October 2011
October 26, 2011
松本での寄せ植えの真ん中にも使ったのが、パボニア。シャープなフォルムが魅力的だったけれども、生態環境の違う植物を寄せ植えに混ぜるのは抵抗もあるのですが、ここで秋の終わりまでずっと咲いてくれるとは、想像しています。熱帯植物ということで、温室などで冬越しできれば灌木サイズにもなりそうですね。私はこの株を、グリーンギャラリーさんで見つけました。
この写真の右側でもパボニア、チューリップみたいな形の花がかわいい。ポリポットには、ポバニアと書いてあった。他で調べると「ヤノネボンテンソウ」という名前も発見した。グーグルでいろんなスペルで試して探す。pobania か? povania ? あった!
http://en.wikipedia.org/wiki/Pavonia_(plant) これ、パボニアじゃない??でもポバニアと発音するのかもしれない。私としては、今年初めて目にしたニューフェースですが、Pavonia intermedia ということで、後は調べようがありますね。
くれぐれも、植物のタグは正確にして欲しいです。発音は微妙で難しいので、学名を入れていただけると助かる。ヘデラ・ファットシアのことを鳩巣ヘデラと書いてあって驚いたことありましたが。どこかでハトスになったのだろうか。繁茂すると鳩の巣ができそうに巨大化する恐れもあるからか。
いずれにしても植物名の混乱は続きますね。いつも植物表記のことで頭が痛いです。
October 25, 2011
先日もちょっとアップした写真ですが、上部に見えるグラスは、メリニス・サバンナ(Melinis nerviglumis)と、名札のついたグラス。プランツタグに学名を添えてくれると、世界じゅうのプランツエンサイクロペディアで調べられるのに、商品名的な名称とか覚えやすい名前を適当につけられるとその後調べにくくて困ります。言語で学名の入ったプランツタグには生産者の誠意を感じるが、商品名だけだと商魂を感じて苦手。その植物を根本的に信用していいのか、微妙な気持ちになる。
メリニスは、以前、ハワイのヘイアウ(聖地)に、野生で生えていたグラスに、ちょっとばかり似ていますので、そこからいろいろ想像の出来ることがあります。
こちらはもう、既に穂が開いてしまっているけれども、これを見かけた時、欲しいなあとは思ったし、種を戴きたいような気もしたけれども、我慢した。勝手に持ち出してはいけない気がしたので。
それが、似たものを、お店で売っていたので、買った。さて、このメリニスの生態環境。乾燥が好きそうだし、暑いの大好き、湿気は嫌い、寒さには弱そう。でも、種まきでもうまく育つようだ。花穂が美しく愛おしいので、ようく監視しながら育ててみたいと思います。
ベスチャトーさんの庭で、いつ行っても目を惹く、スティパも、日本では、こんな風に「ギガンチア」に育たないグラスのひとつ。なんどか、ボタニカなどには植えたのですが、湿気が嫌いみたいで、乾燥したルーフガーデンでも、ヘナヘナな育ち方。
時々、河川敷や高速道路の路傍などで、見たことのない、おもしろいグラスを見つける。いいなあ。ちょっとこれ、寄せ植えに使ってみたい。と、思うし、なにより、テクスチャーの点で、グラス大好きではあるけれども、どうも日本の生態環境に、これ、いいのか、悪いのか、微妙ではありますね。
レアプランツ大好きですが、庭に取り入れてもいいのか悪いのか。迷うことが多いです。
でも、グラス大好き歴、15年。そろそろ年期が入ってどうしても珍しい品種が欲しくなります。(写真は丸の内のガーデンショウで使ったパニカムヘヴィメタル=我がドライガーデンの屋上で、今も凄い元気ですが、やはりこぼれ種で少し増えています。箱根では、水分多すぎで、ぐにゃぐにゃに育ち、増えない)園芸は、葛藤の連続。
今日は、かなり葛藤しながら秋冬の撮影用寄せ植えを3つほど作った。蚊にたくさん食われながら。うっかり日本トカゲを長靴でふんずけてしまった。私の次の一歩の先に奴がいるとは気づかず。「あ”ーっごめん!」と言いつつ、しっぽだけがバタバタする姿にゾゥっ!とした。バッタはカブちゃんの餌になった。雨が多かったのでダンゴムシが大発生だった。害があるのは知っているが、虫を殺すにも、いろいろ迷いがある。相変わらず、コガネムシの幼虫がコンスタントに登場。秋になってニームオイルを撒き忘れているせいかもしれない。
ポバニアのことはまた次回に。
October 24, 2011
星の王子さまミュージアムの庭づくりでは、園内のコンテナガーデンのほかに、花に関係するディスプレィも担当しています。先日、庭の堀りあげ作業の合間にミュージアム裏手の花屋さんのディスプレィを新しくしました。はあー!とは、いえ、時間切れで完全ではないのですが、花をアレンジするのって、本当に楽しいです。今回は紫色の蝶々も加わって少しミステリアスに。アレンジのコツは寄せ植えと同じで、中心に大きな面のある花、下方に重たく暗い色。同系色で色々な形の植物。と行った感じでアレンジするのですが、次の公開作業日、11月2日までには、こっそりとまた妖精を入れたりして仕上げていきたいと思っています。
もうひとつのショウウインドウ。この写真を撮った時、すでに夕方5時前、薄暗かったので、ぶれてしまいましたが、不思議な臨場感。タッセルのついた素敵なビーズをこのあアレンジの周囲に散りばめた。次回、ミュージアムに行くチャンスのある方はぜひ、このショウウインドウも見て行ってくださいね。
実際の庭はこれから先の季節、花が少なくなります。その分、11月からはクリスマスのイルミネーションや飾りで華やかになります。
先日、実はこんな寄せ植えも作りました。夏の花が終わったコンテナに。実はバラ園に一時的に植えてあった小さなコニファーを3株寄せて、別のコンテナで伸び放題だったアイビーをバラして抜いて合わせたリサイクル。11月はここにクリスマス飾りを追加していくつもり。ちなみにこのアイビーは霜に当たると紅葉する品種ヘデラ”サーク”です。赤いハート型の葉っぱができると押し葉にしたくなります。
ミュージアムのブログにも書いていますが、どんな素材も飾り方で変化します。そこにはちょっとした愛。心が籠ると、それが目立つものでなくとも、控えめな魅力が宿るように思います。星の王子さまミュージアムのスタッフは、そういう意味でも、庭や草花に対し、愛があるのを感じる。仕事に対する愛でもあるかもしれない。ミュージアムのスタッフブログも人柄が出ますが、実は毎日のアクセスが3000前後だそう。凄いな! 私のガーデンブログはだいたい2000アクセス前後ですが、どんなアクセス数でも、毎日を丁寧にブログする気持ちで、過ごしていきたいと思っています。
ところで、夏の終わりに、訪問してくださった方からのプレゼントでいただいた「ヒマ」。ありがとうございました。星の形だと、お客様から大人気でした。花や葉の細かい植物が多いとまとまりに欠ける庭の景色に実に効果的でした。来年も欲しくなってしまいます。いえいえおねだりではなく、来年は自分で種まきしようかと思います。一年草ですので、もう少しで見納めです。写真は先週撮影したもの。気温が低いせいか、仙石原では、あまり大きくはなりませんでした。
October 23, 2011
天気予報で豪雨予報、それなりの予定を立てたら、結局、晴れた日曜日、もっと本気で庭仕事を済ませたらよかった。と、思った方は少なくないのでは?
いつもたくさんのコメントをいただきありがとうございます。
愛あるコメント多く、いつも嬉しい気持ちで一杯になります。おもしろい情報を寄せて下さる方が多いときは、コメントを公開にするべきかとも迷いますが、私の個人ブログではないし、ある程度の親密さとパブリックさ、そして適正に管理を続けることにも限界があって..。現状維持がベストなのか。
ブログは誰でも気軽にダイレクトに「自分の意見」を言えるチャンスがありますが、その分要注意でもあります。放送媒体や印刷媒体と違い、やはり独特で、貴重で、面白いのだけれど....。
そして、寄せられるひとつひとつのコメントにも、きっちりとメッセージが込められているので、こちらも、それをきちんと受け止めています。ただ、そのひとつひとつにお返事するのは難しくて、ごめんなさい。
それどころか、時間がないとき、疲れている時、文章を綴るのは、結構「危険」では?と、思っています。誤字脱字が増え、校閲をするのも基本的に自分ひとりだし。
もちろん、無難なダケでは面白くないし、ギリギリ本音もいいたいのですが。
先日の丸の内ガーデニングショウ。庭のコンテストの審査結果も、受け取り方は人それぞれかと思いますが名無しさんから「おかしい」というコメントを戴きました。
「草花の植栽はもう少し研鑽の必要あり。それでも、石のパワーで圧勝。」と書いたからなのですが、こういうコメントは庭のあり方を、それぞれの人が再考するのに良いチャンスだと思いましたので、ちょっと長い文章を書くことにしました。うまく書けるかどうか微妙ですが。
庭のコンテスト、残念ながら、花植えが完璧ではないことがあります。丸の内では夜中しか作業できないという条件もあってか。暗い中の植物際作業はかなり辛いもの。そして、花だけがコンテストの価値ではないのですが、花は大事。しかし、全体のなかで、花以外の部分がかなり優れていれば、得票も上がります。「花が得意な女性ガーデナー」と「日本の伝統的な植木職人さん」との間にはまだまだ深い溝があると感じます。この溝、いつ埋まるのだろう? 20年後の日本の造園はどのように変わって行くのだろう。いろいろ考えてしまいます。今、新型の造園ガーデナーも増えていますが、未来永劫、いろんなタイプのガーデナーがいるのがいいと思います。
でも、現実問題。13年も審査員をやっていて、ガーデンショウのコンテストに参加する、造園のプロには、バラや色彩豊富な洋風な草花使いを苦手とする方々がまだまだ多いと感じます。でも、そこであえて伝統派に達者な花使いになって欲しいとも、私は思っていません。そして、日本の伝統的な造園は、日本造園として守られて欲しい。ただ、コンテストや庭づくりでクライアントから花が求められているときは、臨機応変に花使いのうまいガーデナーと手を組んだらいいと思うし。多様なものがうまく混ざり合う「コンプロマイズ」という手段があってもいい。なので、花のうまいガーデナーは造園界にもっと名乗りを上げて欲しい。でも、花の巧い人でも、構造デザインや構造施工が苦手な場合があり。そういうときは、それが巧い人と仕事を組んだら良いと思う。視野を広げて。
コンテストの審査では、さまざまな事が議論されます。庭の あらゆる見方が討議されて、審査結果が出る時、グランプリなり金賞に輝く方の作品には、不思議に大きな力が感じられます。
今回は、石のパワーが印象に強く残った。伝統と知恵と技術、力強さ。私自身も、そういうものに不思議に惹かれた。私の立場からすると、花使いに不満が残ったことは、講評でも述べたのですが、丸の内、力強さ、エレガンス。その時の石は、植栽を凌駕する力を持っていた。
たとえば、イサムノグチの石の庭、ガウディのタイルの庭、イタリアで見かける貝殻を使ったグロッタ庭園などなど。草花以外にも庭を形作るさまざまな要素があり、それぞれに興味深いものがあると思います。必ずしも、植物だけが庭のエレメントだと、決めつけられない。
まあ、うまく言えないのですが、ときに植栽だけではない、庭の表現も魅力にも出会っていきたい。
でも、繰り返しますが、やはり草花の魅力を活かした庭が好き。それらを総合して、庭をいかに作るか。
数年前、私が丸の内で庭を作ったときは、植物主体の庭を作りました。構造物を額縁に見立てて。中身の絵は植物で「THE ART OF PLANTING 」を目指した。
でも、作り手によって、いろいろな庭が、毎年形を変えて登場するのが面白いのだと思う。私としては、植栽、草花、構造も双方見事な庭が見たいけれども、丸の内は安全対策も厳しいので突風で飛びそうなデザインはNG だし。いずれにしても試行錯誤、トライ&エラー。いろいろ試して刺激
まあ、何であれ、視野は広く持ちたい。刺激のきっかけはたくさんある。個人的には最近京都の庭に惹かれますが、伝統的なだけではない、新しい視点での庭づくり。西洋の真似だけでも、伝統だけでもつまらないし。独自の世界をね。目指したいものですが。
October 21, 2011
今年で8回目を迎えた丸の内仲通りガーデニングショウ。今年は「元気 FOR JAPAN〜つなげよう花笑み〜をテーマに15のコンテストガーデンが登場。栄えある金賞(賞金100万円)に輝いた近江造園さん(滋賀県)の庭は、地震が来ても崩れなかったという伝統の石積みの庭が見事でした。丸の内ならではの皇居も連想させる石積みで迫力勝ち。ただ、草花の植栽はもう少し研鑽の必要あり。それでも、石のパワーで圧勝。
表彰式では、全体講評をさせていただきました。その時に今回のテーマ「元気のでる庭」、「花の笑む庭」というところで、花使いがもう一つと感じる庭もあったので、「花には色がある、自ずと色には意味がある。明るい色、白や黄色、淡いピンク、暖色の花は飛び出して見え、暗い色の花、チョコレートコスモスの色や青や紫色の花は引っ込んで見える縮小色。そうした絵画的色彩効果を必ず意識して色の持つ似合いのポジションに花色を効果的に使うと良い」などの話をさせていただきました。女性の色彩感覚はそうした論理を知らないまでも生理的に絵画的色彩表現ができる場合が多いのですが、男性の場合は、色彩の持つ絵画的効果を考えながら花を構成すると良いでしょう。色は苦手とおっしゃる男性ガーデナーはもっと印象派の絵画などを研究しては?パントンカラーなどのチップで色の組み合わせを模写したりなど、勉強法はいろいろあります。原色を一カ所で何色も使う場合はグラデーション的に色を繋げるとか、補色を考えるとか。とにかく、無意味に赤やピンク、白や黄色のバラを同じ個所で配置しないこと。色の効果で庭が台無しになることもあります。
私が一番好きだったディテールはここ。不思議に心癒す那智黒石でトンボ。庭に草花は欠かせないけれども、こうしたガーデンフィーチャーの数々も大切ですね。
銀賞はタカスデザインスタジオさんのメビウス風ガーデン、裏から見ても草花の展開。永遠に花の輪を広げたいとの意図がよく伝わってきます。
同じく銅賞のコンセプトグリーンさんの庭は「森羅万象を切り取る庭」倒木更新の風景を繋げることで繋がる想いを表現。額縁のデザインやレイズドに使った素材を、この仲通りにあるコムデギャルソンなどの最新の洗練されたブティックに匹敵するモダンデザインにしたらもっと良かったし、花を少し大きめだったり存在感のある品種を効果的に使ってほしかったけれど、完成度も見事でした。
選外だったけれども、素敵だった植栽。しかし、ちょっと詰め込み過ぎでしたね。ここから30%を引き算したらもっと素敵だったでしょうけれども、黄色いカカリアが目を惹いた。
いつも楽しみなのがハンギングバスケット。日当たりが悪く花の維持が難しいビル街で球根ベゴニアが活躍。この丸の内のガーデニングコンテストに参加する方々はこの仲通りのブティックを一軒一軒、訪ねて歩き、それぞれのお店の商品やインテリアデザインを勉強して欲しい。そのために自分一番のおしゃれをして、記念の買い物をしてみては? 買い物をしないまでも、どこで入って感じの良いカフェ、コムデギャルソンのローズベーカリーや新しくできた一保堂やペニンシュラホテルでお茶をするなど。そうした体験の積み重ねも重要です。それが丸の内ならではの世界なのですから。
今ひとつ日当たりのよくない場所でのハンギングとしても参考になります。点、線のメリハリがあり、花葉同系色でまとめる。これが王道ですね。ただし、華やかでいてくれるのは2〜3週間が限界でしょうか。ゴージャスな寄せ植えは、おのずとロングライフが難しいものです。
さて、メインガーデンの保立さんの庭の写真も、本日の私のおしゃれも、写真撮りそびれだった。と、いうわけで、必死にガーデニングショウの審査員だった一日ですが、審査とレセプションの間に2時間の猶予。 ロートレック展を見てきました。その色彩の素晴しさ。コンポジション。また、点数は少なかったけれども油彩もよかった。
三菱一号館美術館の建築も内装も素晴しく、展示方法も美しかった。来年はなんと!ルドン展。作品「グランブーケ」ルドンの幻想的な花束の作品は必見です。
丸の内ブリックスクェアは東京らしい素敵な場所ですが、いつも凄い行列のエシレに誰もお客さんがいなかったので、エクレアをお土産に買いました。パリのエクレアとほぼ同じ!ダイエット中でしたが、一日中歩いていたので、今日はお許しを。
このブログを見て、丸の内を訪ねて下さった方々のコメント、嬉しく拝読。ありがとうございました!また意見をお寄せ下さい。実は昨日は天気が悪くあまり良い写真が取れなかった。写真が説明不足でご免なさい。
日比谷のガーデニングショウは今日開幕ですね。日比谷丸の内は今花盛りで蝶やミツバチが飛び交っていますが、銀座は、夜の蝶なのかな? 銀座丸の内はおしゃれな人も多く、マンウォッチングも楽しいです。
丸の内ガーデニングショウは、今月30日(日)まで。