November 2013
November 29, 2013
(オランダの畑。きれいでしたが、随分株間を詰めるんだなあと驚きました)
球根を植える時、広い地面に植えるときは、いくらでも株間を開けて植えられますけれども、植木鉢に植えるときは、どうしても狭いところに、いっぱい植えたくなります。
植木鉢に植える球根は、地面のように植えっぱなしにはしないので、その場所では、ワンシーズンのご滞在です。永住ではないので、 あるていど株真が狭くても、その年の花は咲かせられる。
(花の咲く前、チューリップは、葉の形も美しいからそれも観賞点)
もしも、咲かない原因。は、球根自体に問題があったか、生長過程で水切れなどのアクシデント。株間が狭いとそのアクシデントも起きやすいので、やはり株間は開けたほうが良いのは事実。
ダブルデッカーという方法は、植える層を2層にして一階、チュリップ、2階クロッカス。みたいにする方法。も、みなさまご存じだと思います。
で、私も球根を植えるようになって20年以上になりますが、いろいろやってみて思うのですが、株間をどう開けたら、ちゃんと花が咲くかどうか。ではなくて、大切なのは、咲いた時に、その株間によって「綺麗なブーケ」みたいにいい感じに咲くかどうかの「想像/創造力」です。
だからチューリップの咲いた写真等を参考に、花の芯を中心と考え、この芯に対し、どれくらい離れているかを計る。
想像と実際の計測が確実な結論。すると株間は、球根の外周どうしが何センチ離れるべきかではなく、球根の芽と芽の間隔。なので、これを株間ではなく、芽間と呼んでみた。
(星の王子さまミュージアムにて、ひと株に数輪でてくるタイプは株間に注意)
花径の大きな花や、クロッカスのように一度に3輪くらい咲くタイプなら、芽間?株間?はその分開いた方が咲いたときにきれい。
球根を植えるとき、どうしても、「根張り」を考えてしまう。それも大切なことなのですが、春が来て、花が咲いたとき、花同士が窮屈に咲くのを避けたり、あまり開きすぎないように考えたり。そこがもっとも大切だなあと、思うのです。
クロッカスやムスカリのような「植えっぱ毎年咲き」の球根は、とりあえず教科書通り。
球根の2倍ほど開けて植えたほうが手間要らずに 2年目3年目も、その開花が楽しめる。
年末、いつも思うんですが、一年の早いこと! 2〜3年の経過さえも矢のごとし。
未来のことはわからないけれども、未来を想像して球根や宿根草を植える。秋は、まさに未来に思いを馳せる季節ですね。春よりも今が、一層。 ああしかし!今年もあとわずかです。(焦)
November 26, 2013
(スキミア’マジックマルロー’)
冬の苗物で、一番重宝な品種といえば、もう、私は迷いなくスキミア! 仕事の場面で、冬に間違いのないコンテナを作るなら、絶対にコレです。お安くはないので、予算のしばりさえクリアできれば。
昨日は、私のデザインするショップにも、冬の寄せ植えをセッティング。これはあちらのブログにも書きましたが、渋谷でビルの谷間だと、南向きだろうが北向きだろうが、方位に関係なく日当たりの悪いことに替わり無し。
なので、パンジーとかストックとか、シクラメン、いずれも見事な開花は期待できないのです。
このあと、ビルの谷間を風が吹き抜けて寒くもなるでしょうし。
となると、店の飾りは、スキミア以外考えられません。なので、夏はベゴニアか、インパチェンス系、冬はスキミアという結論なのです。
今から20年近く前、イギリスに住んでいたころ、真冬のロンドンには、あまり見るべき植物がなく、ほとんどはツゲかアイビーなどの常緑植物で、色彩に乏しい状態が続きました。
冬のウインドウコンテナを飾る植物は常緑の緑のみ。場所によっては、シクラメンもありましたが、よく見かけるようになったのは最近の温暖化以降のこと。少し春が近づけばスイセンやパンジーなどの色彩が加わるものの、冬はほとんど色彩がなかった。それというのも、今はちょっと違うかもしれませんが、1週間でも2週間で太陽が出ることはなく、夜明けも遅く日暮れも早いために、まあ一日中まっくら。ほとんど光合成ができない植物は、色彩を帯びる余地が与えられず、日本では冬もたくさんの花をつけるパンジーは、むしろイギリスでは春から夏の植物だったことを思い出す。パンジーは耐寒性があるので、「ウインターパンジー」なる言葉は存在したものの、地面にうずくまるように首のすくんだパンジーが黒っぽい葉群だけを見せて生きていたことを思い出します。だから、東京に帰ってから、パンジーが冬の間よく開花するのに驚いたものです。
(ロンドンでの寄せ植え、スキミア’ルブラ’らしき株に手前の赤いのがスキミア’テンプテーション’、そしてカルーナ。
それほど色彩のない冬のコンテナに、唯一赤みを帯びたツボミをびっしりとつけて窓辺を色どるスキミアが 実にチャーミングでした。
この植物の良いところは
日陰で元気。(冬は日なたも大丈夫だが、夏は絶対に日当たりでは夏越しできない)
生長が遅いので、同じ様な姿でまとまる。分岐の枝の行儀がよくて剪定しなくてもこんもり。
冬の間は、寒さ乾燥に強い。箱根ではマイナス5度を下回ることがあったが、元気でした。まるで造花のごとし。 でも、北海道では難しいと聞く。イギリスやオランダの冬はこれ!
また最近は改良された品種がたくさんでてきて、基本的にシックな色彩ではありますが、私はこの地味さが好きなので、やはり愛する。彫刻的な美は何にも勝る。
これは、グローリアスという品種で株が大きく背も高いので、存在感があり、彫刻的。
最初に登場したマジックマルローと比べると違いがよくわかりますよね。
うまくすると、地植えで大きく育ち、冬の間かわいいツボミが目を楽しませる。
スキミアは、Skimmia japonica 。日本の植木屋さんの圃場の滅法暗い日陰の片隅でミヤマシキミという名前で植わっているのを見つけることがあるのですが、これがまたえらく地味に扱われて。
私は何度かそれを選んでデザインの現場に植えてみるのですが、オランダ産の園芸種のような美しい花はなかなか見かけないのですが、その後、どうなっちゃったか。だから、やっぱりオランダ産の園芸種のほうが決定的に美的かもしれない。
こんな株になったら素敵。
来年2014年の園芸ガイドで、スキミア特集の寄せ植えをするため、大量の寄せ植えの制作が始まりました。また、12月の箱根星の王子さまミュージアム、今年最後のガーデニングワーク(12月16日)でもたくさん植えるスキミア。オランダからの空輸株たちの開梱にひとりでまる一日かかって、今、吉谷は自宅に到着した大量のスキミアっ子たちをどんな寄せ植えにするか、毎日眺めてニヤニヤしているところです。
また、栽培のコツや、寄せ植えのコツなども、書いていきたいと思います。
冬は、スキミアの専門家になりたいと思う吉谷であります。いかなる園芸家も、一種か2種でいいから、その栽培には、滅法詳しい栽培家でいたいものです。私は夏はサンパラソルがナンバーワンで、冬はスキミアになりたいと思うし、みなさまも、自分の絶対得意分野の植物があるといいですよね。あなたはどんな植物が絶対品種ですか?
November 25, 2013
フェリーの講座はもうないのでしょうか。と、時々質問をいただいています。ありがとうございます。
こちらは、Shade のお店に先日飾った冬の森のフェアリー。Shade ブログには書いているのですが、フェアリーはやっぱりずっと愛すべき対象。今は、洋服をデザインしたり、そのためのテキスタイルの絵を描いている時間が圧倒的に多くなった私のライフスタイルで、もちろん仕事という点では、寄せ植えもガーデンデザインも日々続けているのですが、やっぱり、何が心癒されるって、私は手芸がいちばん!
雨の日も猛暑の日々もマイナス2度の朝でも、夜でも、室内で楽しめるので、一番好きだと思っております。ホント,正直な話ですが、零下とか、雨の中とか、35度とかの気温だと、ガーデニングは辛いですよね。それでも、やるのが庭の仕事なので、そうじゃないところに、どうしても、喜びを求めてしまいますね。
さて、今後、池袋コミュニティカレッジの「手仕事の...」のほうで、できる可能性があるかもしれないので、ご希望の方がある程度いらっしゃるようでしたら、その手答え次第で 再開催もありかもしれないと思っております。やっぱり、フェアリーを作るのは幸せなんですよね。なんだか、幸せになる。
ただ準備にかかる時間が半端じゃないので、時間の猶予をみながら進めたいと思っております。
なので、来年の秋あたり、可能性があるかもしれません。 ぜひ、また、その際は、こちらのブログにも掲載させて頂きますので、時々チェックしてみてくださいませね。
私も全然理由がわからないのですが、突然、こちらのアドレスが変わったようで、いまだに、アクセスを頂いているのが、以前の1/3です。閉鎖か炎上か!と、周囲の方々からもご心配頂いておりますが、よくわかりません。なにも変わっていないので、ご心配、恐縮です。
自分ではなにもできないので、仕方なく。ですが、こちらのサイトを見つけて戻って来てくださったみなさまにありがとうございます。 カブ助も変わりなく元気です。
November 20, 2013
さて、昨日は、たまがわガーデニングクラブの実習講座でした。
ご参加下さったみなさまありがとうございました。
世界じゅうからあらゆる球根が手に入る時代です。本当にいろいろ。
写真の紫色の花は、トリテレイアです。野放し球根の代名詞。(昔はブローディアと呼んだ)私はこの花が自宅の庭で、ハナニラのように野放しで咲くのをとても気に入っているのですが、あまり知られていないように思い、今回はこうした球根を使って最後の講座としようと思いました。
私にとって、最後になる寄せ植え実習講座。やっとひとつ、肩の荷がおりましたが、講座に参加された方々のお庭でどんな風に育っていくでしょうか?
まだ、それはそれで心配ですが。
なかなか、29名様全員に、10種類の球根の植えるコツをお話したとして、伝わりにくいというのはわかっていたのですが、うっかり聞きそびれてるって、多々ありですよね。
オランダelhoのバケツは、青山のtool boxさんから。培養土は、株式会社タクトさんから「ストレスフリーの土」(特に球根栽培には威力発揮)
球根をくっつけないように、1センチは間を空ける。とか。
5センチの覆土ができるだけのスペースを残しておくとか。一度所定の位置にセットしたら、1球1種だけ反対側に植えてみるとか(咲いた時に自然に見える)。アネモネだけは覆土1センチ、他の9種の球根の覆土の後、後から植えるとお話しても、うっかり聞きそびれるって、あるんですよね。しかも、私がばあーっ!と話してしまうと伝わりにくかったり。だからこそ、全員に伝わるようにお話するのは、難しいと、いつもいつも感じます。だからこれが最後で本当にホッ。
ああ〜大丈夫でしたでしょうか?乾燥に強い球根としっても生育期は水が要る。水やりは表面が乾いたらたっぷりと。パンジーは水やりのためのシグナルで植わってます。
先週、こちらの講座に使う為のパンジー苗。北海道、コテージガーデンの梅木さんから、見事な苗が届きました。マリポサ’ピーチシェード’です。市場で買う苗は素性が不明なので、梅木さんの苗なら安心。
それをずっと私の庭で活力剤のVRNA とヴィコント056の500倍溶液に浸けてエナジーアップさせておきました。左に見えているのは、以前、私がイギリスで買ってきたアンドリュークレースのプランツタグをおまけにしました。ここに植えた日付を入れてほしくて。
さて、大事なことを話そびれていたかもです。
今回使った球根は、ほぼ、次の年もその先も咲くタイプ。
来春のすべての、開花が終わったら。
パンジーは地上部をカット。球根は、葉が黄色く枯れてなくなるまでは、土の表面が乾いたら水やりを。
完全に葉の栄養が球根に戻ったら、
空間に余裕のある庭/そのまま風通しの良い場所で自然放置。雨が当たっても可。しかし、乾燥には強いが根腐れしない場所で。
ベランダガーデン等/一度広い場所に広げて球根を回収。風通しの良い陽の当たらない場所で網に入れて秋まで保管。秋に植え直す。
地植えのスペースがある場合/一度広い場所に広げて球根を回収。水はけの良い場所に植え直し(アネモネは秋まで待つ)。その際、植え穴に、今回使用した培養土を球根の下10センチ程度の層で敷く。
生き物の管理、やはり、難しいところがありますよね。
(この写真の寄植えは、ある年の秋に、群馬県甘楽町で講座をしたときの教材でした。私も講師として作って我が家で管理しておいたものが、春にきれいに咲いた。こういう結果がでると嬉しいです)
さて、最後の寄せ植え講座とお話しましたが、お話だけの講座は、今後もあちこちで開催する予定です。以前にも書きましたが、私の方で材料を購入し複数の人数分を均等に用意して実習をするのは、手間(探す他に支払いや銀行振込等も含めて)負担が厳しくて、今まさに、元気で生きている時間に限りがあると感じ初めている私には、自分の目で集めて揃える実習材料収集オーガナイズは、今後避けたい時間の使い方のひとつでありました。
今後は、庭と洋服のデザイン、講演会、エッセイの執筆に、出来るかぎりの力を込めて行きたいと思っています。(ちなみに、池袋のコミュニティカレッジの「手仕事の楽しみ」Shade YOSHIYA KEIKO プリゼンツ・ストールのウール刺繍は、3月29日に決定しています)
今後とも、よろしくお願い申し上げます!