丸の内仲通りガーデニングショウ2009
丸の内仲通りガーデニングショウが始まりました。
今年で6回目。私は相変わらずコンテスト審査員としての参加ですが
今年の入賞者20名の作品は、とても高い水準の作品の多かったことが
印象的です。上の写真はテーマガーデン「印象派の庭」
を作った玉崎弘志さんの作品。
見ごたえ十分、サービス精神満点の作品です。
金賞を受賞した中野万里さんの作品は
いわゆるインドアプランツ系を使用した、一見地味な
作品なのですが、植物のフォルムを違いをうまく活かした
THE ART OF PLANTING が見事な作品で、
7名の審査員、全員一致の金賞でした。
とにかく、ひとことで言えば「センスがよく完成度が高い」
プランツエコロジーの調和も良く安心感がありました。
今回のテーマ「やさしさに気づく街丸の内」に相応しい作品です。
なんだか、見ていて、とても癒されるんです。
写真ではそれが伝わりにくいかもしれませんが。
銀賞は日本ガーデンデザイン専門学校の方々の作品。
ファッショナブルな丸の内にぴったりな作品です。私としては
ここに、大柄なダリアのような花がボーリューミィに入ったら
金賞だったかもしれないと思いました。惜しい!
小さい花が好きだという感性は、私も共感しますが
コンテストでは、なかなか難しい課題。花が小さい分、弱い印象に
なりがち、強い「やさしさ」もあると思えば植物の大きさは課題です。
花のインパクトは強いものです。それを上手に使いこなすのが
コンテストのコツですが、なかなかそういう作品が現れない。
また、庭の「明度と彩度」への考慮も重要。葉っぱの緑色はもともと
明度彩度が低く暗いので、そこを考慮しながら
明度彩度の高い世界を作り、華やかに印象づけるのもコツです。
おしゃれな印象の銅葉や銀葉を多用しても暗い庭は好感度にならない。
いかに人の目を楽しませるか。それこそが公開庭園のポイントです。
選外ではあったけれども、たくさんの植物が植わって
ディテールが楽しかった加藤恵さんの作品。
魅力的なディテールがたくさんあったのに、逆にエレメントが多すぎて
全体が散漫な印象になってしまった。とても惜しい。
色彩センスがとても良いので、美術館でたくさんの絵を見て
構造物の強弱など、コンポジションを勉強しよう。
そして、引き算のエレガンスを自分の課題にして。
(....それは、私の課題でもある!)
丸の内仲通りにかかるハンギングバスケットの見事さも
常に話題です。高いビルが多く、直射日光の当たらない環境で
うまく育つ植物を上手に選んである。
これを見るだけでも価値のある丸の内仲通りガーデニングショウ2009は
〜11月1日まで開催中です。