吉谷桂子のガーデニングブログ

November 2009

November 28, 2009

マゼンタ色への挑戦

大好きなアネモネの花が市場に出始めました。

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アネモネは球根から育てるよりも、
冬の芽出し苗を買ったほうがお得です。
関東以西の気候なら12月〜4月ころまで次々に咲き続けるから。
球根からだと、発芽から開花まで、春を待たなければいけませんが
芽出し株なら、冬の間から大きな花が繰り返し咲き、楽しめます。

私がいつも購入するのは、ブルー・パープル系です。


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この写真のような、濃いピンク、マゼンタ色は苦手です。この色は
ガーデンデザインの現場では「なるべく使わない」
その理由は、葉っぱの緑色や他の花との相性が難しいから...。
色彩構成で庭を考える時に常々思います。

濃いピンクのペチュニアも同じ理由で避けます。
あのようなベタなピンクのシャツに
こんな緑色のスカートを合わせないでしょう。という感じで。

インテリアもエクステリアも、生活における色の効果や
組み合わせは大切です。生理的な気分さえ左右します。
明るい気分になったり、落ち込むことさえあります。

特にまた、東京の黄味を帯びた空気の色との相性が悪い。
色彩が濁って見えます。逆に
北海道や八ヶ岳、箱根・仙石原のように、色温の低い地域なら
クリアでスカッとした色味がでるのですが。

実際、上のアネモネの写真は早春のロンドンで撮影したので
少し透明感があり、写真では勿論、綺麗だと思います。

下の華やかなガーデンシューズは今年の夏、パリで撮影したもの。


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一つ間違えると悪趣味になりそうに派手な色ですが。
多色の組み合わせも、良い趣味ならパワフルです。
それを見た人は、そのほうが楽しい気持ちになるんじゃないかな。

ファッションデザイナーのC・ラクロアの色使いは参考になります。
シックなモノトーンやアースカラーの集合は間違いなく
エレガントですが、「インパクトがない」ので
不特定多数の人々に感動を与えられない。とは大げさかしら。
でも、気づいてもらえないことがあります。「地味ね」と一蹴り。
何度か、そういう目にあっている私は、悔しくて・・・
反省もしているのです。

来年は、派手でベタなピンクにも挑戦する。
以前嫌いだった黄色の花を、今年は贔屓にしたように。

結局、花のある景色を作ることの最大の意味は
それを見に来てくれた人々の「お褒めの言葉」

花のある景色は、美しくて当然だけれども。
それが一層美しく見えるように工夫するのが
ガーデナーの生き甲斐。とはイギリスで体得した感覚です。

「自分だけが楽しい」のではダメ。
どうしたら、喜んでいただけるかの切磋琢磨。

来年のバラとガーデニングショウのプランが始まりました。
日程も5月12日からと正式決定して 
いよいよ本格的に稼動します。



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November 26, 2009

カフェドイシスの冬支度-2

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昨日の続きです。
それまで植わっていたアンゲロニアなど夏の花を抜き
その個所に肥料を加え、土の耕し直しを。

自宅での作業など、時間の許される場合は、一度植物を抜いて
開いた穴にミリオンやコフナを加え、植え穴の倍程度を掘り返すと
土の再生、中耕がわりにもなりますね。根の張りがずっと良くなるはず。

幅の狭い花壇でも、手前がシクラメン、次にパンジー
奥にハボタンとアネモネを植えています。色彩はパステル全般。

しかし.....この一ヶ月、 土を掘っていると
ボタニカでも、このカフェドイシスでも、わが家でも、
ネキリムシが続々登場。2匹いたら20匹は絶対にいると思った方が
いいですね。とくに植物を抜く時にするりと抜けてしまうなら
絶対に犯人が下にいる! 今年はコガネムシが多かったですから。
農薬としては、デナポンが効くようです。
あまりにも被害が厳しいようでしたら、少量まくと、やはり被害は減りますね。
そのあと、土を掘ると死骸がでてきます。
ヨトウムシにも効きます。少量というのがポイントで、
全滅させようと思わない方がいいと思うのです。
徹底するのではなく、そこそこに。

わが家では先日、20匹以上を30センチほど掘って回収し、
農薬はまかず、変わりに根っこが立派に伸びるよう、その場所に
活力剤(バイタル剤)をまきました。次の週にはハイポネックス微粉を。
しかし、根が張って手がでない個所にデナポンを少量まきました。


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今年のマイブームでもある、パンジー”ムーランルージュ”が
ひと株でパステルカラーの何色分もあるのと、ハボタンも
同じようにパステル系。
淡い色なら、ピンク、ブルー、パープル、クリーム色と
「メロウ・カラフル」にさまざまな色調を組みます。

濃い色(紫や赤など)は、
日暮れ後見えなくなってしまうけれど、オレンジ色や
黄色のカレンデュラなどと組み合わせると華やかに映えますね。


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仕事では、よその夏花をずいぶん抜いたけれども
実は自宅のアンゲロニアはまだまだ元気。
後ろに生えているオーストラリアングラスと一緒に植え
根が絡んでいるので、このまま冬を迎え枯れたら抜く予定。

新しい植物を植え替えするなら、今のうちです。
外気温が5度以下になってしまうと、根が生長しなくなるので...。



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November 25, 2009

カフェドイシスの冬支度

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東京・自由が丘カフェドイシスの庭の
冬の花えの植え替えをしました。
初夏からずっと咲いていたニチニチソウやアンゲロニアを抜き
植えたのは、シクラメン、パンジー”ムーランルージュ”
アネモネ、アイビーなど。
ムード的にはもう少し早めに作業をしたいところでしたが、
11月25日を目標に冬の準備をすることで
10月〜11月上旬にはまだ手に入らない苗が入手できる。
いつも一緒に作業をしているQ-Gardenさんが
冬中咲き続けるアネモネや、花首が詰まって充実したパンジーを
手に入れてくれた。

どこのお宅の庭でも、いつ、切り替え作業をするのか
悩むところですが、11月上旬と下旬では、市場で出回る苗の
流通品種も値段もかなり違います。関東の温暖な地域では
11月下旬が植え替えの適期かもしれません。
箱根は寒いので、同じ内容を11月上旬に済ませたわけですが。


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そして、イルミネーションも私たちの仕事。
LED の10m を5本。
花の白がLEDの光に映えるように光を反射する白っぽい 色を
選んでいます。斑入りマサキも光を反射します。


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インテリアも少し。エントランスのカーテンに
フエルト製の雪の結晶をピンでつけて、
オリーブで作ったリースを とりつけた。
続きは明日に。



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November 24, 2009

クリスマス飾りマニア

先日訪ねた外苑前の第一園芸本店が、とても素敵でした。
花がセンスよく飾ってある場所は、本当に心が癒されます。
逆に、花の色が原色のメチャクチャに飾ってある花屋さんは
頭痛がするほど...。
でも、第一園芸本店はさすが!去年の秋にオープンして以来
用がなくても立寄りたい、本当に素敵な花屋さんです。
置いてある花の種類も眼福ばかり。いえ、香りも最高。

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しかも、ここで、期せずして、
ずっと探していた本物のモミでできたリースを発見!
飛び上がるほど嬉しかったことです。
この時期、ヨーロッパの花屋さんなら、どんな街角にでも
売っている本物のモミのリースが、日本では
なかなか見つかりません。
本物のモミのリースは、ドアの閉開のたびに、ふわ〜と
玄関まわりを浄化するようなサイプレスの香りが漂います。
もっと日本でも出回ると良いのに...。


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飾り付けはこれから。
実は明日、カフェドイシスの冬支度がスタート。
夏の花を一斉に抜いて冬の花、パンジーやシクラメン、
カレンデュラを植えます。
それに伴い、控えめではありますが、
クリスマスデコレーションもします。
写真はまだ、途中の段階。ひとつひとつ、ワイヤとホットメルト
両方を使ってつけるので、時間がかかる。


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12月25日が誕生日の私にとって
クリスマス飾りは特別の価値を持ちます。
20年以上も前ですが
ドイツのローテンブルグへ、2度もクリスマス飾りを見にいったり
ロンドンに住んでいた時代は、毎年12月に
クリスマスの飾りを少しづつコレクション
することを楽しみにしていました。


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だから、自分だけのこだわりがあって苦しくなるくらいです.....。

この時期、ヨーロッパなら、どこの街でも際限なく見つかるであろう
素敵なクリスマス飾りが、日本にはなかなか見つからないし。

東京の装飾問屋で見つかるのは、30年前とさほど変わらない
安っぽいラメや赤や緑のクリスマスカラーがほとんど。
あ〜、いますぐ、ドイツの街に飛んでいきたいような...。

クリスマス飾りは私の一生涯のテーマでもあります。

ロンドンでも、たしか11月25日がクリスマス装飾のスタート。
いよいよ年の瀬ですね。


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November 20, 2009

サザンカの咲く道、クリスマスの準備

サザンカの花が散りはじめると、いよいよ冬の気分です。
わが家(白花)と隣家(濃いピンク)のサザンカが道路を染めるほど
花びらが散っています。雨や風で広がると、実はあまり
それがきれいとはいえない。それでホウキの出動。
同時にわが家のサクラの木の落葉も後半戦。
天気の悪い日も多かった今週は、地面が乾いた時を狙って
落ち葉、花びら掃除。その集積がなかなか美しく、思わず写真を。

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時間さえ許せば、落ち葉掃除は好きな仕事。でも、毎日はキツい。
ロンドンに住んでいた時、道路の落ち葉掃除はマシーンを使って
役所の人たちが掃除に来ていたし、自分の庭も、契約のガーデナーが
トラック一杯の落ち葉を掃除してくれていた。
あれは確かに楽でした。今は私かアシスタントさんの仕事。


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スキゾティリスの花がそろそろ終わり。
満開の時はもっと、きれいだったのに
忙しくて、一番良い時に写真を撮りそびれ残念。

生きた植物の植わる庭は、その最高の一瞬を
誰にも見られないで時間が過ぎる事も、(夜明けの瞬間など)
ましてや、
最高のカメラマンによって撮影されることもない瞬間も
あるだろうなと思うのです。それって、不条理みたいな。
妖精や神様だけが見ているのかもしれない。

その点、今、ミッドタウンで開催中のイングリッシュガーデンの
写真展の作品は、本当に最高の瞬間が捉えられていると思う。
以前、イギリスの彼らにインタビューしたとき、
撮影は、風の動き、天候を見ながら
その庭にテントを張らせてもらい、夜明けの一瞬を待つと
言っていたことを思い出す。

明日は、東京ミッドタウンでトークショウ。
イングリッシュガーデンの変遷のお話。
今年最後の講演会です。(ホッ...)

その帰りには、ボタニカに寄って、今日制作した
クリスマス飾りのリースをお店に預ける。
25日から始まるクリスマス装飾のため。


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プロフィール

吉谷桂子

(よしやけいこ)

東京生まれ。英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。

7年間の英国滞在経験を生かした、ガーデンライフを提案。TV番組や雑誌等での企画、出演、講師を務める。また、国際バラとガーデニングショウや東京ミッドタウンのコンランレストラン「Botanica」の植栽デザインを担当。

「吉谷桂子のコンテナガーデニング」(主婦の友社)他、著書多数。

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