October 2009
October 22, 2009
写真は先日、千葉のガーデニアイーストで講習を行った
春咲き球根とビオラ、ベアグラスとアイビーの寄植え。
最後の土を入れる前に撮影したものです。
テーマは「パステル」淡い色優しい色の植物だけを集めたものです。
見えている球根は、クロッカスとムスカリ。
クロッカスとムスカリは来年も花が期待できるので、
来春、葉が枯れた後に掘り起こし、キープ。
この土の下にあるのチューリップは
一年限りと決めて植えます。常緑植物はもちろん再利用。
しかし、今年はなんというか、パンジービオラの花上がりが
遅いような。個人的に、パンジービオラの購入は
もう少し後にしようかと思うほどです。
さて、先週1週間は、奈良と箱根と千葉。ロケ、講演、
庭の施工作業で、ずっと家を留守にしていました。
その間の子どもの世話は、
三重県に住む料理上手の従姉妹に上京してもらった次第。
仕事と子育ての両立はいつだって本当に大変ですが、
それを助けてくれる人の存在は、実にありがたいことです。
そのお礼にと、従姉妹の希望でもあった観劇へ。
選んだのは、ブロードウエイミュージカル。
赤坂のACTシアターで上演している「CICAGO」です。
忙しい合間の、まさに久々の舞台は、生身の人間が
力の限り歌い踊る姿に圧倒され、同時に
見事に磨き抜かれた肉体が放つ、眩しいほどのオーラ!
それを水の飛沫みたいに客席で浴びた気がする。
可能な限り、観劇は頻繁に行きたいものだと痛感。
子どもを授かって以来、もっとも遠ざかったのが、こうした
舞台芸術に触れる時間ではなかったか。ま、それも仕方ない。
しかし、そろそろ、頑張って観劇マニアに戻りたい気が...。
そうしたことも、努力次第で実現できるはずでは...あります。
えいやっ! と、行かなくては何も変えられません。
上の写真は「フィガロの結婚」私が仲間と舞台美術をしていた
1985年頃の仕事で井上道義さんと二期会による
オペラコンサートの舞台と衣装デザイン。
舞台好きが高じて、舞台美術に関わっていましたが、その都度
舞台芸術開催の真の苦労を感じていたので、本当は高価に感じる
チケットも、開催する側の苦労を考えるとそうでもないと思うのです。
たくさんの舞台芸術やコンサートで感動したこと
たくさんの美しい美術や景色に心で触れたこと。
そこで得た感動が、生きていくための力や感性を養うし
ガーデン・デザインをしていくうえで、大いなる
インスピレーションの源になっていると感じます。
秋冬は、チャンス到来! とはいえ....インターネットで
ロンドンのコベントガーデン、パリのオペラ座、
指をくわえて演目をチェックしてみるだけの私です。
先日、渋谷の文化村に来ていたNYCバレエもついに逃してしまった!
行きたいのに、時間のやり繰りができない。あ、そういえば
今、文化村のミュージアムギャザリングに参加しています。
http://www.bunkamura.co.jp/gathering/guest/index.html
October 20, 2009
光が見事で、花や緑が一層美しく見える。
と、同時に、こちら側の感受性も少しセンチメンタルに
なりながら、一層センシティブになっている気が...。
箱根は東京よりも秋が足早です。
これは、サルスベリの紅葉した葉とアンゲロニア。
箱根サンテグジュペリの庭も秋の準備が始まり
これまで目を楽しませてくれた夏の草花を抜いて
新しい植物を植える作業が始まりました。これが
結構辛いのです。まだ、見ごたえはあるのに
明日霜が降りれば、もうダメだろう。と、早めに見越して
春咲き球根や冬の花、パンジーを植え替えるのですが
見切りは....やはり辛いです。
ああーごめんなさい!と、心で叫びつつ、このあと
抜いてしまった熱帯性植物たち。もったいないー。
こうした作業は公開庭園の宿命。心を鬼にして...。
しかし、この見事なアンゲロニアは、今月一杯はここに。
アンゲロニアにも、いろいろな種類がありますが、
このエンジェルス・ラベンダーのダークラベンダー色は
秋になって一層素晴しい色になりました。
来年はこの色だけにしようかと思うほどです。
他の白色品種よりも立派な形をしています。
植え付けたばかりのハンギングは沼尻將惠さんの作品。
光の乏しい秋冬の時期には、光の色彩、黄色を主体とした
寄植えをテーマにしています。
次に箱根を訪ねたときには、姿も安定しているでしょう。
見事な黄色い葉はイレックス。ピンクの花は
ダイアンサス”アリス”です。
これからは、日暮れも早くなり、
ライトアップされた景色も楽しみな
箱根 星の王子さまミュージアム。
次の公開ワークは、11月4日を予定しています。
ミュージアムブログもよろしくお願いします。
http://www.tbs.co.jp/l-prince/column/index-j.html
October 19, 2009
朝夕に草木を吾れの友とせば
心淋しき折ふしもなし
これは
軽井沢植物園へ伺った際、植物園の佐藤邦雄園長から
頂いたサインです。園長が監修された「軽井沢植物園の花」
という本は私が軽井沢に住むつもりで購入した
軽井沢の植生を知るのにうってつけの本でした。
園長は、大正2年のお生まれで植物学も人生も大先輩。
しかしながら、心のこもったサインで
直後の美智子皇后のご訪問を控え大忙しだった
にもかかわらず、丁重な対応をしてくださった
事が忘れられません。
そして、そこには上記のように
植物学者 牧野富太郎博士の短歌も添えられました。
もう何年も前のことですが、この一節を園長から教わって以来
私にとっても、一生の座右の銘になると思っていました。
余談ですが、牧野博士の書き記したものには、心をうつものが
たくさんあります。
わが姿たとえ翁と見ゆるとも
心はいつも花の真盛り ...これが私なら
わが姿たとえ婆と見ゆるとも
心はいつも花の真盛り
これだけで元気がでます。
脱線してしまいましたが、
イギリスから帰国した直後、東京以外の場所で土地探しをしていた
私たちに「軽井沢にしなさいよ」と勧めてくれたのが、
作曲家の加藤和彦さんでした。
初めてお会いしたのは、今からもう十数年前のことです。
ビートルズのアルバムで有名な
ロンドンのアビーロードスタジオの中でした。
若き日の友人、世界的なソプラノ歌手
中丸美千繪さんがアルバムを収録していたのです。
思い出話が溢れてきますが、ここでは割愛。
ある夏の日、右も左もわからない、初めての軽井沢の土地探しに
丸一日付き合ってくださったのです。
軽井沢でアイボリーのランドローバーを駆る加藤和彦さんは
背が高くて、エレガントな英国紳士そのものでした。
最高にセンスの良いジェントルマン、本当の意味で
繊細な、お優しい方だったと思います。
しかし私は、お世話になるばかりで、何もお返しができなかった。
お話が本当におもしろくて、普通の日本人にはできない経験を
ヨーロッパで、たくさんしていらした。
その逸話だけで本が書けたはず。
ニュースを知って以来、あまりにも憶う事が多すぎ...。
いろいろ迷ったのですが、この場を借り
本当に素晴しい方だったこと。お伝えしたく。
心からの感謝を込めて....ご冥福を祈ります。
October 17, 2009
October 14, 2009
婦人誌ミセスの取材で、奈良を訪ねました。
1300年前の日本の都をたどる旅です。
(写真は春日大社の樹齢千年と言われる本社大杉
この木の気に触れてパワーチャージしました)
私は生まれも育ちも東京ではありますが、
私の父までは先祖代々が奈良県大和郡山市。なので
大人になるまでは、私の本籍も奈良県のままでした。
ですから、奈良は私にとって、故郷のような地。
同時に、奈良は古代の日本を体感できる場所でもあります。
まずは1300年前の都。平城宮跡へ。
平城宮跡資料館、東院庭園。庭とこの建物は
復元されたものですが、後ろに控える森は本物。
地面からうわ〜っと溢れ出てくるようなオーラが
木々を通して吹き出しているよう。
それは、凄みさえあり....。もしかすると
ここはパワースポットなのかもしれませんね。
朝から続いていた私の偏頭痛が直ったのも
ここに着いてすぐのことです。
その後、大好きな技芸天さまに会いに秋篠寺へ。
技芸の仕事をする私には、守護神的な存在です。
今、美仏ブームだそうですが、個人的に
かなり前からブームの仏像です。
残念ながら内部は撮影禁止なので、詳しい内容は
ぜひ、新年に発売されるミセス2月号を見てください!
ここは、苔庭の美しさにも魅了されます。
二日目は、新薬師寺へ。こちらは十二神将で有名ですが
私はくりくりお目目の大仏さまが好き。かわいい〜。
この大仏さまの光背に散りばめられたアカンサスが気になって...。
ギリシャ神殿にもしばしばでてくるアカンサスの葉の装飾。
奈良の仏教美術が、シルクロードを経てギリシャまで
繋がっていることを感じます。
さて!もっと書きたいけれども、今朝は5時半起きで
朝一番の東大寺大仏殿撮影でヘトヘト。
その後の大大好きな奈良随一の庭園、
依水園訪問報告も、ぜひとも次回に....
明日は箱根で大野さんとトークショウ!
パワー全開のための準備をして、明日に備えます。