吉谷桂子のガーデニングブログ

August 2010

August 31, 2010

酷暑でも元気

IMG_5278体温を超える酷暑の日々。

ミセス誌の取材で福島へ。
かねてから注目の「野の花マット」生産者、仲田種苗園さんを訪ねた。野の花マットの何たるかにご興味のある方はぜひHPをどうぞ。実際に私の造園現場で使用し素晴しかった日本のエコプランツです。(ここでは岩手から東海地方のプランツエコロジーに合わせている、今後はこれ以外の地域もあるといいですね)。
こんな酷暑の日々でも、元気に花を咲かせる野の花マットは素晴しい!今の時期、ずっとオミナエシ、ワレモコウ、ミソハギが美しい。

しかしまあ、今の時期、屋外の仕事は実にハード。自宅のガーデニングは早朝と夕方に回すこともできますが、畑仕事、雑草抜きなど、農家の方々はこの炎天下で、日中に作業しておられる。私もクラクラしながらボケる頭を必死に使ってインタビューをしようと思うのだが、...厳しかった。このブログを読んで下さっている方々の中にも、きっと熱中症ぎりぎりで昼の屋外の仕事をこなす方がおられると思う。あともうしばらくの我慢ですが、なんとか、上手に切り抜けられますように。


IMG_5286それにしても、オミナエシは素晴しいですね。わが家でもそうですが、この暑いのに、スックと立ち上がって、乾燥にも湿気にも強く、酷暑の味方です。

実はこのナーサリーの特集、構想は10年以上も前からあったもので、アーティストとして第一級のカメラマンと仕事がしたかった。それが叶ってスタートした企画だが、カメラマンの結城さんが、植物の見頃に、なかなか日本国内におられないのが悩みのタネです。

また、すばらしい植物を栽培する方は少なくないのに日本には、英国のような「プランツファインダー」も存在せず、より多くの方に知られるべきプランツマンも、実情は知られていない。私の知らない方もまだまだ多いと思う。ご存じの方はご一報を! 

私が編集長をした雑誌「LIFE AND GARDEN(1997年に発刊そして廃刊)」でも、毎号一人づつ取り上げる予定だった。あの時の第一号は、秋田国際ダリア園の鷲沢さん。その後、さまざまな方に出会い、その出会いのそれぞれが素晴しかったが、取材には至っていない方が多く残念だ。この13年間で、取材したかったのに亡くなった方もおられる。なんとか、ライフワークとして進めて行きたい。


IMG_1427暑くて参ったけれども、福島に行く前日、栃木県益子の「山の食堂」へ寄った。

30年来の友人、星恵美子さんの作る食事は、まさに「ソウルフード(魂のご飯)」です。それは私が勝手に名付けているのですが、30年前からそう。その頃、そのソウルフードは、彼女の限られた友人しか食べることができなかったけれども、今は、山の食堂へ行けば誰でも食べられる。(ただし、11歳以上の方)


実に、本当においしくて力のつく料理。これで、元気を充填し炎天下の仕事に挑んだという訳。

料理って、野菜の切り方とか、そういうことだけでも全然味が違う、もちろん、野菜の力強さもそこいらのスーパーのものと違う。土地の力は凄い。そこに行かないと食べられないのは当然だけれども、「山の食堂」が近くにあったらなあ。と、ソウルフルな食材の少ない自宅に戻って、しばし呆然。



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August 29, 2010

好きな色-11 ライム色

R0011214「ライムグリーンが好き」
コメントいただきました。

「すきな色」シリーズに関しさまざまなコメント、反響をありがとうございます。

この色、私も大好きです! シャルトリューズ、青リンゴ色、鶸色、呼び名もいろいろありますね。
この花色の植物を見かけると、私も、無条件に欲しくなってしまいます。

先ず、どこにでも、似合う。植物の基本色、緑色でもあるので。庭のどのカラースキームにもマッチします。
どんな時でも、気持ちにより沿ってくる柔軟な色です。
若々しさの象徴の色でもあるでしょう。


R0015535このヒマワリは、まだ蕾の色、後で黄色の色がでてきますね。

ライムグリーンには、希望を感じます。
でも、寄せ植えも庭づくりも遠くから見た場合に、この色だけでは、単調に見えるのも事実。

葉っぱと同系色ですから。


IMG_3945ラナンキュラスのライムイエローなんて、見ていると、うっとりします。

なので、
寄せ植えも、フラワーアレンジも「同系配色(黄色〜緑の同系色)」にすると、安心感があります。

また、反対色、補色、隣接補色にしても楽しい色です。


IMG_3783このフラワーアレンジはオランダの花屋さんで好きな花を買ってきてホテルの部屋にアレンジしたもの。

たまたまホテルの部屋の壁が濃紺色だったので、スタジオ撮影みたいな色がでた。

植物のフォルムと配色のメリハリ感のコンポジションです。


IMG_1818秋になり、キクのライムイエローを見つけると、いつも心が奪われます。

「ヨーコオノ」って、名前のついた黄緑色のキクがありました。大好きです。


ようやく涼しくなって、ほっとする頃、この色が目に入ってくると、ついつい手にしてしまう。
秋らしい暖色の花や葉っぱと寄せ植えすると、とても映えることがわかっているから。


IMG_3872この秋、ゴッホ展が始まります。新東京国立美術館で。

ゴッホの絵は、またとない、色彩学のお手本。光と陰の色使いの微妙な部分にシャルトリューズ色が見え隠れして、ワクワクします。美しい庭を本気で作りたいと思うなら、たくさんの美術を見ること。P・ホブハウス女子の意見に賛成。特にゴッホは直接タメになります。
南仏の豊かな光を帯びた色彩。
この体験があったかなかったかで、美意識にも大きな影響があったと思います。
ゴッホがオランダから、プロヴァンスに向かった。
その結果で捉えたのが、この「黄緑〜黄色」の豊かな諧調色ではなかったかと思います。


140-4014_IMGちなみにプロヴァンスの光の色には、うっすらとピンク色がかった色も混ざります。上のゴッホの肖像画の背景にも、私が写っている景色にもピンクが混ざっているでしょう。この感じ。すると「次はこのイメージで黄緑色と淡いピンクの色合わせもいいな」などと思うわけです。

ゴッホ展楽しみ!



iris_garden_blog at 00:01│仕事   Tweet

August 28, 2010

残暑バテ+ハワイ望郷

RIMG0001正午の外気温、40度!残暑バテ防止どころか、実はホントにバテているのではないか? そう思うことにして、無理せず休むようにしています。いずれにしても夏の疲れがでる頃、皆さんもきっと同じでは? 要注意です。庭の植物の本格的なダメージもこれから9月上旬にでます。油断大敵体力温存目配り必須。

今年、我が家は夏旅行はゼロでした。(夫や私が出張したのみ)でも、やっぱり夏はバカンスしないと駄目ですね。士気が上がらない。このあとの秋の戦いをどう切り抜ければいいのか。食べ物も買い物も引き算。と、なると余計に辛い...。

「オドワラ 飲みたいなあ」夫がそう呟くと「あ〜あ、ハワイに行きたいなあ」と、家族全員が深いため息をつく(3人しかいないけど)。Odwalla はアメリカのジュース会社、日本に売っていないからこそ、オドワラ ジュースを飲むと、ああ、アメリカ合衆国に来たんだな、という感動と実感が湧く次第。そのオドワラを飲んだつもりで毎日飲んでいるのが、豆乳スムージー。

食欲のない時にもこれでリフレッシュします。

IMG_1420作り方は至って簡単、豆乳とアイスキューブ3コ、そこになんでもいいからフルーツや野菜。
この日は、バナナスムージーにヨーグルト。景気がいい気分の時はこれに蜂蜜を加える。景気がいいかどうかは、ダイエットが気になる関係で、気が大きくなって糖分を接種するか、控えるか。 

リンゴにほうれん草や青汁を混ぜると、そのちょっとした複雑な「マズさ」がオドワラ味になるんです、ふふふ。ビタミンやカルシウムもたっぷり採れます。

一時、ゴーヤスムージーにはまっていたのが、どうもお腹を壊す傾向にあり、最近はやめています。ダイエットにはいいですが。


R0010205純粋にバカンスの地ハワイは、私にとっては先祖帰り、魂の里帰り。私はどうも南方系アジア人の血があるような気がして、ハワイの海に浸かっているだけで幸せなんです。で、ヨーロッパは、知的に勉強しよう!という仕事欲が湧いてしまうので遊び気分にならず。対して、ハワイは、本当に温泉のよう。一体全体、次はいつ行けるのかわからないけれどもこのところ、毎日家族で「ハワイにいったら、あれしたい、これ食べたい」のシュミレーションゲーム中。憧れの旅を寝る前などに夢想する。たとえば.....。


R0010182一日目=朝、ホノルル空港に到着後、空港内のレンターカー会社へ。国際免許がなくても、日本の免許で借りられるので、かなり気楽。左側通行のことさえ頭に入れておけば。

さて、家に入る時間まで何をしようか。(私たちはホテルではなく海辺の一軒家-バケーションレンタルハウスを借りる。でも初日は午後3時にならないと入居できないので、なにかしら時間潰しが必要)


R0010044最後に行った一昨年の春は、友人家族と7人で、パワースポット、人気のカイルアよりさらに聖地っぽい、ラニカイビーチに家を借りた。このほうが、ホテルよりも安上がりで自由で楽しい。

IMG_1256ちなみに、オアフのワイキキは苦手な場所。ハワイといってもいろいろで、本当のハワイの良さは、自然の豊かさ、海や山、植物の豊かさに触れてこそのエネルギーチャージ。人の多い場所はストレスフル。

IMG_1177最大のご褒美は心地いい「風土」に触れること。気持ちのいい「風」に当たりながら、滋味豊かな「土」に触れて過ごす時間が疲れた心や体を癒すのだと思う。ハワイの植物園はすべてパワースポットだと思う。植物の力が凄い。

さて、それを今、スムージーを飲みながら身近に味わうなら、さしずめどこだろう。自宅のベランダか屋上か。違うなあ。今日も自分の体温より暑い外気温。夜はましなのですが、ふう〜! さあて、仕事を片付けよう!「NHK 美の壷」収録日が来週に決定。猛暑の中、準備、準備、準備の連続。放送日がわかり次第、お知らせします。ぜひ、見てください〜。秋の話を今やるのも厳しいですが、ね。



iris_garden_blog at 00:06│マイライフ   Tweet

August 27, 2010

トマトマニア+残暑バテ防止

c073c8d5.jpg朝起きた時、体の乾きを感じて最初に飲むのは「熱いお湯」がいいと、美容の先生に聞いて続けてきましたが、どうも、こう暑いと、冷たいものが飲みたいですね。

今、朝の冷やしトマトに、はまっています。冷たく冷やしたトマトにマルドンソルトをつけて食べるだけ。もう、これだけで幸せ!

先日、コテージガーデンの梅木さんが栽培している百種類のトマトの中からおいしいトマトをどっさり戴いて来た。
昨晩はゲストを招いて、ルーフガーデンディナー。(写真を撮るのを忘れて失敗)。スライスしたブッファラ(水牛のモッツァレラ)に色とりどりのトマトとスパイスバジルを散らして塩コショウ。もうこれだけで私は幸せだ。

IMG_1407トマトは買ってくるより、自宅で育てたものが一番です。

その点では、食べるぎりぎりまで、太陽に当たっていたあったかいトマトも最高です。去年までは屋上で育てていたのが、今年は美観重視で栽培しなかった。でも、このおいしさに勝るものなし。来年は絶対に育てる。

IMG_1405あの、黒いトマトを注文するから忘れないで。
「まかしとき!」
の梅木さん。こんどの8月29日トマトイベントがあるそうです。近かったら行きたかった。
おいしいものの力は凄いですね。私はこれまで、変わった色や形のトマトは、見た目が面白いだけで、味の方はどうかなと、思っていたのですが、梅木さんのトマトで観念が変わった。

IMG_1422この本を買ったのは、もう、15年も前のことです。

あれからまだ、このようなおいしいトマトは一般的な日本の市場に出回っていないけれども自分で育てて楽しむことはできる時代になっています。そういうことに気づいているか、知らないかの違いだけでしょう。

夏はトマトで乗り切ろう! 新しいスローガンに燃えます。それから、珍しいスパイス系のバジルも一緒にね。



iris_garden_blog at 12:40│マイライフ   Tweet

August 26, 2010

雨のアルテピアッツァ美唄

念願だった
アルテピアッツァ美唄 訪問。--------素晴しかった

私が敬愛する某女性雑誌の元編集長から以前にお勧めをいただき以来、なかなか実現できなかった。
IMG_1386




















--ここは安堵の空間。

IMG_1383人の手の入った場所、視界の360度のすべてに雑味がない。イギリスならそんな場所はいくらでもあるが、こういうランドスケープは、実は日本には希有という気がする。もちろん、美しい自然の景色は、日本中にある。でも、それは人間の手あかの付いていない場所に限る。人の手が入った場所は、途端に俗悪な建物、電線などにより、空間が壊れていることが多い。イギリスでよく目にしたのは、人々の家も道路も含めてそれが絵になっている。アルテピアッツァはそういう意味でも素晴しい。

見事な風景式庭園。写真では...感じ取れないほどの静謐な。アートのかほりと、土地の力。ここは、魂の栄誉補給に効き目ありです。
もちろん、彫刻家・安田侃さんの作品が素晴しい。それに触りたい放題というのも幸せ。

IMG_1370それから、ここまでのエスコートをしてくれた梅木さんが、あらかじめこちらの学芸委員の方にアポイントをとっておいてくださったので、さまざまな楽しいお話も聞けたのも良かった。

今は廃校になった1500人もの小学生がいた校舎。窓枠も床も見事な木製で、その管理の美しさにも感動する。空間のコンポジションは、見事な躍動感。時々この配置も安田氏によって変化するそう。

そしてこの滑らかなマーブルは触っても座ってもご自由に...。とのこと。

手のひらをアースすると、きもちがいい。

IMG_1380併設している幼稚園の玄関で子供たちを待つ彫刻。

「おまえも綺麗にしてあげよう」園児が、それまでの床掃除で真っ黒になった雑巾で彫刻を拭く姿が微笑ましかったって。周囲は困惑しつつも彼を止めなかった。それを聞いた安田氏も喜んでいたとか。

ここには、心の自由と
血の通った命がある。

今は夏休みで園児はお休み中だけれど、いつか、歌声の聞こえるときに行ってみたい。
雪の時期も、お勧めだそう。

すぐとなりの空き地に、私も、アトリエを作れたら...。などと帰りの飛行機の中で思った。この暑さで本州に庭を作る過酷さを考え、めげていたので。インスパイア。いろいろな良いものに触れて影響を受ける。

造園業も主婦業も 営業職も経営者も、さまざまな美しいものに興味を持って気持ちを豊かにする心のゆとりが大切。私もカツカツに生きているので、この空間に佇む時間が、とても貴重に感じた。



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プロフィール

吉谷桂子

(よしやけいこ)

東京生まれ。英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。

7年間の英国滞在経験を生かした、ガーデンライフを提案。TV番組や雑誌等での企画、出演、講師を務める。また、国際バラとガーデニングショウや東京ミッドタウンのコンランレストラン「Botanica」の植栽デザインを担当。

「吉谷桂子のコンテナガーデニング」(主婦の友社)他、著書多数。

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