメカラメルも濃くて美味しい。それにはエスプレッソ。
これで寿命が短くなったとしても仕方がないと思う。
上手に長生きするのが難しい時代でもあり...。
さて、凄い大荷物で無事帰国したけれども、案外大したことはない。
でも、嬉しいのは「香りの記憶」
それは自分と、その場所と、その時間の記憶。
1561年から続く、サンタマリアノベッラ薬局は、
美術館のように美しい薬局だ。欲しいものが最初から何もなかったと
しても、中に入ると何でもいいから買って帰りたくなる。
これは、サンタマリアノベッラ薬局の ポットポプリ。
お茶、はちみつ、食後酒など、化粧品以外にも生活を豊かに
してくれるハーブ製品がたくさん。なかでもここで調合される
香りは素晴しいものが多い。
記憶中枢をもっとも強く刺激するのが「匂い」だといわれる。
スパイシーなハーブの香りが 旅の記憶を鮮やかに蘇らせて幸せになる。
しかし、東から西(日本)へ戻るアメリカ旅行と違って、
西から東へ戻るヨーロッパの旅は、帰国後の時差ボケが酷い。
(夕陽を見た後、ひたすら夕陽に向かう感じ)
時計の針を8時間も早回しして現実に戻らなければならないからだ。
一度、全部西回りで旅してみたい。ヨーロッパからアメリカに渡り
アメリカも東海岸から西へ飛ぶ。そうすれば早寝早起きが身につく。
今は遅寝遅起きの時差ボケ。一日が無駄になりそうで慌てる。
こういうときは、どんなに辛くても、朝は明るくなり次第起きる。
でも、それが本当に辛い。親子で時差ボケ。息子は
「ぼけ時差のせいでぼうっとするよ〜」などと言っている。
とにかく、
昼間の光を目のなかに入れる。園芸作業などは好都合。
幸い、東京はよく晴れて明るい。この光をたっぷりと取り入れて
仕事を始動!冬はわが家の台所が一番明るい季節。
January 04, 2010
フィレンツエのパスメントリー、ヴェルマーにて
恒例のクリスマス後のバーゲンセールは
フィレンツェの場合、あいにく1月7日から。
行政指導で決められてるらしい。
その頃には私、帰国している。悔しい。
さらに、久々の冬のイタリア。
なんと、人々の服がおしなべて真っ黒だ。不況と冬のダプルパンチか。
街の人々も、売っている服も、みな真っ黒。良くない!
欲しかった珊瑚色の服なんてどこにもない。黒ばっかり!
写真の方々のような、昔はよく見かけた毛皮やカシミアのコート族が消え失せ
(ピッティ宮のボーボリ庭園にて。)
ほとんどの人々がナイロン製のダウンジャケット。それも黒!>
私もついに黒いコートを買ってしまった。今着ているコートに飽きてしまい。
でもなかなか欲しい服が売ってないし、バーゲンでもない。それでいて、
サイズも売り切れ商品は品薄。ロンドンならボクシングデイ(12/26)が終われば、
大バーゲンセール開始。何だって大安売りなのに。
ここには何も買う物がない!と、思うのは早合点。
欲しいものは山ほど。画材屋 ツエッキ(Zecchi) を筆頭に
素晴らしい画材文具店がたくさんあるし、
有名なサンタマリアノベッラ薬局はやはり魅惑たっぷり。
純粋なハーブ製品は買い占めしたいほど。
そして、なんといってもメディチ家のもと、織物工芸の栄えたフィレンツェは
パスメントリーの街。ちなみにイタリアでは La Passamaneria パッサマネリア。
日本に存在しない類いの専門店であります。
porta rossa 通りにある Valmar が有名だけれども
ドウオモ脇にある Borgo S.Lorenzo にあるその名も
Passamaneria は店が大きく商品がとても見やすい。
とにかく値段がパリやロンドンに比べかなり安い!
夫と私はそこで玉砕。超過荷物間違いなしだ。
ヨーロッパのインテリアに興味のない方でも
キーホルダーなど、手頃なお土産になります。
私はハンドバックにぶら下げたりもしています。
クリスマスデコレーションを12キロほど、
ドイツの郵便局から送ったときは、とても早く簡単だった。
DHLが備わっており、それは割高。
普通の航空便で4キロ程度を40ユーロで簡単に送った。30分で終わった。
ところが、フィレンツェの郵便局では大変だった。
5キロで75ユーロの航空便を送るのに、3時間!
すべての内容物をイタリア語に訳すのに1時間以上。
しかし、なんと、これが3日で日本に到着した。驚き。
最近のイタリアはなかなか...。箱は郵便局の Posteitalianeの最大箱。
昔、フィレンツェで物を送るには、近所の文房具屋で、
お店の人にお金を払ってパックしてもらわねばならず
(それも不器用な人が凄い時間をかけて)
それにもそこそこのお金と時間がかかり面倒だったけれども
今では500円ほどの箱を買って自分でパック。
郵便局の人に頼んで秤を使わせてもらい、
自分で重さを量りながら荷物を詰めると良い。
船便は〜5キロまでと、〜10キロまで。
大雑把に値段が分かれて細かい計量がない。
100グラムでもオーバーするとその上の重さ分払わなくてはいけないので。
写真(下)が秤に荷物を乗せているところ。
とにかく
旅の後半は荷物ノイローゼ。
チョコレート一枚でも重い。
ホテルの部屋にある体重計に荷物を持って乗り
今自分たちがどれほどの荷物になっているか毎日計量。
「あと2キロ買っても大丈夫」 そんな思いで街に出撃。