March 2014
March 03, 2014
昨日のブログでは、久々に、たくさんのコメントを頂きました。ありがとうございました。
また、今回ご紹介したコメントに対する共感同感応援、さまざまな嬉しい反響を頂きました。感謝です。親身で具体的なコメントを頂いたので、ご紹介させて頂きます。現状としては、すべてのハウスメーカーさんがそういうわけではないことを先に付記しつつ、ご参考までに。
こんにちは、ガーデンデザイナーの方のご意見拝見し、すごくもっともだと感じたとともに、そこまで一生懸命なさっているのならハウスメーカーの庭のデザインはやめて、もっと純粋にガーデンをデザイン、施工している会社orグループに入られた方が良いのではという感想を持ちました。(その方に直接お伝えできないのがもどかしいのですが)ハウスメーカーに付随するガーデンはどうしても予算の枠が大元にあり家につぎこんだ残りの費用で…というのが素人でもわかります。
私もそうでしたが本当に庭作りをしたい場合は、自分でDIYするか、ぜひこの人に!というデザイナーに依頼すると思います。 なのでハウスメーカー付随のガーデンデザインはある意味、そこまで庭作りに興味を持っていない方々のためのもののような気がします。
投稿された方が数々のモチベーションの下がる経験をされているのは、いらっしゃる環境が合わないからではないでしょうか。
数年前 ハウスメーカーで建てた際に、庭は専門のデザイナーに頼むと担当者に話したら「庭にそこまで力(費用)を注ぐ人はめずらしいです」というような趣旨の話をされました。
まず庭の予算を取ってから(といっても少ない額ですが)家のプランを考えました。庭を先に考えると広めの土地が必要で→結果的に土地の安い不便な地域・・・と一般人なのでどうしてもそういう方向になっていきますが、本気で庭を考えるとこうなってしまいます。
職場を変えるのはとても大変なことですが その方にはもっと能力を発揮できる場所があるように思えてなりません。どうか夢をあきらめないで!素人が失礼いたしました。
ありがとうございました。素人だなんて 、冷静で、相当なプロフェッショナルな意見だと思われました。本当にそうです!このように「心ある」ガーデンデザイナーはもっと、活き活きと仕事をしてもらわなくてはなりません。なので、今後は、人脈人徳を膨らませて「類は友を呼ぶ会社」なり、もしや、自分で会社を作るなり、徐々に地を固める準備に入って行かれるのではないかと思われました。ほかにもたくさんの応援のコメントを頂きましたが、
この女性に家の外構をお願いしたかったです...。
というコメントも...。なんだか、そのお気持ちもわかるなあ。逆に、クライアントのほうで、よりよい庭づくりに興味のないハウスメーカーさんに当たってしまう場合もあるわけですよね。歯がゆいです。庭づくりにも積極的なメーカーさんかどうかは、住宅展示場などでわかるのでしょうか?なかなか、思い通りにいかない家作りではあります。(あ!そうだ、今年は、春日井の住宅展示場でイベントあります!)
私は、経済面の支障もいろいろあったものの、家を建てて庭を作るには、かなりの時間がかかったので、手も足も出ない時間が長かっただけに、50歳を目前で家を建てられたのは、機が熟して良かったのだと思います。若すぎると知識不足になりがち、年をとると体力が不足がち、できるまでの間は苦しかったですが....。
次回は(いつかは)、真剣にガーデンデザインを考えているハウスメーカーさんがこんなにあるよというような、ご意見を頂けたら嬉しいです。 実際に、私がおつきあいしたハウスメーカーさんは積極的に庭づくりを考えている会社でしたから。....結局、世の中は、白とか黒がはっきりしない面もあるし、幅広い選択肢の中から、さまざまな選択肢を選ぶそれから、ガーデンデザイナーとして、ガーデンデザインを請け負っているプロもたくさんおられると思うので、なにか、良いアドバイスがあったら、ご意見をいただけるとみんなのためになると思います。これから、よりよきガーデンデザイナーになろうとする次世代の方々に、生の意見を聞いてもらえるチャンス。にもなろうかと思います。よろしくお願いします!
写真解説:一番上が、ロンドン、ハムステッドにて。2、3番目はハンプトンコートショウのデザイナーズガーデン。4番目は、バラとガーデニングショウのコンテストガーデン、5番目は、私の参考書たち。いずれも昨年撮影)
March 02, 2014
前回のブログには、久々に、本音を...ちょっと書きました。(ちょっとですよ〜)いつも、国際バラとガーデニングショウのコンテストに接すると、非常にさまざまな想いがこみ上げてくるからです。
でも、エントリーすることは、とっても立派なことで、だからこそ、もっと頑張れ〜。センスを磨け〜と言いたくなるんです。
でも、勘違いされた方もおられたようでした。ちょっとでもネガティブなことって、書くの難しいですよねぇ。必要以上にエネルギーが要ります。なので、疲れていたらこんなこと書けない。「桂子さんらしくない」ですって。いや、これが私らしいのであって、無名で投稿して来た方の好みではなかったかもしれないけれど。
(去年の2月のベスチャトーガーデン。フォルムのコンポジションの庭.This is the art of planting!!!)
でも、自分が、そういわれている気になったとしたら、ごめんなさいね。以前は、人からどう思われるか(勘違いされるか)、怖くて言えなかったことなども、今年からは、少しだけ辛口発言しようかなと、思っております。難しいことではありますが、現状を良くしていくのに、どういう方法が良いのかは、やっぱり、試してみないとわかりません。
でも、先日のブログ、すごく残念だったのは、過去の優秀な作品の写真とコメント、バラショウの写真をいろいろ入れて3時間もかけて書いたのに、パソコン画面で失敗し、構築される前の未完成の画面が最終的にアップされてしまいました。(なんとそれに気づかず24時間経過)なので、そういう失敗もあるんですね。未だに機械音痴みたな私がよくぞブログを続けていると。
でも、よっぽど、あのバラショウの施工準備期間の2日間に、見学者から植物名を聞かれたりするのが、いやだったのねえ吉谷。と、言う程度。だって、頭のなかは120%の調子で「あれをこここに植えて、これはあっち、それからそれから」と、考えてるときに、「すみませ〜ん。これ、なんていう名前ですかぁ?」とか、聞かれるのはだれでもイヤですよねぇ?「こっち、こっち」とか、手招きされるのも?でも、イヤな顔せずにいかなくちゃならない立場でもある。
さて、ガーデンショウのことは、いよいよ来週から本格化しますので、また別途書いて行きたいと思っておりますが....、次は、つくづく思うことです。
現実世界で、造園の仕事で女性がうまくやっていくのは、本当に難しいことだと思います。でも、みんな私のしるかぎりのみんな、よく頑張っていて偉いと思う。あの人もこの人も!.....日本の庭に関する仕事場の現状は厳しい。ですよね?クライアントに恵まれている人がいるとすれば、やっぱり人徳だねー。
実は、昨日のブログ記事に対し、深く心に響く素晴しいコメントをいただいたので、ご紹介させていただきたいと思います。(私のことを誉めてくださる下りなどは省いたので、お許しを)また、心癒される話でもない現実的な話なので、癒しを求める方は、飛ばしてください。
20年前からずっと憧れていたガーデンデザイナー。 やらずに後悔したくない。やれるとこまでやってみよう!と決心し、学校へ通い、現在ハウスメーカーの外構&庭のデザインをさせて頂いています。
庭に対する考え方や在り方は吉谷さんに全く同感です。 それこそが、私がガーデンデザイナーに憧れた由縁です。
しかし、この業界へ足を踏み入れてわかった事。一般の方々の庭に対する考え方に、苛立ちを感じる事に、年中直面させられます。 営業マンにせよ、施主様にせよ、建物と庭は全く別ものだと思っている人の多さにも驚きます。庭は手入れが面倒だから植栽はいらないというお客様。予算がないから建物周りは格安で…と、金額の事ばかりを気にする営業マン。 面倒な施工や植栽はやりたくないと思っている造園関係者も少なくありません。 枯れ保障などの誓約があるので枯れる確立の高い花物はほとんど提案しないのが現実です。
何度悔しい思いをした事か… 同じデザイナーでさえ、植物の事をほとんど知らない・興味がない人が結構いるのです。 庭への強い思いや好きという気持ちのないデザイナー。なぜこの仕事をしているのか疑問…。 いかに短時間で、1軒の、いわゆる外構計画を終えるか…に神経を注いでいるデザイナーもいるのです。
下手するとモチベーションも下がり、自分も周りの波に呑まれてしまい兼ねない環境ですが、目標を見失わないで思いを持ち続けられるのは、吉谷さんから発信される言葉です。 いつも正しい方向へと導いてくれる灯台のように、毎回ブログを楽しみに拝見させて頂いています。 これからも、灯台のように吉谷イズム、発信し続けて下さい!
ありがとうございます。でも、貴方は正しいと思います。そういう憤りを抱えつつ、理想を追究するのが人生の本懐だからね。まったく同じ様な状況に、私も長い間、悩まされてきました。(自分の口から言えないので、頂いたコメントに力を借りたようなところもあります)それから、そういって下さるのが嬉しい反面、うかつなことはいえないとは、実感しているのでありますが、私の仕事仲間たちのぼやきも、本当に痛切で、貴方様と同じです。このことは、実情といえるのではないでしょうか?
クライアントから「伸びない木を植えてください」「余計な植物を植えないで」「枯れ葉が落ちない。庭が暗くならない木を」「なにも植えないで!」と言われる話。窓の外に新緑が見える幸せとか、春に花が咲く落葉樹の嬉しさとか、そういう心の感動ではなくて、掃除が面倒。手間がいやだという気持ち。わからないでもないけれども、手間がかかっても、この眺めの美しさ、喜ばしさはどうなるのか!と言いたくなることがあります。でも、やっぱり、それをわかってもらうのは、なかなか大変なようです。
その人の心のなかにないものは、理解されない。というのが基本ですから。落ち葉掃除の大変な樹木ではあるけれども、巡る季節の美しさゆえにどうにか、折り合って行こう。というのが基本だと思いますが、面倒だから切ってしまった、話もよく耳にします。辛いですねぇ。でも、なにかしら、自分の価値観、美意識は努力次第で上げて行けるもの。人徳も、人脈もすべて関係があって。
それから、アート全般に言えることですが、感覚的に共感のないものに、お金なんて出せないとみんな思っている。でも、諦める前に、とにかく美しい何かを発信していく努力というのは、様々なアプローチ方法があるのではないかと思います。諦めないで!
また、日本の場合、植物が大好きな人は結構多いけれど、それを、今度は、「絵になるように配置しよう」となると、まだまだ難しいのだと思います。イギリスと比べて、夏の夏さなど、比較にならないし。同時に、イギリスの方々の意識の高さも比較にならない。うううっ。
と、この問題は、今後も、抱えつつ、時々思い出した様に話題にして行きたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
March 01, 2014
3月1日、新月?今日。寒さがぶり返してきましたが、種まきしたい。でも、今、決算でとても無理。税理士さんに怒られる。(く苦しい!)。なにはともあれ、スノードロップがきれいに咲く時期ですね!
さて、昨日書きました。ノリ・ポープの名言。
それで、思い出したのが一昨年、造園組合連合会の新年号に寄稿させて頂いた「女性の目から見た、これからの求められる庭とは」という記事のことです。
ちょっと長いかもしれないけれども、ここに引用させていただきます。今、日本の造園も「ガーデニング」という言葉が定着して以来、否応なく変化の時代を迎えていると思うからです。
また、私にとって、造園組合は男性中心という印象がありましたが、造園組合からも、あえて「女性の目で」というリクエストを頂きました。うれしい視点のお題を頂いたと思います。
一度は寄稿させて頂いた本文を、少しリライトしてご紹介させていただきたいと思います。
「女性の目から見たこれからの、求められる庭とは」
これからの庭に求められること、今、一番に求められているのは、今後益々の、女性ガーデナーの参入ではないしょうか?
花選びの色彩感覚や女性好みの庭など、これからの時代は女性的なやさしい色彩感覚と男性的な安定感のある構造感覚がほどよく混ざった庭が求められているように思います。
何故なら、注文主に花を愛する女性が増えているからです。
二番目は、「各自の造園スタイルの味方になる植物を、少しでも多く識っていること」それこそが、造園家独自の新たな武器になるはずです。従来の伝統的な樹種に加え、今は90年代のガーデニングブーム以降、さまざまな新樹種、灌木、草花が流通しています。
そうした植物の生態環境適合性や見頃の長さ有益さを、園芸家以上に、造園家が熟知しているか否か。これは大事な問題です。
また、植物には本来、和風も洋風もありません。イングリッシュガーデンで活躍するモミジ “枝垂れ猩々”などが良い例で、和の植物と思われがちな日本の園芸種や自生種も英国の庭で活躍しています。
先入観をなくせば、植物は組み合わせ次第で見栄えが変わるし、バラやクレマチス等、女性に人気の園芸品種に詳しければ、顧客層も増えるのではないでしょうか。
三番目は、今まで以上に、センスやテイストの問われる時代が来ているということです。
イングリッシュ・ガーデンの名著「カラー・バイ・デザイン」の著者、ノリ・ポープは園芸とは、美学としての暮らしに基づくべきものである」と語っています。栽培知識を磨くと同時に、美意識を磨くことが大切です。
そして、もはや、和か洋かといった単純なカテゴリーに収まらず、例えば音楽のジャンルに、クラシックからコンテンポラリィ、エスニックからJポップにいたる豊富なカテゴリーがあるように、庭も多種多様な文化やスタイルが求められていると思えます。
個々のライフスタイルに合わせ、庭もさまざまに変化して然るべし。造園や植物の専門知識だけでなく、世界じゅうの新旧さまざまの音楽や絵画やアートシーン、舞踏や歌劇などの舞台芸術、また日本だけでなく世界の文学、年毎のパリコレクションなど、ファッションやインテリア、食や旅に関するさまざまな動向にアンテナを張り、それを自分の素養として身につけ、幅広い視野でのクリエイティブな庭づくりが求められていると思うのです。(END)
......この考えは、ずっと変わりませんが、実は昨日は、「第16回国際バラとガーデニングショウのコンテストガーデン審査会」がありました。コンテストの審査員も16年続けさせていただいています。
(去年のグランプリ、有福さんの作品、植栽のバランスが素晴しい、やっぱり、植物が大好きで、その美しさをわかっていると感じさせられる作品です)
毎年、たくさんの応募作品を拝見していますが、新しいアイデアの斬新な作品が数点、デザイン力や企画力のある素晴しい作品が揃っていましたが、残念に思えるエントリー作品も数多くありました。この16年、変わらない雰囲気というか。厳しいことをいうようですが、デザインがされていない。好きな植物を並べるだけではだめだし、エクステリア構造物が積んであるだけで、そこにちょこっとガーベラの花が並んでいるだけでもだめです。
(ピープルズチョイスで一番だった溝口さんの作品。とても、素敵だ!いい線いっているので、今後は植栽の調和。構造物の整理ができたら、ばっちり。今一番期待の星)
ガーデンデザインの勉強をして、もっとセンスを磨いて欲しい!憤ってしまう作品もありました。コンテストに出品するからには、デザイン力が要求されます。が、そもそもデザインとは何かをもっと考えて欲しいと思ったものです。しかし、素晴しい応募もありました。今年のグランプリ(賞金300万円)は、このひとかも?と、期待のかかる作品です。それを拝見すると、嬉しさがこみ上げてきました。楽しみです。開幕が楽しみな「第16回国際バラとガーデニングショウのコンテストガーデン」であります。
(シャビーシックで、独特の世界観のある作品)
追伸:当日の施行中の相談は許してね。また、この季節がすぐに巡って来ますね。