April 2010
April 18, 2010
とても困ったことになった。もう3日目になります。
アイスランドの噴火で、ヨーロッパの空の便が断たれてから。
3日前までは、のんきに、もうすぐ帰国!と、
楽しみに思っていたのに。(仕事で行く海外は、本当にハードなので、実際に、家に帰るのを楽しみにしながら、毎日を全力投球するのだ)
ところが、いつ飛行機が飛ぶのか、日本に帰ることができるのか、
なにも、解らない。
本当なら、私も今頃、成田に着いているはず。
何の見込みもなく、誰に聞いても本当のところは
何もわからない。エアポートが再開される予定が延びていくばかり。
Paralysed =麻痺させられる。というような意味だと思うのですが、
火山に翻弄される無力な私たちです。
新聞の記事を見ると「世界中のいかなるテクノロジーの最先端を
集めても、自然の驚異の前に、我々は無力である」と、あります。
少しでも正確な情報が得たくて、小さな英文字の活字を丁重に読んでみるのですが、そこには何の解決法も書いていない。ただ、繰り返し
「決して空港に来ないでください」と、メディアは叫ぶだけ。
電話も繋がらない。東京で連絡してもらい、少し状況がわかったけれども。次の噴火があったら、それもおじゃんだ。
本来なら18日に帰国、すぐ翌日から、4社の雑誌の撮影、
スタジオ収録等々があるのですが、頭の中は「とにかく対策を」
仕切り直しのお願いの電話を東京にしたり、メールの繰り返し。
「参ったな」頭の中がそのことで、いっぱいになっていくと
他の豊かな、イギリスで見て経験したもの「ベスチャトーガーデン」で、得た事なども、軽く吹き飛んでいくようです。あー!もったいない
から、もう、考えるの止めたい!
でも、撮影やアポイントの約束をしていた皆様、本当に申し訳ない。
「天災は容赦ない」と、疲れた頭のなかで考えるばかり。
イギリスは、相変わらず美しいばかりなのですが。
とにかく、無事でいられることに、感謝するのみ。
生きてるだけで、大喜び。しなきゃ。悩むのはもったいない。
April 15, 2010
ミセス誌のイギリス取材もいよいよ終盤に。
こちらに来る前の日々に余裕がなく、荷物を吟味できなかったので
ないよりは、あったほうが。と、凄い荷物で移動している。
スーツケースは5個。毎度、ベルボーイに渡すチップが5個=5ポンド
で、経費が嵩む(イタタ!)
こんどのミセスはページ数も多いので、衣装の数も多めに持参。結果的に
10カット分のコーディネートを持ってきている。凄い重い!
(結果、出てくるのは、5カット程度なのだけれども....)
いつも旅行の前は、電車の移動中などに、スケッチで上記のように
ワードローブを決めておく。必要な靴やバッグのコーディネートも。
スケッチにしておくと、逆に余分を持たないようにできます。
今回、もっとも評判が良かったのがイタリアのブランドの乗馬服風。
オレンジは、グレートディクスターのテーマカラーでスピリチャルにフィットできた。
しかし、着なかった服もあり、悔しい。
荷物が多いって、相当ストレスです。
でも、今回のイギリス行きは ヴァージン エア で来ているので、
荷物のエクセスチャージの心配はゼロ。
みなさまご存知かも知れませんが、通常、飛行機の
荷物制限の条件はなかなか厳しく、エコノミークラスの場合は
ひとり23キロまで。去年のプロヴァンス旅行では、
参加者全員が、そのために苦労して郵便局通いをして5キロ10キロと
荷物を別送しました。
1キロのエクセスチャージが1万円以上するからです。
ところが、ヴァージンの荷物制限が昨年末に変更になったそうです
下記のHPをごらん下さい。
http://www.virginatlantic.co.jp/airport/cargo.php
アッパークラスなら1個32キロまでで3個まで無料
プレミアム・エコノミーでは
23キロ未満で2個まで無料。
普通のエコノミークラスで、重量が23キロを超えた場合も、
32キロ未満なら
一律30ポンド(日本からは50ドルー5千円未満!)を支払えば
いいそうです。すばらしい!
(と、いうわけで今年7月の、チャールズ皇太子の庭見学英国ツアーも
ヴァージンをリクエスト。日通旅行さんの努力で、ヴァージン使用が可能になりました!
たっぷりとお買い物ができるように! だって今、ポンド安ですから!
さらに、コッツウォルドの大人気アウトレットも寄る予定)
しかし今回は、ロケ・スケジュールがびっしりで、
あまり買い物の時間はない。(残念!)
そして、ひとりでモデル&メーク&スタイリストをするのも大きな役割。
なので、成田を出る時から既に30キロ以上の荷物で、ロンドン入り。
しかも、ホテルの移動が多く、ポーターの手助けなしには、動けない。
旅の初日にサンダーソン社から、重たいジャムの詰め合わせや
素晴らしい本の資料もたくさんいただいてしまった。
自分の衣服や靴の山のなかで、荷物をパックする都度、げっそり。
毎日4〜6時間の睡眠ということもあるけれども。
それでも、さあ!今日は、ピーターシャムナーサリーとリリーロード。
ガーデングッズとアンティークの世界に突入。
そして、明日はベスチャトーガーデン、そして明後日は帰国の途。
心のなかに、ずっしりと美しい英国のアイデアを積み込み、
バラとガーデニングショウの開催まであと少し!
4月28、29日放送の「すてきにハンドメイド」の収録が
帰国の翌々日なので、そこでも、イギリスのお話をさせていただく予定です。ぜひ、見てください!
April 14, 2010
April 13, 2010
ミセス誌、8月号、イギリス・ロケのグレートディクスター撮影が
無事終了!
世界に唯一無二の庭で2日を過ごしたことで、ガーデン・エネルギーの
チャージ完了!といった感じ。
新しいカメラで撮った写真は500枚以上。たくさん載せたいけれど
時間の都合で厳しい。いずれ、講演会などで公開したい。
しかし! こんな早春でもやはり美しい!
今回のロケの、一番の山場は、
サンダース社の素敵な花のテキスタイルを使って庭の景色に
「花の布の景色」を作ることでした。
実は、東京で決定していた、自分たちの最初の思いつきを、
道具材料の準備にいたるまで、最後まで遂行するのは実は、
とても大変な過程だったけれども....。
私たちスタッフ6人の連携プレイで
素敵な写真がたくさん撮れて、ホッとしているところです。
それも、8月号のお楽しみに。
(写真は、ファーガスからのプレゼントのガーデニングウエアを着て。
夫とファーガス、私、このガーデニングスモックは、ファーガスの
プロデュースで、ポケットがたくさん付いて楽しい着心地!)
それにしても、クリストファーロイド氏の亡き後、全身全霊で、
この庭を守ったのは、まさに、ヘッドガーデナーの
ファーガス・ギャラットとそのスタッフたち。
この3年間、彼らがどれだけ努力したきたのかは、
今日この庭を見て一目でわかった。
庭に「一生懸命!」のムードが溢れて、エナジェティック。
庭は人。そのもののスピリットを表す。
GREAT DIXTER CHARITABLE TRUST として
現在、日本からも、ガーデニング・ステューデントを
受け入れてるそうです。がっちり英語を勉強して、挑戦してみては?
興味のあるかたはぜひ、GDのホームページを。
グレートディクスターが永遠不滅で美しくありますよう。
また今度に。
April 11, 2010
現存する英国最古のソフトファーニッシンング(カーテン生地や
ソファ、クッションを始めとするインテリア生地)のメーカー
サンダーソン社を代表する、デザイナーで元社長の
マイケル・パリー氏に V&A を案内してもらう。
このところ、人類のあくなき装飾に対するエネルギーを
これでもか!というほど、眺めている。日本人のそれは
あっさりしているので、西欧人のエネルギーはやはり
凄いのだ。(レースやブロックプリントは特に!)
V&A は英国が誇る、装飾美術の殿堂です。
言い換えれば人類のあくなき装飾情熱の博物館。
パリー氏は、英国テキスタイル界の生き字引みたいな方。
お会いするまでは緊張しそうで、ハラハラしたのですが
氏は、会った瞬間から英国的で軽妙なジョークを連発、
昨日は朝から夜遅くまでずっと一緒にいて、しゃべりっぱなし。
それで、すっかり、気持ちが打ち解けた。
「英国人は世界一、インフォーマルな民族だ」
と、英国人自らが自認する。それは、実は
「英国人が、フォーマルの神髄を知り尽くして」、
上手に崩す術を得ているからだと思う。
実は、昨日訪ねたサンダーソン社のアーカイブは、V&A のアーカイブを
上回るコレクションで、何を見ても興奮し、感性が麻痺しそうでしたが
この詳しい内容は、ミセス誌8月号をご参照!
で、やはり V&A も相変わらず凄い。
デザインの勉強をする人が必ず詣でるべき聖地で
20代の時に初めて訪ねた約30年前から、もう何度通ったかは、
数えきれないけれど
何度訪ねても、内容が濃すぎて、毎度気絶しそうになる。
容量を超えて、ヒューズが飛びそうになるのである。
いつか、この近所のホテルに泊まって、毎日スケッチに通いたいと
思う。(と、30年前から思っているけれども実現せず)
なかでも、テキスタイルゾーンのレースと刺繍は垂涎もの。
ロンドンはこの博物館を見てからアンティークショップを訪ねるといい。
似たような美術館ピースが街にも売っているから。それが安かったりもする。
ただし、気持ちの上でも手が届くのは、100年以内の近世もの。
中世の作品は凄すぎて人間業じゃないし、霊的な何かが宿りおっかない。
19世紀〜20世紀のイギリス刺繍は、今の私たちにも
親しみやすく、そのまま生活に取り入れたいものばかり。
いやあとにかく、いい物を何百点も眺めた。眼福の一日に感謝。
明日はグレートディクスターのロケハン。
今は、海辺のライの街に宿泊中。
英国の田舎町のいいところは、そこそこに美味しいパブと
かわいい雑貨やアンティーク屋があること。ここライもそう。
16世紀建築のパブで飲んだギネスが、忘れられない味。