June 2010
June 28, 2010
たくさんのハートあるコメント、時間が許す限り、それを拝読するのが楽しみです。申し訳ないのは、そのお返事が全部できないことです。でも、全ては読んで心に留めています。御礼。
でも、すごいなあ、キッチンガーデンにサルが来てトウモロコシを食べ尽くされる(というコメントをいただきました)なんて、東京では、考えられず、自然のダイナミズムを感じます。ご心配いただいたコウモリ蛾は幸い、いませんが、これも捕殺するしかないようですね。
いただいたコメントは、それを下さった方と、気分的には、その時点で、一対一の関係で拝読します。(メールを戴くのと同じ)拝見することで、自分の視野が広がることがあります。田舎住まいに憧れるけれども、猿やイノシシに悩まされる話はやはり、凄い。ロンドンの私の庭にもキツネとリスが庭害でしたが。
また可能な限りですが、そのコメントを頂いた「タイトル」のなかでご指摘をいただいたものは、その通りに直していることも多いので(住所を付け加えたり、名前を直したり) たまに過去のページも見ていただけると嬉しいです。
さあ!今日も仕事を頑張ろう!梅雨の気候のせいでちょっと鬱っぽいので気合いを入れてね!
June 27, 2010
日曜の早朝、梅雨空の下、ひとりで、熱帯雨林と化した我が家の裏庭の剪定作業開始。雨合羽の上下に長靴の完全装備で出動。朝から汗みどろで、顔が蚊に食われ、それを泥だらけの手袋で掻いたので、顔が凄いことになった。作業後のシャワーを楽しみに裏庭で大暴れ。しかし、庭に関しては毎年、今の時期になると反省しきりである。
「ここにこれ、植えなきゃ良かった」って。まあ、自分の庭が実験の場でもあるので、仕方なくもある。しかし。
このところ、庭の植物が「かけ算」で、増えていくような気がしている。倍々に増えるのである。もうこうなったら「引き算」なんかじゃ間に合わない。
また、2年前から現れだしたヤブガラシが、今年、恐ろしい勢いで繁茂する形勢。別名ビンボウカズラともいうそうだ。どうりで最近、収入が激減している。根絶は文字通り、あの長い地下茎を根絶するしかない。去年の今頃、かなりの地下茎を抜いたけれども、毎度のイタチゴッコ。隣家との境界の、その下からどんどん伸びてくるので、どうしようもないのだ。
もう引き算では、済まないと書いたが、いよいよ、今ここ数年実行できなかったことを、絶対にやるべき時が来た。
「AC」である。------All Clear。
まあ、実際は全部 AC ではない。70%か。正確には、裏庭の低木や宿根草を、70%ほど掘り上げること。大きな樹木を除き、私の腕力で持ち上がる植物は、皆掘り上げる。バラも掘り上げる。掘り上げて根っこの整理、ついでにすべてのヤブガラシの根を駆除したらすっきりするだろう。
タイミングは今年の落葉期。英国では、花壇を晩秋にすべて掘り上げ、クリアにしてから来春の準備をする庭は少なくない。宿根草は、掘り上げて株分けし、更新する。私もギボウシを掘り上げ、株分けだけは結構マメにして来たのだが、クリスマスローズやリグラリアは手つかずで来た。アジサイも枝と根をコンパクトにしたいし、株をよそへ移動したい低木類もある。特にニワトコは抜きたい。2ヶ月足らずで1~2m伸びる。
そもそも狭い庭に、ニワトコを植えた私が悪かった。エルダーフラワージュースが飲みたいなんて、思ったのが間違い。
全部を自分ひとりで決行するのは無理。絶対に必要なのは男手。それには、造園土木のプロに電話をして、日程の予約をすることから。彼らの日当は、ひとり、2〜3万円前後でしょうか。トラック一杯に山積みされた剪定枝も持っていってもらうことも含めて、この一年間の自分の失敗を改訂するようなつもりで、丁重にお願いする。
裏庭:実は、掘り上げを前提に、このように、枕木を設置。その隙間で作業をするように作った。今も、枕木を木道のように使って、メンテができるので便利。ここに植わった宿根草や低木を掘り上げるという訳。
植物を植える前の、まっさらに、戻したいとは、いつも、よく思う。みなさんもそうでは?
イギリスでよくいわれていたことは、家づくりの失敗はそう簡単に直せないが植栽の失敗は、秋冬が修正のチャンス! それは本当だ。今のうちに、秋が来たら絶対にしたいことをメモにして決めておくこと。本当に秋が来ると、反省したことすら忘れてしまうことあり。
しかし、その点、ベランダや屋上は人口土壌なので、植物も爆発的に大きくなることもなく、おとなしくて良い。今、ルーフガーデンが絶好調。
June 26, 2010
国立西洋美術館、カポディモンテ美術館展のオープニングレセプションと、ダイソン社がこの夏新発売するエアマルチプライアーの新シリーズの発表会で久々の都会へ。東京都下に住んでいるので、青山とか上野へ行くには「今日は東京に行ってくる」と、家族に告げることになる。
9月まで開催される、イタリア・ナポリにあるカポディモンテ美術館展の注目作品は、ポスターにもなっている「貴婦人の肖像」が凄まじい美しさ!だけれども、見所は、ほかにもたくさん。ルネサンスからバロックまでの、今までに見た事のなかった優れた作品の数々。よく、ヨーロッパの美術館めぐりをしていて、慌てるような気持ちになるのは、私たちが日本にいて、名前を知ることも、その作品を観るチャンスもなかった名作に出会うことである。「その作品の存在を知る事もなく、自分が歳を重ねるのは惜しい!そういう落ち度はないようにしたい」そのように思うけれども、たとえば、ナポリの美術館へなど、なかなか行けない。実は、過去に2度もナポリに行ったのに、カポディモンテ美術館は行っていないのだ。これから先の一生においても、そう簡単にはナポリまで行けないだろう。そう思うと、絶対に見ておきたかった展覧会であった。ティッチアーノのマグダラのマリアと、グイドレーニのアタランテとヒッポメネス、素晴しかった!
それから、ダイソン社のエアマルチプライアーである。エアコン嫌いの私たちが夏の間、欠かせないのが扇風機の類い。でも、日本の扇風機はカッコ悪くて家に置けないと、扇風機選びで私たち夫婦が、何度もめたことか。でも、それも、エアマルチプライアーにて解決。持ち運びが楽なので、エアコンのない園芸作業室でも大活躍。新発表のタワーファンといわれる細長いタイプは風の容量が上下に広く当たるので、蚊がまとわりつきそうな足下にも風がくるので、特にまた気持ちいい。エアコンを弱めにつけて部屋に風を送るとこれまた穏やかに涼しく、エコにもなる。
今の私の生業は、ガーデンデザイナーでありますが、プロダクトデザイナーであった前世、じゃなくて、20年以上も前のことだけれども、インダストリアルデザインが自分の情熱の中心だった時期も長い。そして、その後のイギリス移住、テレンス・コンラン卿とのコラボレーションによるボタニカの庭づくり、そして、ジェームス・ダイソン卿とのご縁に繋がる。素晴しいデザインは、見た目だけでなく、メカニズムも素晴しい。美しい庭は、見た目だけでなく、自然の理にかなったものでなくてはならない。デザインとはそうしたもの。
そういえば、私がデザインしたバッグがもうすぐ発売になります。今年の2月にスタートして、長かったけれども、ようやく商品化。見た目はもちろん、軽くて、便利な機能がついて、必ずや普段の生活に便利で嬉しいバッグになると思います。最初の販売は、ミセスの誌上通販で、その後、秋になったら、いまのところ、箱根星の王子さまミュージアム、京成バラ園など、ご縁のあるショップで発売します。ファブリックは、すべて英国サンダーソン社の生地です。
ハードに使い込まれる椅子の張り地としても使われるインテリアファブリックの丈夫さに注目、しかも、テキスタイル・デザインの美しい英国製を使ったバッグなんて、他にないはず...。
バッグの内部は、チャックやポケット類。たくさんのものを仕分けしながら、持ち運べるようになっています。
取っ手の部分はもちろん本皮。葉っぱのデザインに施されたステッチが葉っぱの葉脈風で強度をつけています。
今後はさらに素敵な模様の生地のバリエーションも増やしていきたく思っていて、この秋に出るのは、ウイリアムモリスのデザインによるバラの模様。サンダーソンのフラワーもチーフは、どれも素晴しいものばかりで、一点に絞るのは至難の業。また、この日本のバッグメーカーさんの技術も素晴しく、仕立ての良さも大事なポイントです。乞うご期待!
June 25, 2010
昨日の続きのマスタード屋さん。ベルギーの色彩は実に美しい、さまざまなグレーの諧調。無限のグレーだ。と、思いはじめたら、グレー色マニアになったほど。
今、イギリスに行くと、カラーブームなので、カラフル・マニアになりますが、ベルギーならグレー・マニアになるでしょう。美しいアイデアに出会うと、すぐマニアになって、そのテイストを自分のモノにするんです。センスはそうやって養います。
今、思いだしても、フランダースの旅では、眺めていた景色のさまざまが、実に美しかった。ため息がでます。写真はアントワープにて。
美しいものを眺めたいのは、人間の本能。花や緑で美しい世界を作るのが、自分が生きる最終目標と信じる私は、やはり、目標のためにも、可能な限り、美しいものを眺めていたいと思う。先日「美しいものが大好きで、それを集めていると、引き算が難しい」と、コメントを送っていただいた。ありがとうございました。むべなるかな。本当にそうですね。
でも、結局は、花もモノも、私は、これが絶対。という単体はなくて、組み合わせで美しく見えるもの。大事なのは、全体の関係だと思うのです。自分の人生を全体的に眺め、全体のなかで、引き算と足し算をするといいはずなのですがね。(結局は、所有欲
との戦いね)写真はアントワープ郊外のアクセルさん宅の素敵なキッチン。モノ・コレクターなんだけれども配置が美しい!
あ、そうだ!グレーが似合う国、ベルギーへ行くなら、グレーの服を持っていくと良いと思います。グルメの国として知られるベルギーです。星付きレストランには、ぜひ行って!
写真はゲント郊外のミシェラン三ツ星、Hof van Cleve にて。
コース料理には、さしみと日本酒。「うまみ」テイストの野菜料理など、まるで懐石料理??と、思うようなバリエーションが登場。これを食べにヨーロッパじゅうからヘリコプターで乗り付ける人あり。 料理も、凄い創造の世界ですね。
June 24, 2010
この夏、ベルギー旅行をする方へ。いいなあ!ベルギー。
思い出は、一生もの。ベルギーへは、20年近く前に母や従姉妹と旅した後、一昨年のミセス誌の取材で行ったときの収穫が巨大で、未だにリネンの肌触りのように飽きない味わいが私の心に浸透しています。詳しい情報は、ミセス誌のバックナンバー(08年11月号)をぜひ。ベルギー・フランダース観光局のサイトもよくできています。かなりのアップデイトな情報がでています。とにかく、食べ物がおいしいし、文化が洗練されていて、人々も中庸な優しさがあって、実に居心地の良い、大人のための国です。(上の写真はゲント、実際に、ベルギー幻想派の絵の中にいるような気がしたことが何度もあった。)私たちが書いたベルギー情報の記事紹介のページです。なんといってもユーロが安い今が、行き時ですね。
http://www.visitflanders.jp/markt/archives/2008/10/11.html
私が好きだったのは、アントワープとゲント。アントワープのレストラン、GIN-FISH は絶対におすすめです。HPなどで住所がわかります。それから、ベルギーは素敵なホテル、B&B も、やたらにあるので、
http://www.visitflanders.jp/markt/archives/50/index.html
同じく観光局のHPを要チェック。今から予約すれば、夏休みOKかしら?
写真は、ゲントの街で見つけたアンティーク屋さんティーレランタインチェ Tierelantyntje。(Kraanlei 33 Gent )素敵なマダムが一人で経営していて、素朴なレースの数々が嘘みたいに安い!こういう素敵な人がいるお店では、言葉は通じなくても真心は通じるので、とにかく品揃えをほめまくる。欲しいものは、言われた値段で買う。だって、この人を応援したいから。お店に入った瞬間、この人のファンになると、決めたら値切らないであくまでも気持ちよく過ごすことを大事にして心のお土産にするのだ。
ただし、ニコニコの超愛嬌で「ベストプライス、プリーズ」と、付け加えても...。これもコミュニーケーション。でも、そんな心持ちでこちらがいると、私が言う前に、先方で値引きしてくれることが多かった気がする。海外で言葉が通じるより、人と心が通じるのって、本当に嬉しい。
この刺繍見本は、わが家のキッチンのカーテンになっているのですが、(10ユーロ)1300円くらい?どれも、これも、ちくちく針仕事でかわいいのだ。詳しい住所などを去年のミセスを探して、記載したいと思う。
1700年代から続く、マスタード屋さん、Tierenteyn-Verlent(ティーレンテイン・ヴェルレント)も素敵だった。スパイスのいろいろが揃ったお店は。量り売り。ストライプのエプロンは、お店の制服。クラシックなところに、不思議なモダンさが見え隠れ。味は最高、包み紙もかわいくて、夢中だったのに、なんと、ホテルの冷蔵庫に忘れてきた。ヨーロッパのマスタードって、本当に美味しい!日本でもドイツやフランスのものが瓶詰めで買えますね。肉料理のなんにでも、使いたくなるすっぱい美味しさです。
続きは明日へ。