December 05, 2009
9月来の念願が叶い、現在、箱根ポーラ美術館で開催中の
「ボナールの庭、マチスの室内」展へ。
すごく良かった! この美術館の空間も美しいし。気持ちいい。
草花を使って庭を作るための、インスピレーションのほとんどは
私の場合、印象派の画家の絵から来る事が多いので
これは本当に必見でした。色彩構成、コンポジション、
そのどれもが影響力に溢れていて、私の来年のテーマカラー
オレンジ色と、苦手色のマゼンタ色で作る庭の構想なども...フツフツ。
開催は来年の3月7日まで。
英国のペネロピー・ハブハウス氏は、来る日も来る日も
ゴッホの絵にある色彩のヒントを解明しながら
TINTINHALの庭を作ったといいます。
(今はヘッドガーデナーが替わり跡形もないけれど)
絵画のなかには色彩だけでなく絵画的な立体感のヒントや
光のリフレクションの効果なども表現され、それがそのまま
絵画的なイングリッシュガーデンの構成要素になっています。
ちなみにこの絵はオランダのゴッホ美術館で私が撮影。海外の
美術館はフラッシュや三脚を使わなければ自由に
撮影できることが多いので
自分のインプレッションでヒントを持ち帰ることができる。
この絵のなかの、丸い花、ギザギザの花。このコンポジションの
完璧さは、そのまま寄植えに取り入れたいほど。
さて!日々忙しすぎて時間の確保が厳しくカツカツの暮らしですが
新国立美術館で開催中の「THE ハプスブルグ」展は
12月14日が最終日。ぼやぼやしていては終わってしまう!
9月のオープニングレセプションの招待状まで頂いていたのに
子どもが風邪を引いて欠席。なので、決死の覚悟で
仕事や瑣末な雑事の時間を放棄するような気分で、今日の午後は行く!
80年代ベルサイユのバラで盛り上がった世代が、50〜60代になり
今またこの美術館の企画で盛り上がっているとか。
私も宮廷美術が大好きです。実際、オーストリアへ3度
ハンガリーは一度だけ。これも栄養補給のため。
でも今日は、六本木でマリア・テレジア様を、
巨匠デューラーやベラスケスの傑作を、拝観できるんです!
December 04, 2009
計画とは関係ないのですが
クリスマスローズガーデンにクモの巣があり、そこに朝露。
自然のネックレスですね。いろいろな形があって
いちいち写真を撮ってしまいました。庭のこんな姿に感動があり
綺麗なものを見た瞬間には、世俗的なことも忘れてしまいます。
斑入りリュウノヒゲとのコンビネーションで今回新たに植えたのが
クリスマスローズ・ニゲル。
実生F1の逸品、ゴールドマイスターシリーズです。
白さが際立って輝くように美しいので、日暮れの早いこの時期でも
ガーデンライトで光って見えます。これは今後も増やしたい系統で
王子さまのショップでも販売してもらうことにしました。
背の高くなるホリホックをたくさん植え足しました。
今はベビーですが
1、大きくなることをイメージできるように。
2、根が張ったころに支柱として使えるように
3、平面的になってしまう冬の庭の装飾として。
竹の支柱を挿してそこに庭のオーナメント(松ぼっくりなど)で
フィニアル(支柱飾り)にしました。結構楽しい眺めです。
背の高くなる植物はこうしてあらかじめ装飾的な支柱を挿しておくと
とにかく、あとあと便利です。
この写真はフランスのものです。花の色をイメージできる色彩に
支柱をペイントしておくのも良いと思います。
そのうち、星の王子の庭でも華やかなペイント支柱を
お目見えさせたい。
「立体的でカラフル」これが、魅せる庭(ショーガーデン)の
私的には大事なポイント。「平面的で地味」ではどうもね。
箱根はこの朝、4度。耐寒性のない植物がサバイバルできる
安全温度は5度ですから、今、プレクトランサス(大きな黄斑の葉)は
素敵に繁茂しているけれども、いよいよ危ない。その代わりに
パンジーが繁茂して欲しいと願っています。
カルーナの色は褪せずに長持ちしていいですね。
December 03, 2009
次の春が来たら植えたい植物や、やりたいことがたくさんあります。
新しい庭は希望が多く楽しいものです。ただし
年数の経っている庭は引き算も多く、増やすよりも「減らす計画」
が大切です。大きくなり過ぎた樹木を剪定したりうっかり増やした
庭の要素を減らし、そのうえで新しい計画を実行する。
10年〜100年以上の時間経過を経たイギリスの庭で、
思い切った変革や大剪定なども見て来ました。新しい庭といえども
そんな覚悟や心(予算?)の準備をしながらの付加アイデアを...。
以前から気になっていた右手サクラの木の「うしろの平面」
上の写真ではヘリアンサスの花が繁茂してそれほどではありませんが
冬になるとペッタンコになります。コンポジション、空間構成を
考えても、上の写真の庭はフニャフニャです。
特に冬が来て、庭が殺風景になった時に必要性を感じるのが
「骨格のある植物」
フニャフニャのなかに骨格が欲しい。いままでに
冬を見越して、骨格のある植物はいろいろ選んで
ずいぶん植えたつもり(樹木、灌木類)でも、
庭が広いので随所に平面が残っています。
庭は「草花+樹木灌木+コンストラクション」
大きくわけてこの三要素を調和させるのが、大変です。
花だけが得意とか、コンストラクションだけとか
樹木だけとか。それで、私も集中力が続かなくなることがあります。
コンストラクションの範疇でいうと、土盛りも重要ですが
あの個所は土も盛ってないので地面が平坦です。
とにかく、低コストにここをこんもりさせたい!
とにかく眺めを楽しむために「庭の立体感は重要な要素」です。
ただ、樹木の陰になるので日照は少なめ。冬の間も立体感のある
常緑性植物で、この庭の色彩計画「黄と青紫」で花の咲く品種は?
マホーニア”チャリティ”!花の少ない冬に貴重な華やかさがあります。
昨日、小林養樹園で見つけたのは、こんな分岐した株。これだ!
マホーニア”チャリティ”は
冬のイングリッシュガーデンに欠かせない常緑植物です。
背を高くしないように、花後即決で剪定し
分岐を増やす必要がありますが、超丈夫です。
樹木の落葉後、日当りの良くなる場所なら花付きも期待できそう。
(わが家の北庭でも今、満開です)
またマホーニアの株元に欠かせないのが、葉っぱで面を作る
ツワブキ。日当りが良いとびっくりするほど花も咲くので
保湿性の良い土なら日当りに植えるのも一つの手。
ツワブキを、日陰の穴埋め植物と考えてはいけない。
まだまだ続けたいけれど、原稿の締め切りが!
続きはまた後日に。