July 2009
July 22, 2009
園内は最初に4つのテーマガーデンが…。
まず、アプローチの庭。
黄色と紫とテーマカラーに光と陰の色彩の庭です。
ゴッホに影響を受けた私の花選びはルドベキアとマリゴールド、
アンゲロニアとヒューケラやリュウノヒゲなど。
とにかく丈夫な種類を。
2つ目がアジサイの庭、
色彩計画は、向かって左側が朝日の色彩で白い花。
右側が夕陽の色彩で、オレンジの花たちのコンポジション。
今後も、珍しいアジサイを見つけ、加えて行く予定です。
ここに植わっている大株のアジサイもすべて、私が選び
今回新たに植えた「子」たちばかりです。
絵を描くように、草花を植え付けています。
今後の生長が楽しみであると同時にうまく生長するかどうかは、
お天気にも依存するので、心配が尽きません。
今年の夏は、ルドベキア!
さまざまな色調のルドベキアが登場し夏の庭を彩ります。
これはチェロキーサンセット
……だと思うのですが(園芸店より、私が買ってきたものです。
札が付いていなかったので、詳細は不明)
ルドベキアその2、
と、うっかり
ルドベキアの注文トレーに
混ざっていたのがエキナセア。ご指摘いただいた方、
ありがとうございました。
ルドベキアその3、チェリーブランディに似ていますが、
八重なので、これもルドベキアのミックスシードからの品種のよう。
アンゲロニアも大活躍。高温多湿に強い植物ですが、
意外に乾燥にもそこそこ強いという印象。
根が張ってしまえば、もうこっちのものです。
肥料は大好き。夏の庭の味方。
一年草扱いで蔓延らないのが、良いのかもしれません。
3つ目のローズガーデン。
星の王子さまにちなんで、整形式のローズガーデンでありながら
植物の配置は、惑星をイメージしてランダムに植えました。
よく見ると、お星さまの踏み石が入っています。
うわ〜、霧が出て来た。
耐病性のある強い品種を植えましたがやはり心配です。
品種の詳細は秋バラが咲いた時に、詳しくルポの予定.....。
4つ目は、クリスマスローズガーデン。
今はコスモスが咲いています。
July 21, 2009
パリから、再度プロヴァンスへ。
……ではなく、帰国してすぐ、箱根 星の王子さまミュージアムへ。
実は、プロヴァンスにいるときから、
ずっとずっと気掛かりだった重要案件が、星の王子の庭でした。
オープン直前の工事日はフランス帰国直後、すごく晴れた日で
本当に、またプロヴァンスに戻ったような錯覚をしながら
猛烈な炎天下で工事の仕上げをした次第。
オープン当日は今にも雨が降りそうな怪しい雲行き。
ともあれ、優秀なスタッフ、関係各者の方々の努力で
無事「箱根 星の王子様ミュージアム」の庭が完成!ばんざーい!
と思うのは、まだ早く、これから、春夏秋冬、
庭の生長を見守りながら、改善を重ねる所存です。
早春はクリスマスローズ、春は数えきれないほどの
さまざまな植物の開花と芽吹き。
ゴールデンウィークの頃、初夏のバラ、梅雨のアジサイ。
紅葉は言わずもがなで、秋の花も新たに植えます。
また、冬はライトアップとクリスマス飾りが楽しみです。
その後も、四季の植物の見頃を準備中。
ビフォーの写真は、6月の下旬
THE NEW PROJECTS IN JUNE〜PART1〜でも、ご紹介しましたが
私自身、他の仕事や工事も集中していたので、ブログが書けず、
庭が急に出来てしまったように見えてもクヤシイので
プロヴァンスに行く直前に撮った工事中の状態も登場。
空飛ぶ大木達。「感動的!」なんて、言ってる間はありませんで、
「あと10センチ右、時計周りに20センチ回してください!
あっ行き過ぎ!5センチ戻して!」
繰り返し、繰り返し、大声で叫ぶうち、喉が痛くなり。
写真なんて撮っている余裕はなかったはずですが…。
なぜか撮っていましたが、樹木の向きを決めるのが大好きです!
具体的に、どんな植物を選ぶのか。
これが、私のガーデンデザインの第一歩。
しかし、以前にも書きましたが、
箱根の生態系を把握するのには時間がかかりそう。
想像以上に湿気が強く、冬はロンドンよりも寒い。
箱根仙石原で育つ、他の庭の植物を観察しつつ
他の庭と同じ印象に見えないような工夫をしながら
まずは、アジサイは間違いなかろうと、とにかくアジサイでも
珍しい品種、珍しい大株を探し出し、
それを徐々に増やして行く予定です。
玄関エントランス。ここに見えている
サルスベリ(花色=ラベンダー色)や
柏葉アジサイもみんな新たに植えたものたち。
これから、ここで元気に育って欲しいとの願いを込めて作りました。
実際、東京の自宅よりも、プランツエコロジーに制約が多いのですが、
そんな限界での庭づくりも、かえってクリエイティブだと思います。
オープン前日には、テレビカメラも入り、
この模様は私の家の紹介も含め、
TBSテレビの午後の番組「ひるおび」の火曜日号で放送されるようです。
(おそらく、今月末か、8月上旬の火曜日?)
ちなみにここでは、花もダンゴも揃っています。
星の王子さまミュージアムには、カフェとレストランが併設。
どちらのメニューも、美味しい!
パリから帰ってすぐ、このレストランのメニューを見て嬉しくなったのは、
メニューの価格が手頃なこと!
箱根は海の幸も、山の幸も、食材も魅力の地です。
パリに着いた翌日、ロワール川沿いにある
ショーモンシュル城の国際ガーデニングフェスティバルへ。
ここ数年で毎年特集になる、英国の
GARDENS ILLUSTRATED誌を見て
行きたかったフランス最大のガーデンショウ。
今年のテーマは「Jardins de couleur 色彩」
全部で25のテーマガーデンがあり、
テーマ「色彩」に合わせてカラフルな花の世界が、とてもとてもフレンチ。
この写真は、花の色に合わせて風にそよぐ洗濯物が特別に染められた色で、
歩き進むと花と洗濯物が暖色から寒色に変化してとても楽しい。
すごくおしゃれ。
モノトーン系のフォリッジの庭で間欠泉のように霧の吹き出す庭。
そのつど、すーーっと、涼しい風が吹いてきて気持ちいい。
夏の庭にひとつ欲しい”仕掛け”ですね。
小学生のお勉強コースにもなっていて、こんなにおしゃれな庭に
子供の頃から接することができるなんてうらやましい。
お城のレストランも充実していて、今フランスで盛んな
BIO(オーガニック)なランチとワインにうっとり。
全体にとても良かったので、今度は夜のライトアップも見たいし、
この地域に泊まってゆっくり過ごしたいと思いました。
DOMAINE DE CHAUMONT−SUR−LOIRE
FESTIVAL
INTERNATIONAL
DES JARDINS
http://www.chaumont-jardins.com/site/page/festival/festival.php
Chateau de villandry
ショーモンシュル城のあと、キッチンガーデンで有名なビランドリィ城へ。
この城の存在を知ってからはや20年近く。
ロアール地方には、なかなか訪問のチャンスがなく
ずっと憧れていた景色との出会い!やはり圧巻!
あいにくの雨空でしたが、写真は快晴で撮るよりも
植物のシルエットが美しくでるので、ありがたかったです。
庭が現在のように見事な整形式庭園となったのは1906年のことだそうです。
城の歴史そのものは1536年から始まるのですが、
途中、さまざまなスタイルへの変遷があり、
現在の5ヘクタールの緻密な設計になって以来、
100年ものあいだ、この状態が維持されて来たことにも感激です。
愛の庭園につづき、マルタ十字の庭園。
それぞれの造形に象徴的な意味が隠されています。
それにしてもキッチリ!
音楽を象徴、連想させるサロン。
大きな三角形に刈り込まれたツゲが竪琴を表しています。見事!
http://www.chateauvillandry.com/
July 17, 2009
P R O V E N C E プロヴァンス 五感の喜び
ジョーヌ 黄色大好きに!
7月5日(日)
マルグリットに連れて行ってもらったのは、
地元フェラシエールのラベンダー祭り。
小さな村のお祭りですが、
たくさんのマルシェが集まり、盛り上がっていました。
こういう小さな村のお祭りは、地元の人々がほとんどで、
外人は自分たちだけかも?といった無垢な感じがいい感じ。
真ん中の小さな女の子は、
私の幼なじみ(プロヴァンス在住)美花ちゃんのお嬢さん。
今回、偶然出会えて、もう本当にびっくり!
右端がマルグリット、あとは今回のメンバーと、
プロヴァンス衣装の地元の皆さん。
「そこに指を入れてごらんよ」と地元のおじさん。
素朴なラベンダーの蒸留装置に溜まったエッセンスに
指を入れているのは私。蒸留装置からは湯気がでていましたが、
「あらまあ!熱くないのね?」(こんなところに指なんか入れていいの?)
濃厚でシャープなラベンダーの香りがいつまでも指にからんでいました。
http://www.avignon-et-provence.com/pays/26-drome/montbrun/gb/feteLavande.htm
マルグリットの畑で最後の写真撮影!さよなら「ラ・ギャベル」
LE CHATEAU DE LA GABELLE
http://www.chateau-la-gabelle.com/
やはりここへは個人旅行でくるのがおすすめ。
TGVのアヴィニュンから車で1時間。
昨日のマルシェで買ったつば広帽子で(20ユーロ!/2800円)
さて、ラベンダーのプロヴァンスもこの日が最後。
最後にバスでラベンダーの畑めぐりのドライブ。
明日の夜はパリ。でも、プロヴァンスからパリに向かうのは、
いつも、とても憂鬱。パリは素敵な街だけれども…。
プロヴァンスの特別にのんびりした感じと別れ喧噪のパリへ。
そしてTGV車内は段差があり、30キロ近い荷物を持って
列車に乗るのが、本当にひと苦労です。
パリ、リヨン駅のゴタゴタも嫌い…。
ああ、でも今回はツアーなので、バスのお迎えのあるのがうれしい。
個人で来るとタクシーの奪い合いでまた疲れるんです。
TGVの駅、アルルに向かう前に立ち寄ってもらった鷹巣村、ゴルド。
美しい!やはり、プロヴァンスに来たら
この鷹巣村を堪能しないとね。来た気がしません。
私が一番好きなのはボニュー村の夕日。これは、朝日のゴルド村。
さらについでに寄ったラベンダー博物館。
行く先々で購入するのが「ファインラベンダー」の精油。
お風呂に4〜5滴、寝る前に手首に一滴と、
疲れたときにこめかみに1滴すり込む。
いくらあっても足りないのだけれど、
この真性ラベンダーの精油は小さな瓶で400〜700円程度。
おみやげにも最適です。繰り返し購入し忙しい日本の暮らしに備えます。
車中、よくひまわりの畑を見つけたけれど、
何度も繰り返し眺めるうちに、だれも騒がなくなり…。
でも素敵!ジョーヌジョーヌ!と心のなかでは黄色が大ブーム。
アルルでは、ゴッホの星空のカフェの舞台となった
LE CAFE LA NUIT で昼食
ゴッホの絵にでてくる黄色は光の黄色。
絵画的な花の庭でも、光の色彩を表す上で、
黄色の花が欠かせないことをゴッホの絵から学びました。
それも15年ほど前のこと。
今、やっとこの地にいる喜び!
無事、列車に乗れた。
移動の途中、TGVのビュッフェへ。
エスプレッソ、とても美味しかった。
こういうとき、私はひとりになるのが好き。
仲間と楽しくしていると、他の世界が見えなくなるから。
July 15, 2009
マルグリットと一緒にラバンディンを刈るEさん。
5年前、この地に来たときと決定的に違う感じがしたのは、
ラベンダーのパワーです。
植物単独のサイズも小さいし、
全体の耕地面積も圧倒的に少なく感じ、
香りもどことなくパンチに欠けています。
というのも、ここ数年の高温で、
標高900m前後のマルグリットの畑でも、
真性ラベンダーの90%が病気になってしまったそうなんです。
温暖化の影響がこんなところにも!?と、暗澹たる気持ち。
それで、今回私たちが刈らしてもらったのは、ラヴァンディン。
以前は真性ラベンダーの畑がどこまでも続いていたのに、
香りはいいけれども、効能はファインラベンダーより弱く、
しかも、株もまだ小さかった。マルグリットも以前みたいに
「好きなだけ摘んで!」とは、いわなかった。
そうよね。500ヘクタールの畑の90%ものラベンダーが
ダメになったのだから。
それでも、遠慮がちに刈らしてもらいました…。
マルグリットのシャトーラガベルの周囲が
すべてラベンダー色に染まるのはあと6年後とか。
温暖化対策で熱さに強いラベンダーを現在試験的に育成中。
ラベンダーも連作ができないので、今しばらくは牧草地に。
でも、お店で買うのは、自由! とばかりに、
3株で6ユーロの真性ラベンダーを購入!すごくいい香りです。
ラベンダー街道の起点、SAULT(ソー)の村にて。
http://www.saultenprovence.com
買った苗と、自分で刈り取った苗を部屋に干しておきます。
窓の外はティユール(菩提樹)の大木。
窓からの風には、ラベンダーとティユールの香り。
ここでは、不眠症の私も毎晩爆睡です。
夜、窓の外でティユールの葉がさわさわとささやく音を聞いているうちに、
ふかーい眠りに入っていきます。
毎朝、5時ころにはおきて、朝はひとりで無限に広がる畑の花摘みへ。
ヤロウ、レースフラワー、スカビオサ、ルリタマアザミ、バーバスカムなど、
さまざまな宿根草、ハーブが牧草地に咲いています。
プロバンスでは、野菜料理が最高においしい。
このとき、私はトマトのファルシが食べたかったのですが
ランチで寄ったルールマランはメロンの産地。
名産の生ハムとシャンパンでご機嫌モードに突入です。
夏のプロヴァンスは、昼はなにもせずに、
日陰で冷たく冷やした飲み物を飲んで、
ぼーっとしているのが最高に幸せな時間です。
L’lsle−sur−la−Sorgue(イルシュルラソルグ)のマルシェへ。
この街は、趣味の良いアンティークの店が集まることでも知られています。
このラベンダーの屋台は、オーナーが自分で作った作品を売っています。
形がきれいだったので、私もひとつ購入。
作り手によって、形やデザインが微妙に異なるのが、
楽しいハーブクラフトの数々。