February 2011
February 28, 2011
時折、ご質問をいただくのですが、なかなかお答えできなくて申し訳ないです。無視しているわけではなく、どのように答えようか、考えながら仕事をすることもあるのですが、たまたま今、これを書こうと思うタイミングに記事を書く内容がその時の雰囲気と合わないと、お答えができないことも多いので、大変恐縮です。質問に答えるのは、講演会などの「質問コーナー」だと確実ですが.....。
11.02.27 23:09みやこさんより、ご質問をいただきました。
多忙な毎日からちょっとだけ解放され、久々に犬のシロちゃんの散歩に行くと、玄関の脇には、スイセンやらアネモネやチューリップなどの球根類が芽を出し始め、また、モモの花が咲き始めていました。確実に春に近づいている事を感じ、嬉しくなりました。さて、吉谷先生に質問です。吉谷先生のような園芸家になる事をあこがれています。どうやったら、先生のようになれますか?やはり、イギリスで学ぶとか、また、寄せ植えをたくさん作るとか、ガーデニング関係の専門学校に行くとか? 良き、アドバイスをお願いします。
....率直なお返事をしたいと思います。
でも、単純にお答えできることではないので、「園芸家で食べていくためには?」を時々、自叙伝的なテーマにして行こうかとも、思います。それほどに、単純な内容ではないように感じられるからです。不遜な態度に出そうで怖いけれど、50代の半ばになり、そろそろ次のターニングポイントを探る場面に来ているので、良いチャンスかもしれないのです。
しかし、勉強の方法はいずれにしても、上記のすべてが当てはまると思います。自分を切磋琢磨する方法は、あなたの前に無限に広がっており、それをやろうと思いつくのも「努力と才能、行動力」だと思うからです。そして「吉谷のような園芸家」とは、どのような園芸家かよくわからないのですが「みやこさんのような園芸家」を自分で独自に独創するからこそ、価値があります。
しかし、社会に出て行くアプローチには、今の時代独特の方法があります。それをする人としない人の差は、自分から出て行く人、待っている人の差でもあり。それを、近々に、この続編で書いて行きたいと思います。
February 26, 2011
バラショウの記事には、元気の出るメッセ―ジをたくさんいただき、ありがとうございました! 遠くからでも絶対に行きます!とか、今年は初めて行ってみます!とか、書いてあると腕まくりの気分に。年毎にバラショウの仕事は体がしんどくて、今年で終わりかなと、思ってしまう有り様。そしてこの数日の、相変わらずの忙しさと、さまざまな出来事、心配なことも多く、モチベーションが下向きでした。沈思黙考ではありませんが、こういうときは、身を守る傾向に行きがちですよね。が、元気いっぱい、やる気一杯のメッセージをいただき、感謝!です。ありがとうございました。中でも、こっこ さんのメッセージには大共感。
わたしは日本から汚いプラ鉢を根絶させたいです。
本当にそうです!犬の散歩で近所を歩くと、いつもガッカリします。花はちゃんと咲いているのですが、道路沿いには、白いプラ鉢や壊れた植木鉢が滅茶苦茶に置いてある...。こうした方々は、花は好きらしいのですが、景観をきれいにしようという意識はないらしい。と、散歩の都度、滅入る私。栽培には熱心だけれど、美観に無関心という傾向は、何なんだろうかと。
「栽培」×「デザイン」の両方が同じ重さで大切なのは、いうまでもないことですが、ペットと植物の共通点は「愛育」。それは実は、動物も持っている本能だと思います。しかし、さらに高度な人間だけが持つ本能とは?(一部の動物にはあるかもしれないのですが)「美」という本能。美しいものを見たい、そのために作りたいと思うのは本能。絵になるものを見たいという本能があるからこそ、絵を描いたり美しい街並みを作ろうという努力があるはずですが、その部分が欠落すると、白いプラ鉢になってしまうのかなあ。私の提唱したいガーデニングは、「栽培」×「デザイン」愛と生き甲斐と、苦労と楽しみの多重な素養のことなんですが。それで、イギリスの街並みのように、日本の街が美しくなるように。というのが最終目的。共感してくれる人がこれからの時代に増えるよう、努力する。あら、私もやってみたいわ。と、思ってもらうこと。
さて!3月5日発売の主婦の友社の実用ムック「寄せ植えの作り方・置き方」は、作るだけでなく、飾り方の提案にも力を入れ、アイデア満載しました!本も売れなくなっている時代。写真を眺める楽しさは変わらないと思うし...。私が作った125個の寄せ植えも大結集。(そう思うと、今まで何百という寄せ植えを作ってきたけれども、実は、作ることも大切ですが、写真に撮っておくことも重要ですね、写真のない寄せ植えも山ほどあったワケです。園芸家は写真の腕も磨く必要があり、大忙しである。みなさま、庭の写真は撮り続けましょう。花のアップ写真だけでなくね)
さあ!もう3月ですね。来週は、バラショウの審査会で渋谷、英国観光庁のイベントで銀座へ、ミセス誌、ガーデニング A to Z 特集の記事作りで東京都下の園芸店めぐり、軽井沢の錦玉園のロケ諸々でずっと家に居られず、ただただ怒濤のスケジュールのなので、ブログが書けなくてもご心配なく!みなさまのメッセージを拝見して、超元気です!
February 24, 2011
いよいよ春も目前。今年も5月11日から始まる国際バラとガーデニングショウのデザインがほぼ確定し、植物の注文も着々と進行中です。
今年のメインテーマは「印象派の庭」。カラースキームは、虹の色、光のプリズムで反射する虹の発色を基本に、色彩溢れる花の庭を、どのように魅せるか。私としては、印象派のテーマは、常に私の庭の構成上存在するテーマですので、印象派の絵画は私の絵画的庭の構成法の基本でもあるのですが、外光派とも言われた印象派の絵画には、特に「光と風」が重要だとも思っています。当然、健康的に庭の植物を育てるにも適度な風と太陽が大切。
しかし、ショウ会場に常に自然の風を期待することは難しい。なので、今回は特に私からお願いし、ダイソン社のエアマルチプライヤーを セッティング。風に揺れる背の高い宿根草やグラス類の植物の美しさを表現したいと思っています。去年は、来場者が少し減ったので、今年はなんとか、盛り返したい!(放送時間が減った事も大きく原因しているはずですが)盛り上げるためには、努力しないと!ガーデニングが年毎に盛り下がってはイケナイのだ!すべてはその思いに通じるところで、経済的にはどうにもならない事に骨身(私は肉身?)を削っていることに...。どうか、お誘い合わせの上、ご来場をお待ちしております!
February 23, 2011
今、ペットブームなのですってね? 先日テレビでそんな話題をやっていました。ブームとは関係なく、動物好きだったのと、息子が小学校高学年になった時点で、犬を飼い始めた吉谷家。ちょうど一年以上が経ち、この子もすっかりうちの子、というか、我が一人息子の弟分としてのポジションに収まっているフレンチブルのカブくん。
感情とか、この子の思いとか、そういうもの、
喋らなくてもわかるという感覚が、なかなかの体験ですね。
それにしても!動物も植物も、生き物を育てることは、生かしてやり続けることの連続。まあ!朝に晩に、水に食べ物に、排泄に。たまにお医者さんに。
けっこう大変ですが、もの凄くかわいい瞬間があるので、やめられないのでしょうね....。でも、昨今のガーデニングブームは、ペットブームに食われてしまった感あり。贔屓にしていたガーデンセンターが消えて、ペットショップができたり...。複雑な気持ちもあります。なんとか、ガーデニングブーム再熱させたいのですが.....。どういうアプローチをしていくと良いのでしょうか? 初心に戻って悩む春の一歩手前の宵でした。
February 20, 2011
実は、アメリカのebayというネットで、フェアリー人形の型をついにゲット。値段は送料込みで800円くらいでしたが、案の定、女の子の顔がバービーちゃんです。使えないなー。
私が作りたいのは、不思議に清楚な神様顔。
以前、こちらのメッセージ欄に菩薩顔のフェアリーを作りたいと書いて下さった方がありましたが、まさに私も俗っぽい表現は避けたい。もっと純正にヨーロッパの古典的な顔の型がないかと探してます。日本製はとても平面的な顔。かわいいけれど。
で、粘土で作った後、型が乾いて始める顔の絵付けが不思議なんです。とにかく墨入れの一瞬で顔が決まってしまう。魂が入ったり入らなかったり。
あのー、実はこの一ヶ月で、もっとも拍手やコメントの多かった記事が、こうしたフェアリーに関するものでした。思いのほか、周囲の方々の反応も大きくて。
それでもって、先週、エフィル誌の撮影でカメラマンの、K氏に妖精を撮影していただいたら、それが、もうもう!本当にすてきに撮れたので、それを見て、俄然「妖精の本」が作りたくなってしまった。
ちなみにこの写真は私が撮ったものです。K氏の作品はそのうちにお願いして、ブログに掲載したいのだけれど。お許しがでたら、そのうち....。
いままでに見た事のないファンタジーの世界が表現できそうで。繰り返し書くようですが、私、本当に子どもの頃から人形作りが好きだったんです。だから本当に、今は本気。そして、東京の私の狭い庭と、コンテナガーデンの庭的な限界も、フェアリーと一緒なら、軽く無限の世界に飛んでいけそうです。なので、今年の夏は、イギリスの庭旅行に、フェアリーを連れていって、写真を撮りたいとも思っている。あの「旅するガーデンノーム」ってご存じでしたか? あの感じ。大人のファンタジーです。