October 2009
October 31, 2009
実はこの写真、先日(10月27日)の寄植えの、反対側から見た写真です。我が家の南向きのベランダで育てていたので、太陽の当たる「表側」と、家の中から眺める「裏側」というふうに、パンジーをリバーシブルに植えました。(2009.4.16 撮影)
この寄植えは、見つけた途端に鼻息が荒くなるようなパンジーとの出会いからスタート。このミステリアスな紫色!(下の写真は植え付けから数日後の2008.12.04撮影)。
植木鉢は、クリフトンナーサリー、京阪園芸さんから。
このコンテナとこのパンジーがあれば、どんな組み合わせも素敵に見えたことでしょう。春になればどうなるか、でも本当はどうなるかわからないワクワクを伴いながら、寄植えのプランティングが迷わず決まりました。
でも、今年はそんな出会いがまだ、ない。
パンジーは長日だと茎が間延びし、短日で茎の締まった株になるといいます。写真のパンジーは肥料がよく効いたおかげで色が濃くなったのですが(上のパンジーがこの写真の4ヶ月後)間延びもせず、顔の向きも揃って行儀良し。
さて、いよいよ11月になればパンジー徒長の心配も減り、買い時です!
11月7日は京阪園芸クリフトンナーサリーで講演会です。
素敵なパンジーが、ありますように!
October 28, 2009
昨日今日と秋の光が美しすぎて、気持ちが庭にばかり向かいます。今は何をするべきかと。「秋だけの寄植え」は、ロングライフと違い、見頃は秋だけの、年越しをしない寄植えです。この写真の撮影データを見ると、2007,12。2年前に作った寄植えです。材料は、名前の不明なスプレイマムをメインに、バコパ、ヒューケラ、脇に見えるリシマキア・コンゲスティフロラ。スプレイマムは、9月の満開花を切り戻し、2度目の開花。売っているスプレイマムは、不自然にぎっしりと咲いているのが嫌。早いうちに切り戻し12月の開花を楽しんだというわけです。一期だけの寄植えは、如何にその後の季節も使い回しのきく材料を使うかがポイント。スプレイマム以外は、春の寄植えにも使える植物で、マムだけは別ポットに植えておき、次の秋の開花まで待ちます。そうすれば、無駄がありません。
そして、この寄植えを作ってから2年目の今秋、この時のスプレイマムを、星の王子さまミュージアムに植えていたことを思いだし...。実は、夏に植えたときはこの色が咲くとは予想もつかず。美しく開花して「ああ、そういえば、これは2年前の寄植えだった」と、懐かしく思い出した次第。昨秋もわが家で綺麗に咲いていたのですが、我が国原産野菊のDNAをもったマムの生命力に注目です。ただし放置しておくと、4年後くらいに消滅する傾向があるのは、他の宿根草と同じです。種の保存には、挿し芽などで保険をかける必要があります。(下の菊の写真はミュージアムの水原さんが撮影)
October 27, 2009
秋から春にかけて、寄植えを長く楽しむロングライフの作品を作るなら、そろそろ開始時期ですね。関東の適期は11月上旬です。あまり早くても(10月のパンジーは徒長する傾向があり、もしも、すでに背が伸びているなら、切り戻しをしなくてはならない)
私は今、あちらこちらの園芸店を回って材料を探していますが、どうも、いまのところ、ピンと来る材料に恵まれず、迷走状態が続いています。
今年もニューフェースのパンジーが登場してはいるのですが、どうも今ひとつ自分の中で決め手が見つからないので焦っています。
まあ、良い作品ができるかどうかは、実に、材料ありきです。
そして、その組み合わせにほれぼれするような結果が出せるかどうかは、育ててみないとわかりません。
この写真は去年の秋に作って、今年の4月にチューリップが咲いたところ。詳しくは今、発売中の園芸ガイドに掲載中ですが、なんといっても、昨秋は、紫葉のケールが大活躍しました。
今年はまだ見かけませんが。 おすすめの材料です。
パンジー、ビオラを選ぶ時、色や形は大切な課題ですが、私がもっとも注意するのは、パンジー、ビオラの顔の向きです。あっちやこっちを向くのはNGで、全員がこっちを向いて咲くタイプを採用します。そうでないと行儀の悪い寄植えに見えてしまうし、写真写りが難しくなってしまいます。全員がカメラ目線、というのが理想です。
October 26, 2009
今日は雨
水やりの手間が省け、助かりますが、気分が滅入ります。
9月24日(上)に本葉がでたところを撮影し、さらに、
10月24日(下)すっかり大きくなったワイルドフラワーミックス。
もっと間引きをしなくてはいけないのに
どうもこれが、息苦しい作業で、苦手です。
これでもかなり、抜いたのですが、大きくなるとさらに密集します。
はっきりと見えるのは、ニゲラ、ヤグルマソウ、ポピーなど。
感動したことといえば、私が留守をした1週間は毎日が晴天、
2Fベランダの植木鉢は毎日潅水する必要があったのに
屋上の実生組が全部生き抜いたことです。実は、水やりを
頼んでいたにも関わらず、だれも屋上に上がらず、
自動潅水もしていないのに、全部が元気に生きていました。
その前の週は、台風もあった。
それでも大丈夫だった。やはり土と環境がうまく馴染んでいる。
となると、どれほどしっかりとした根を張っているものか。
見てみたい衝動にかられます。
さぞかし、のびのびと深く根を張っていることでしょう。
もちろん写真以外の、同じ時期に他の場所にもたっぷりタネを蒔き、
そのままそこに植わっていたものは全員サバイバル、
発芽後、移植したグループは台風でほぼ全滅しましたが。
このまま12月までは、幼芽たちが、
順調に大きくなるのを見守る日々が続きます。球根も
すべて植え終わり、落葉を待って庭の宿根草の掘り起こし
株分けをする予定です。春が楽しみ。
あっというまに11月そして、師走ですね。
October 25, 2009
丸の内仲通りガーデニングショウが始まりました。
今年で6回目。私は相変わらずコンテスト審査員としての参加ですが
今年の入賞者20名の作品は、とても高い水準の作品の多かったことが
印象的です。上の写真はテーマガーデン「印象派の庭」
を作った玉崎弘志さんの作品。
見ごたえ十分、サービス精神満点の作品です。
金賞を受賞した中野万里さんの作品は
いわゆるインドアプランツ系を使用した、一見地味な
作品なのですが、植物のフォルムを違いをうまく活かした
THE ART OF PLANTING が見事な作品で、
7名の審査員、全員一致の金賞でした。
とにかく、ひとことで言えば「センスがよく完成度が高い」
プランツエコロジーの調和も良く安心感がありました。
今回のテーマ「やさしさに気づく街丸の内」に相応しい作品です。
なんだか、見ていて、とても癒されるんです。
写真ではそれが伝わりにくいかもしれませんが。
銀賞は日本ガーデンデザイン専門学校の方々の作品。
ファッショナブルな丸の内にぴったりな作品です。私としては
ここに、大柄なダリアのような花がボーリューミィに入ったら
金賞だったかもしれないと思いました。惜しい!
小さい花が好きだという感性は、私も共感しますが
コンテストでは、なかなか難しい課題。花が小さい分、弱い印象に
なりがち、強い「やさしさ」もあると思えば植物の大きさは課題です。
花のインパクトは強いものです。それを上手に使いこなすのが
コンテストのコツですが、なかなかそういう作品が現れない。
また、庭の「明度と彩度」への考慮も重要。葉っぱの緑色はもともと
明度彩度が低く暗いので、そこを考慮しながら
明度彩度の高い世界を作り、華やかに印象づけるのもコツです。
おしゃれな印象の銅葉や銀葉を多用しても暗い庭は好感度にならない。
いかに人の目を楽しませるか。それこそが公開庭園のポイントです。
選外ではあったけれども、たくさんの植物が植わって
ディテールが楽しかった加藤恵さんの作品。
魅力的なディテールがたくさんあったのに、逆にエレメントが多すぎて
全体が散漫な印象になってしまった。とても惜しい。
色彩センスがとても良いので、美術館でたくさんの絵を見て
構造物の強弱など、コンポジションを勉強しよう。
そして、引き算のエレガンスを自分の課題にして。
(....それは、私の課題でもある!)
丸の内仲通りにかかるハンギングバスケットの見事さも
常に話題です。高いビルが多く、直射日光の当たらない環境で
うまく育つ植物を上手に選んである。
これを見るだけでも価値のある丸の内仲通りガーデニングショウ2009は
〜11月1日まで開催中です。