October 2010
October 28, 2010
東京農大教授、進士五十八先生に数冊の本や資料をいただいた。なかでも「進士五十八の造園学」の記事「造園家には多様性が要求される。建築や美術、社会学や経済学、多様なことに興味を持つことが大切だ」
本当にそうだと思う。
世界を眺めるビジョンは広い方が良い。日本の園芸家が近視眼的視野で植物を愛でる姿勢に、共感もあるが、はがゆい反感も感じる。そして、時間軸も。長い時間をかけて仕上がっていくものってありますよね。庭だけでなく、街や自然。未来のことはまるでわからないとは、思うのですが。英国の園芸家がかなり長い時間軸で遠くの方を見ていると、驚いたのは一度や二度ではありません。
ウイリアムモリスを筆頭にアーツアンドクラフツの時代の名残を、今も残したグレートディクスター。20世紀初頭の文化の香りが今も残ります。
さて、ここで見る刺繍も、すべては実在の花がモチーフになっています。絵画的完成度、色彩的調和、これは庭のデザインにも繋がり
今、私も私なりに21世紀のアーツアンドクラフツを探しているつもりです。
( 数時間後に続く )
October 27, 2010
この株は入手してから、今年で4年目の開花です。斑入り葉が美しく、放置しているのに元気に開花。耐寒性がないはずなのに放置してたら冬越しして大株になったもの。わが家の屋上で、シェルターなしで、冬越ししています。耐性がついたのかな?
英語で植物を表現するのに、ボールドという言葉を使うことがありますが、まさに言葉通りのボールドな花、肉厚な感じの存在感が、庭の景色にインパクトを与えてくれます。散らかって見えがちな細かい葉や花の景色の引き締め役にうってつけ。
花期はそれほど長くないけれど、この気温なら長持ちするかも。それよりも、葉の美しさが長いので、狭い庭にあっても邪魔に感じない。花が咲いていないときは、要らないように感じてしまう植物があるとすれば、それは小さな庭には向いていないといえるかも。
さて、ビーズの項目では、楽しいコメントをたくさんありがとうございました!長いコメント歓迎です。読ませていただいていて、吹き出すような面白いコメントもあり。共感たっぷり。本当に、みなさまのコメントが私のエネルギー源になっていて、だからこそ、毎日やる気がでてブログも続くというわけで、感謝感激!!!
October 26, 2010
世界のビーズ、ビーズを巡る旅をしたいと思ったことがある。「人類の、装飾に翔る情熱」に触れると、心の芯が嬉しくなるから。写真はおもに、フランス、イギリス、イタリア、アメリカのビーズ。
宝石は、お金と密接な関係があるので、そういう意味で興味がない。(もちろん!嫌いではない!欲しい!)でも、ビーズは、こんなに安っぽくてかわいいものを、誰かが真剣に作っているというこの事実に、心がほぐれる。これ、結構生産コストはかかると思うけれど、1000円以上のものはない。
これはボタンで作ったネックレス。ファッションやインテリアには元々興味があったけれど、イギリスに移住して花や緑で屋外を装飾する世界に出会い衝撃を受けた。
今の私は、ガーデニングをベースに生計をたてているけれど、創作意欲の根源は「人類の、装飾に翔る情熱」である。「庭は花や緑で創る生きた芸術」とはチャールズ 皇太子のお言葉ですが、皇太子ならずとも、たとえば、イギリス人バスガイドの口から聞いたときは、これはすでに。英国のガーデナーの大方の意見だと思いました。
で、日本の園芸に目を転じると「無意識」を感じてならなかった。なんとなくやっている。というか。でも、今はかなり変わってきた。意識の高い人が増えて素敵な庭を目指す人が。
洋服に気を配るように、自宅のエクステリアに気を配る人がもっと増えるといい。
エアコンの室外機を外に丸見えで家を設計してしまう建築家の美意識って、何だろうと思う。
写真は、付け替えたボタン。ドログリに行けば必ずある、付けたいボタン。
この素敵なネックレスは、いつも私の講座に来てくださるIさん。
あまりにも素敵だったので、写真を撮らせていただいた。
ガラス作家さんの作品だそうです。白いシャツにピタリとあっています。夏の日でしたが、涼しげでパーファクトなコーディネイトでした。
やはりアイデアとセンス。センスには、階層があるように思う。
グレード1、2、3、4、5みたいに。
あるレベルに上がると、世界共通のトップクラス。そういう極地がパリコレなどに確認ができるように思う。それで、時々、STYLE.COM を見る。最近はずっと、アクリス、ジョン・ガリアーノがおもしろい。(買ったり着たりはできないが、見るのが好き)
さてと、問題は、機能しないまま、どんどん溜め込むってのは、はどうなのか?
いえいえ、これを役立てて何を創ろう!それを考えている時が一番幸せ。
そして、いつか誰かが、これを譲り受けるときが来ても「こんなの要らない!」とは言われないコレクションをしていたい、とは思う。
October 25, 2010
正確には、ビーズではないけれど、古いボタンのコレクター作品。
これは、アメリカの作家によるデッドストックボタンのブレスレット。世界にたったひとつの作品で魅惑的。ロンドンRHS本部のホールで行われたアンティークショーで発見。とても美しかった。実はボタンも、かわいいものを見つけるとコレクション癖のある私。でも、このアメリカの作家には負けた。私は既製服にボタンを付け替えて使う事が多い。
カーテン地などのテキスタイルにビーズ刺繍を施すのは、数年前からのマイブーム。まだ飽きていないし、まだ続けていきたい楽しみの世界。非常に手軽にできるのでもっとブームになってもいいのに、と、思うけれど、ファッションは飛びつきやすいが、インテリアでは、なかなか。しかし、私自身もこのままどこへ行く気なのかと、たしかに手を広げすぎてどうするのかと思わないでもない。
どうせマニアになるのなら、本気で。普通、マニアというのは、その道一筋のことをいうのでしょうか。私は、その道一筋というより、客観的なディレクション力でコレクションをオーガナイズする力が大切だと思う。コレクションを活かすことを念頭に。まずは自分のコレクションに客観性を。(と、心理的には努めています)これはビーズを使って作ったクリスマスリース。20数年前にキロ買いした材料で)
さまざまなものに興味が行くのは悪いことではないはず。しかし、今はもっと洗練の引き算を、無駄を省いてシンプルな美しさを目指したいとは、思う。行き着くとろはそこか。でも最初からシンプルなのではなく、一旦すごいバロックみたいなところまで行き、極まって引き算が始まったところで本当のエレガンスに目覚めたら素敵です。
October 24, 2010
ってコメント頂きました。それは幸せの証し!好きなものが多い人ほど、人生に飽きることなく、機嫌良く生きるネタが尽きないといえるのでは?
なので(?)今日からはビーズ。写真はビーズのインテリアフリンジ。実は夫がロンドン・パリから仕事で持ち帰ったサンプルの数々。あまりにかわいくて....。写真を。西洋人の室内装飾にかける情熱は、本当に本当に凄いものだとこうした細かいものを見るたびに恐れ入る。
「意味なく好きな物」が布や毛糸やリボンやタッセル以外にもある。それがビーズ。これは本当に子どもの頃から。でも、同じように小さくて綺麗なものが大好きな同好の志が多くていらっしゃるようにお見受けする。まあ、女子なら大抵好きなはず。
私の場合は裁縫の師匠をしていた叔母から、技術的にも随分いろいろな刺繍やビーズ細工を教わった。子どもの居ない東京杉並区永福町の叔母の家に冬休み、春休み、夏休み中、長い居候をして叔母の裁縫箱と端切れ箱を漁って過ごした子ども時代です。そして大人になってからは、ビーズを、針と糸の手芸以外の世界でも、生かすことを考えてきました。
80年代、TVCFの仕事をしていた頃から溜め込んできたビーズ。当時は東京浅草橋のビーズ問屋で衣装用のビーズをキロ買いし、ストリップショウの踊り子さんと間違われていた。その店のおじさんによると、踊り子さんは自分で衣装を作るらしいのだった。英国に移住してからも、ロンドンのビーズショップで少しづつ、安いビンテージビーズを買い貯め。そのおかげで、今は子育てしながら、わざわざ浅草橋にビーズを買いに行かなくても、終日家にいて子どもの宿題を見ながらビーズ作品を作ることができる仕組み。なので、この写真にあるギフトラップも、いつもそうだけれど、ストックのみで完成できる。
この赤いドレスは三共製薬ルルのコマーシャルで女優富田靖子さんが着たもの。1989年頃の作品。ドレスのデザインを私がして、仕立てをオートクチュールのドレスメーカーに頼んだ。一部を友人に手伝ってもらったものの、ほとんど私ひとりでチクチク針仕事したものとの記憶がある。バレエの衣装やCFのドレスデザインをしていた時代のこと。徹夜の記憶の残るドレスであります。この頃の仕事の合い言葉が