May 2011
May 28, 2011
関東地方、もう梅雨入りだそうです。史上2番目に早いとか、強い台風も来ているとか。いつもだとバラショウの後、快晴の暑い日が続き、ショウから戻った植物の管理は寒冷紗をかける等、大変だったのですが、今年はすんなり自然環境に馴染んでいます。しかし、せっかく咲いたバラはどうなるのか。植物を栽培していますと、自然に振り回されつつ、なすがままにこちらも馴染むほかありません。
「仕方ない」と、思う。台風に備えてコンテナやハンギングの養生を。愛栽培しているブリエッタのハンギングを室内へ。しかし、この花、濡れると濡れた犬とか納豆みたいな匂いがします。カブちゃんが目の高さにいるような。室内向きじゃありません。でもこれ、たったひと株でここまで大きくなっています。そろそろ切り戻しを。
雨の週末は、仕事が減ります。この時期に大切な水やりも一切必要なし。息子が週末にビデオを借りたいというので、ビデオ屋さんへ。「ただ今、4本で千円キャンペーン中」では、ということで息子が借りたスタジオジブリ以外に私も借りました。「ファッションが教えてくれること」アメリカ映画です。一昨年前だったか、飛行機の中で見て面白かったので、もう一度。あの「プラダを着た悪魔」のモデルにもなったアメリカ・ヴォーグ編集長、アナ・ウインターのドキュメントです。ヴォーグ誌といえども大マーケットであるアメリカ女性への大衆ウケの接点を探る必要がある。私も一部の人ではなく、より多くの人に惹かれる花のあり方を自分なりにずっと模索しているのでそのあたりの直感力に興味あり。
でも、美しいと思えるものでも切り捨てる判断力って何なのだろう。妙に人が納得してしまう決断力って....。言葉で説明できない。
好きな台詞がいくつか。アナの台詞ではなくノーマン・パーキンという写真家の台詞ですが
「いつも目を開けていること。目に映るあらゆるものが、我々にインスピレーションを与えてくれる」
人が気付かないところにヒントを得るのもクリエィターの才能。私にとって海外の旅行は、そんなインスピレーションでいっぱいだけど。
7月、一緒に英国行きませんか? 黒めがねのコワそうなおじさんは確かファッションディレクター「美を見たいんだ」って、台詞もいいですよね。「美」とは、人間の本能が求める神の宿る存在みたいなものでもあるんじゃないかなと、時々思います。
先日のダニエル・オストさんの展覧会で、とても「touched(感動した)」。心に触れたので、その喜びを持ち帰ろうと、会場でこのブーケを思わず買ってしまった。生の花を特殊な方法でフリーズしてしまう「アイス・フラワー」と呼ばれる技術だそうで、プリザーブドに似ています。ちょっと高価でしたが、半年以上は楽しめるとのことで、夏に向かって水やりも、枯れたあとの処理の心配もないこのブーケで癒されたいと思ったのです。
以前、プリザーブドの花に、茎や葉をつけてブーケを作りたいと提案した事が何度かありましたが、なかなか実現せず。私が作りたかったプリザーブドフラワーのブーケはまさにこんな感じのものだったのですが。
さて!明日から渋谷の文化村でルドゥーテの「美花展」が開催されます。会場には夫、吉谷博光が空間演出したルドゥーテの作品のためのコーナーもあります。ちなみに今日建て込みなので、私も渋谷に行きます。写真は、自由が丘のカフェドイシス、夫がパリで見つけたルドゥーテの作品が飾られています。会場はこれとはまた違ったイメージで仕上がると思います。
さまざまなアーティストがコラボレーションで参加しているのですが、会場に飾るパネルには私もメッセージを書かせていただきました。で!なかでも、私たちのメッセージのすぐ上にある美輪明宏先生のメーッセージが素晴らしい!
「花は『無償の愛』を捧げ続ける... (残りは会場で!)」
もう、これを読んで会場を進むだけでも全然違う心の栄養になるのではないかしら。
私のメッセージも、そのうちザ・ミュージアムからお許しをもらってここに掲載させていただきたいと思います。
ほかに大野耕生さん、假屋崎省吾さん、田川啓二さん、相田勝之さんがコラボレーション協力されておられます。
では!これより渋谷に行ってきまーす。
May 27, 2011

ただ今、チェルシーフラワーショウが開催中ですね!見ました? 動画で見られるショウの様子、ワクワクします。相変わらずトレンドは、モダンです。ちょっと地味な印象も。洗練しすぎて華やかさやラブリィさに欠ける印象? まだ全部の庭は見ていませんが。画面で見る360度ヴァーチャルツアーもあります。しかし、どの庭も日本円にして、3000万円以上の予算をかけて、素晴しい完成度。一応、RHSのHPからアクセスすると全部見ることができるはず、ご堪能あれ。ああ、実際に行きたい!
でも、日本で5月にバラとガーデニングショウに関わる限り、イギリス行きはちょっと無理な旅程。私はもう、12年も行っていないので、寂しいです。本来はそのためにRHSの会員でいるようなものなのに。(会員でないと入場できない)それはそうと、ピークと比べると3万人ほど会員が減っているそうです。最近、心なしか、イギリスのガーデニングにも陰りを感じます。

でも!7月のハンプトンコートショウ(世界でもっとも大きなフラワーショウ)は、今回のイングリッシュガーデンツアーにも組み込まれた旅程です。行けると良いですね。と、いうのも、ただ今旅の最低遂行人数、15名にあともう少し。
今年は、旅程の開示から、締め切りまでがとても短くほんの 2週間 しかないため、この短い間に参加者の方々にお集りいただけるか、私も不安ではあります。締め切りは現状よりも少し伸ばして6月3日までとなるようですが、いつもだと3月には発表されていたので、 震災のこともあり、なかなか難しいのかもしれません。上の写真は去年のハンプトンコートショウです。去年ここで見たベロニカ・ロンギフォリアに惚れ込んで今年のショウではたくさん使いました。来年も使いたい。こんな透明感のある植栽が好きです。(写真上)

「とにかく、とにかく!美しいものを見たい!」そういう執念で旅の企画をしております。そして、美しいものをご一緒に見ることで、また、私からのポイントオブビューで、庭の美を見直していただくことで別の視野も広がることを意図した企画でもあります。一度は行った庭も、別の視野で見るとまた全然違った見え方がしますよ。なんども訪ねたシシングハースト(写真上)も、やはり毎年植栽がちょっとづつ違うのと、人気の高い庭ほど、植栽のパワフルさがひと目で解ります。
May 26, 2011

実は、忙しさのピーク、山場は終わりましたが、溜め込んでいた雑誌の連載、校了、他にも課題が山積みで、とてもじゃないが、往復3時間ほどの時間をかけ都心に向かう余裕なし。でもなんとなく「これは無理をしても行かなきゃと」との、予感があった。会期は、5月24日から26日までの三日間だけ。場所は、普段は入れない東京港区にある綱町三井倶楽部(写真)。三井倶楽部は、今から約百年前の1913年に、英国の建築家ジョサイア・コンドルによって設計された鹿鳴館風の洋館。20年以上前のバブル絶頂の頃は、よく友人のファッションブランドのショウやパーティに呼ばれることがありました。だから、ここは素敵な洋館とは思っていましたが、英国から帰国してからは初めてでした。去年大掛かりな改修が終わったというこの館の美しかったこと!若いうちはわからなかったのかしらね。でも、やはりそれは、花の存在がその室内装飾性を高貴に高めたのだとも思う。


最後は、我が家の屋上。自宅にいても、やはり花の力に癒されています。5月の花が一年で一番好きな種類が多いように思う。 このイングリッシュローズ、ジェネラスガーデナーは飽きない色彩です。

ミュージアム名物のハンギングは、パンジー中心だった秋冬バージョンからベゴニアとインパチェンス中心の夏バージョンになりました。ここも夏は落葉樹で日陰になるので、日陰でも花を咲かせつつ、品種選びが肝心です。これから半年近くここで頑張ってもらう。そのためにも植物活性剤バイタルやケイ酸塩白土ミリオン、元肥のマグアンプをしっかりと。このハンギングは、RHSJ コンテナマスター、沼尻蔣恵さんの作。お手伝いいただき3年目となり、細かい指示や希望をださなくても、素敵な定番作品を作っていただけるので、ありがたい。これから夏休みころまでにどれくらい大きくなるか、楽しみです。
コンテスト作品は審査会と会期中の美しさ、迫力という瞬発力も必要。しかし、こうした商業施設では、ロングライフが絶対の条件。できれば3Lが理想。LONG LIFEでLOW MAINTENANCEでしかもLOVELYで、コンテナは作る人のエネルギーも現れる。同じ材料でも、作る人が違うと、持ちも違うし印象もまったく違う。
ところで、二日間のワークディにテレビの収録もしました。放送日のお知らせはまた後ほど。
今年の夏はひまわりで! これはもしかしたら全国的なネットワークで広がるイメージなのかもしれませんが、ミュージアムでも、ついに1000粒蒔きました! これは結構大変な数です。でも1000のひまわりがわーっと咲くわけではありません。時間差で蒔いたし、病害虫にも淘汰されて、さて、どうなるでしょうか? ところで、上の写真は、私が自宅で種まきした分。移植を嫌うとされているひまわりですが、箱根の場合、直まきだと寒さのせいで開花が遅れそうでしたし、発芽と同時にナメクジに食われてしまう可能性もあり、ある程度は私のほうで育てようと思ったものです。
以前ご紹介したルートレイナー(左)は凄い成績優秀で、右は普通の小ポットに直まき。同じ種類のタネとは思えない。根の張り方が全然違いました。
これは凄い違いだということで、このルートレイナーは今後も活躍させたいと思っています。タネは蒔く前、植物活性剤ソイヤに一晩浸け、発芽からこれまでの一ヶ月には2度ほど植物活性剤を与えました。根の張り方の勢いが違うように思います。しかし、ひまわりは肥料のやり過ぎに注意。
種まきをした場所は、意味不明な余白ができてしまうので、ひまわりのタネを植えました。というタグとともに、松ぼっくりのフィニアルを付けた棒で囲みをしました。
支柱でもなんでも、最後の部分にフィニアルをつけるとかわいいですよ。
グリューガン(ホットメルト)とワイヤーで装着しました。こういうことはその時、パッと思いついて作るので、今回はこれが初めての制作でした。ミュージアムにグリューガンがあったので、お借りしてマツボックリにワイヤーを絡めて接着。これにアサガオを絡めたりしてもかわいいかも。次回は好きな色にペイントしたり、金ぱくを張って仕上げてもみたい。
ミュージアムの奥に、王子さまの像が立っています。記念写真の名所なので侮れないのですが、これから先、木が大きく茂って日あたりが悪くなると、何を植えるか迷う場所。以前はアイビーだけで淋しかった。今年から花を植えることに。花色はこの王子のペイント色の、どれか一色を選びます。今はクリサンセマム・ムルチコレがかわいらしく咲いて人気の場所。ただ、個人的な好みからいうと、この王子さまのベタな発色が子供好みで今まで好きになれなかった。でも、それではかわいそう。と、思い直し、今までとは、配置を変更し、もっと愛してあげようと思う。これからはもっとかわいく見えるようにね!もう少しいろいろと植物の工夫をしていきたいと思う。
こちらは好きな方の王子の像。今はGWからずっとチューリップが賑やかに咲いて人気のスポットでしたがこれからは日陰になり、大型の花は咲かしにくいので悩む。夏に日陰で咲く大きめの黄色い花があると良いのに。とりあえず、根がしっかり張るよう良い土を入れ、肥料を入れ、明るい色のサンパチェンスを大きくしようか。こうなると材料探しの手腕が問われる。