吉谷桂子のガーデニングブログ

February 2011

February 20, 2011

クリスマスローズの寄せ植え

R0012716先日の 2月の庭仕事では、とてもたくさんのメッセージ、ご意見を賜りありがとうございました。メッセージのお返事と他の方が読んでも、参考になるかなと思って「クリスマスローズの寄せ植え」のことを書きたいと思います。(*ところで、私はヘレボラスと表記します。オリエンタリスはニゲラのようにクリスマスの時期の花じゃないし、どうもこの名前が私には感覚的にしっくりこないので....イラストは昔イギリスで描いたもの。当時八重は存在しなかった)


R0013497 IMG_7402 R0012828 コンテナガーデニングの師、デヴィッド・ジョイス氏にインタビューをした時、およそどんな植物でもコンテナのアレンジは楽しめるけれど「寄せ植えに出来ない植物が一つだけあるとしたら、それは、ヘレボラスの仲間たち」

師のひとことが、あれから15年以上が経っても、私の心のなかにガッツリと居座っています。 当時、すでにヘレボの専門園、ワッシュフィールドナーサリーまで車を走らせ、この、特別な植物についての情熱は高まるばかりでした。「根を切られたり、いじられるのを嫌うから」それを聞いた私は、本当に地植え以外考えられないとさえ思っていました。その後、コンテナでも、私はヘレボラスは、単植が一番だと思ってきたし、何も寄せ植えしなくたって、ずっと美しい。と、本心ではずっと思ってきました。しかもヘレボは、花色がくすみ色合難しい。(写真は、カスタードイエローと黒系ヘレボの組み合わせ。ぎっしりと入っているように見えますが、ラナンキュラスの葉が張っているので、そのように見えるだけ。実はゆったり入っています。)

でも、仕事では、さまざまな注文が来ます。自分から寄せ植えを作りたいと思わなくても、仕事が来たらどう乗り越えるか。そこで、出した一つの答えが、根を痛めないように植え付け花後、すぐ解体。あるいは、儚い一年草と組み合わせ3年ほどはそのまま植え付け。その場合は、早春に寄せ植えして、夏が過ぎた頃には消えてしまう植物と組む。あるいは、旺盛に根を張らない植物。あるいは、グラウンドカバー的な植物なら大丈夫というように自分のなかで方法を決めてみました。でも!ヘレボは今の時期に買うでしょう。 花の上がっていない種類を買うのはスリリング過ぎる。そうすると、激しく根が張っている場合が多いです。ビニール鉢なら簡単にカットできます。さて、いただいたメッセージをご紹介。

 ちゃみさんより。「たたくと抜けます」これ、園芸番組でも良く言われますよね。でも!抜けません!私もクリスマスローズで初めてテラコッタを割りました。くびれのない普通の鉢でしたが、びくともしませんでした。。割って株を出したときはすっきりしました(笑)割れたテラコッタは砕いてレンガの隙間に敷きました。ブルーの寄せ植え、素敵ですネ。クリスマスローズは根っこが不安で寄せ植えに出来ません〜。でも見せていただくのは大好きです。^^ラナン、お高いですね(@@)

そうなんです。私も自腹で買ったヘレボは、寄せ植えしません(笑)。


IMG_7400CIAO MAMAさんより。私は鉢から植物を抜く時は、パン切りナイフのような長いナイフを鉢と土の間に入れ一周させます。スポッと抜けますよ。

私もケーキ用のナイフ(写真一番上)などを使ってコンテナの根を外すことがあります。ケーキ用ナイフがあるといいな。と、思った場面が多々あり、これは何年か前に100円ショップで見つけました。ーが、これは、ヘレボラスには危険すぎます。根を切ってしまうことがあるから。切れた根や折れた根は、底が傷口。少しでも切り傷を作らないように、やはり鉢を割るのが一番です。それぞれの植物によって、鉢の開け方が違うということも経験のなかで感じて来たことなので、それぞれの方が感じた方法で試してみれば良いと思います。いろいろと失敗をしたほうが、却って後からの仕事が確実になるでしょう。でも、これだけはいえる。やはり、最初から単植したほうが、翌年はバランスの良い株になります。寄せ植えした子は、翌年、どうも鉢のなかで傾いたりしてきれいとは言い辛い印象です。だから、春に植えたら、同じ年の11月ころ、気温が冷えて来た頃に、肥料を与えよい培養土できれいに植えてやるのがベストなのだと思います。でも、繰り返します。それぞれの方法があって良いことは確かです。



iris_garden_blog at 11:10│寄せ植え   Tweet

February 19, 2011

美しき英国ガーデン

IMG_7397待望の最新英国ガーデンガイドがビズから発刊されました!写真の美しさはいわずもがな。興味深かったのは、英国の庭園写真家を代表するアンドリュー・ローソンとジュエリー・ハーパーによる「私が選んだ英国の庭20選」美しさの極みともいえる庭を何百と見ている両氏の選んだ庭は、今年、私が計画しているガーデンツアーにも活かしたいし、諸事情で実際にそこに行かれない場合でも、ビズの誌面やこの本のなかにでてくる、まさしくその庭を写真で観賞。その美しさのカラクリをじっくり自宅にいながら観賞もできる。その写真のなかの植物の色や形のコンポジションを読み取るのも美しい写真から。

ただし!鵜呑みにするわけではないのです。心から尊敬する彼らの選択した庭のなかには、私が好きになれない庭もあったし、第一、この20選のなかにベス・チャトーさんの庭がないので、やはり「好みが違う」と、違う結果がでるのは当然。また、彼らは男性なので、庭ほど、ジェンダーの違いで好き勝手な好みのでる対象もないと思う。なので、あくまで、参考にということですが、彼らプロの選択から読み取るべきことは実に山ほどあって、これ以上に美しい庭の瞬間はない!と断言できる瞬間が、ぎっしり。本当に充実のバイブルのような本ができて嬉しい!ちなみに、私も「もう一度会いたい、思い出の庭」のエッセイを記載させていただき、短い文のなかにぎっしりと熱い思いを込めました。それから、以前、ビズにも掲載されましたが、チャールズ皇太子の庭の写真も18ページにわたり満載。「庭は知性の反映であり、人間がつくり出す安らぎの芸術である」とは、素晴しい一文。誰が書いたの? 後で、編集部に聞いてみよう。


R0010614写真はアンドリューさんとのツーショット。ビズの写真展にて。アンドリューさんとは、ずっと昔、NHKBS の英国四季物語のロケ中に、シュロプシャーのB&Bで一緒になったことがある。私は0歳児を抱えて、年4回のハードロケ中でしたが、夜明けのウラートンを撮影するNHKクルーとは別行動で、自分の出番以外は、ベビーと近くのB&Bで待機。アンドリューさんも夜が開ける前には、庭で待機するとのことで「ああーっ!私も行きたい!」とジリジリしたのを覚えています。だて、名庭園の夜明けなんて!なかなか見られないもの。


IMG_6612ちなみに古い写真が出て来たのでちょっと。0歳児は離着陸の際は、母にくっつけてフライト。でも、飛んでいる間は殆ど機内を抱っこしてあやしながらうろうろ。寝ながらフライトできるヒトがつくづく羨ましかった。また、右の写真はハドスペンで。ハドスペンのノリとサンドラさん宅に逗留しながら、ロケ中はサンドラが息子のことを見てくれた。夜はノリさんがシェフになって、その料理の旨いこと!多くの方々に助けられて、今があることを忘れないように。



iris_garden_blog at 10:04│ガーデニング   Tweet

February 18, 2011

今月の Jobs to do... 追記

RIMG0074昨日のブログで、MUST TO DO ! と表記しましたら、things to do では?と、ご質問を受けました。 いや、なんだかなー。今日一日庭仕事をしながら、自分の思い違いだったか。ああもう、記憶力が怪しいぞう。となり、英語に超強い友人も、ああでは?こうでは?と助言をくれるし、う〜ンもう!Jobs to do... に変更だっ! でもって、話題変更、昔これぞ、MUST HAVE PLANTS !といわれてしまうと、どうしても欲しくなったものです。庭にあるべき、植物。とでも...。それだけ、MUST は強い言葉ですよね。「今やらなくてどうする!」という気分を自分に課せたかったわけですが、私も、もうちょっと、慎重に文字を書きませう。

RIMG0082「抜けない鉢は、たたくと抜けます」と、メッセージをいただきました。

鉢をどんなにたたいても、つぶしても、抜けない事があります。みなさまは、今までそのような経験は、ありませんでしたか? 特にクリスマスローズは、薄いビニ鉢ではなく、頑丈なプラスチック製に入っている場合が...。私は、クリスマスローズ、ヘレボラスは「決して根を崩してはイケナイ!」と私のコンテナガーデニングの最初の師でもあるDAVID JOYCEに、教えられ、それ以来頑固に、ヘレ9888770527C54931ボラスだけは、開花期に根は壊さない。と観念的。で、このときも体重をかけて乗っかったりたたいたり、大変でしたが、ついに、鉢を割るのが、もっとも安心ということで凶行に及んだ。私の園芸歴史上でもきっと何千という鉢を開けてきたけれど、これで7回目くらいか。それほど、多い出来事ではないのかもしれません。

とにかく、根っこの細かいRIMG0080繊維が鉢の裏側にビッシリとはびこっている場合や、根の底の部分から重要な根がかなり出てしまっていてそれが鉢底でギッシリと絡み付いている。それで私は今までに、イギリス製の植木鉢を割って中身のヘレボラスを鉢上げしたことがあり、もったい!と、思いつつも、私にはヘレボラスのほうが大切だったわけです。今ではどこにでも見かけるシングル咲きのオリエンタリスの黒い花でしたが。そして、今ではダブル咲きやピコティも¥1500-で買えてしまう。ちなみに、冒頭RIMG0086のラナンキュラス’ブラックパール’は、¥3500-でした。ラナンは夏越しが難しいので、なかなか手が出ませんが、実に見事な株でした。
今の時期、まだまだ寒いので園芸店めぐりの気分ではないかもしれませんが、すてきなお花が続々登場。やはり、青田買いではありませんが、早いうちのチェック(見るだけよ)は勉強にもなるし、目の保養になります。ただし、もしも買ってしまった場合は、どんなに寒さに強いといわれる植物でも、すぐに野ざらしにしないで、軒下で数日様子を見ます。クリスマスローズでさえ、温室から出て来たばかりの株は、突然の環境の変化に花芽を痛めることがありますから...。去年のクリスマスローズ展に出品する作品にはそれで随分悩まされました。あ、その展覧会も今週末ですね。
 

iris_garden_blog at 20:16│ガーデニング   Tweet

February 17, 2011

2月の庭の Jobs to do...!

札幌から戻って以来、息つく閑なく、怒濤の数日。ちょっとばかり時間が自由になるような、そんな勘違いをして2時間くらいのんびりしてしまうと、あっという間に巨大なしわ寄せの大波が襲ってくる。同時進行にいくつもの雑誌や本の仕事をしているので、思いもよらない時間帯やタイミングに、間髪入れずゲラの校正チェックが入り、気の休まる時がない。その催促の電話ときたら、これから夕ご飯!とか、寝ようと思った瞬間、とかに相手が切羽詰まっているのもわかる調子でありまして。と、この数日のブログ留守。略してブロ留守のいいわけでありました。

昨日は、来週の寄せ植えの撮影のために植物探しの日。たまたま先日御世話になった北海道の梅木さんが上京。一緒にわが家の近所のガーデンセンターを巡った。

RIMG0072
そこで見つけたのが、このラナンキュラス’ブラックパール’。なんと美しい!私、黒真珠が好きだし、かなり、欲しくなってしまったけれど、今の仕事には関係がないので、我慢した。ザ・ガーデンズ、グリーンギャラリーさんにて。


RIMG0078さて、詳しくはまた後日書きたいのですが、去年の秋以降、植物が入ったままで放置されてた植木鉢は、今のうちに、一度中身を全部出して土の状態を要チェック!今日の私の庭では、あの忌まわしいコガネ虫の幼虫が30匹以上もウヨウヨと出て行きました。鉢を空けてみるのは、中耕するような効果もあるし、根の張り具合のチェックにもなるので、無理にでも時間を作ってみた方が良いです。一度出して、こぼれた土は出してしまって、新しい肥料と土を追加投入します。初夏咲きの宿根草の鉢などは特に。写真、本当はもっと沢山居たのだけれどあまりにもおぞましいので、3匹のみの写真。愛おしきホルデュームの根っこが殆ど食われてなくなっていた。このあと、ホルデュームは発根促進剤に漬けて再度植え直し。

RIMG0083クリスマスローズの大株は、大方が根の張り過ぎた状態で売っています。揉もうがたたこうが、どうしても鉢から抜けないものはバールとかペンチとかで固くて分厚いプラ鉢を壊して開封。あくまでも、根を壊さないように。開花株ですから。

では、続きは近々に!
 


iris_garden_blog at 23:18│ガーデニング   Tweet

February 14, 2011

Happy Happy Valentine !

IMG_7361先週末は東京でも雪が降って、かなり焦りました。

切羽詰まった予定がない場合なら、自宅でゆっくり雪見も良いでしょうが、交通の乱れにハラハラしつつ、札幌へ。

そして、私からみると吹雪みたいな札幌から、東京行きの飛行機も定刻通りに出発。ホッとしました。

雪ではしゃいでいたのは、息子。しかし、かわいい雪だるまもあっという間に溶けてしまった。これは「あちらが屋上ガーデンです」とお伝えするだるま君だそうです。

IMG_7368最近は、女性同士でも友愛のチョコレートがいただけて、ちょっと嬉しいです。

私も、バレンタインに英国王室御用達プレスタットのティーチョコレートを戴きまして...。これがまた、すごく美味しいの。

IMG_7371ヨーロッパのチョコレートといえば、ベルギーのゴディバやフランスのメゾンドショコラが有名ですが、ロンドンに住んでいるときは、このプレスタットか、シャーボネル・エ・ウォーカーのチョコレートにはまっていた。食べ過ぎて一挙に3キロくらい太ったことがありました。苦い経験。でも、美味しい!

110213_sapporoforum1最後の写真は、昨日の「さっぽろ花と緑のまちづくり」講演会の 様子。熱心にお集りくださった300名様以上のお客様ありがとうございました。

私のスライド写真が暗めで細部が暗かったのは惜しかったけれど。意図的な植栽の具体的なノウハウに迫りたかった。うまく伝わったかどうか。で、梅木あゆみさんのブログには伝わったな!という感触がありました。ありがとうー。昨日は札幌駅のホームまで送ってくださり、それもありがとう。電車が遅れて混沌とした混雑のなか、横に居て下さったので安心でした。

さて!きょうはまた原稿締め切りの山に埋もれて、すわったままの原稿書きと、どうしても止まらぬチョコレートつまみで、太る事間違いなし。 嗚呼!!!明日は雑誌の撮影が2弾。モデルさんもするので、今夜からダイエットします。



iris_garden_blog at 15:26│イベント   Tweet

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プロフィール

吉谷桂子

(よしやけいこ)

東京生まれ。英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。

7年間の英国滞在経験を生かした、ガーデンライフを提案。TV番組や雑誌等での企画、出演、講師を務める。また、国際バラとガーデニングショウや東京ミッドタウンのコンランレストラン「Botanica」の植栽デザインを担当。

「吉谷桂子のコンテナガーデニング」(主婦の友社)他、著書多数。

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