吉谷桂子のガーデニングブログ

June 2014

June 07, 2014

6月上旬に咲く魅力的な花

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猛暑、とか、梅雨、豪雨、と、なかなか自然界、厳しいことになっていますが、まだまだ魅力的な花がたくさん咲いています。今回の浜名湖花博からご紹介。4月とは明らかに違う花。バラもまだまだたくさん咲いて。珍しいユリもたくさん。これは、ハイブリッドのリリィ・タンゴ、または、Yellow-burgundy Tangoでしょうか。あるいは、ブラックスパイダーか。まったく、植物名って、複雑ですね。調べてみるといろいろな名前が出て来ます。

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浜名湖ガーデンパークの「花の美術館」フェンスなどの構造物の色がビビッドなので、バラもビビッドなのが似合いますね。この構造物の色彩がもう少しメロウな色だったらどんなかな。と、想像してみました。

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まあ!なんて、やさしい色のアザミ。大好きな色です。プランツタグが見当たらなかったので正真正銘の名前がわからないのですが、Cirsium japonicum 'Rose Beauty'によく似ている。海外の種苗会社からタネを取り寄せて蒔いて育てる手もありでしょうか?

これとは、まったく違いますが、来年は、フラワーパークで カカリアを植えたいと思いました。
カカリアのように花が小さい品種は、繰り返し咲き性に優れているし、タッセルの形が魅力的です。

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モネの庭。フランスを思い出します。って、行ったことのあるひとは、みんなそう思うでしょうね。見事に昔からの庭のようです。ただ、この日は風が強くて池に波。空気の色が日本の梅雨空で残念。空の反射が綺麗だったら、モネの絵のようになるでしょうね。数日前、かなり暑かったせいか、睡蓮の花もちょうど咲いています。

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ツルバラが構造を覆い大きく育っています。時間をかけて作った庭はいいものですね。
こうして見ると、細かい植物が多い箇所で写真を撮っていますが、細かい植物ばかりだとコンポジションがはっきりしなくなるので、庭のストラクチャー・プランツ(構造のしっかりした植物、形のはっきりした植物)が、もっといろいろあると良いとは、自分が庭をデザインする時に、しばしば思うことです。

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リモニューム(スターチス)にフウロソウが混ざっておもしろい。
フウロソウ、草姿が乱れる場合があり、このシャンとしたリモニュームの茎に絡んでるのがグッド・アイデア。あるいは偶然?

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黄花というかクリーム色のトリフォニューム。樹形の乱れが気になりますが、とても目立っていました。
気になる植物を写真に撮っておくと、自分のなかのリファレンスが増えるので、出会ったらシャッタチャンス。でも、名前もメモっておかないと忘れる時あり。

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銅葉が見事なアルストロメリア’インディアンサマー’でしょうか。こんな大きな株になってすごいです。
下草に植わっている斑入りイワミツバ(エゴポディウム・ポダグラリア  ’バリエガータ’)、最高のグラウンドカバーになる。

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さて、こちらは、フラワーパークの花菖蒲園。アイリスは、茎の形と花のバランスが本当にステキ。5000株が咲く世界、花菖蒲の色彩は何百と品種が集まっても、色彩が調和するのがいいですね。モネの絵の色彩と似ている。

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ほかの地域はひどい雨だったというのに、暑くよく晴れて、ラッキーでした。

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サルピグロッシス。温室栽培じゃない場合、今が本来の開花期。たくさんの花をつけるのですが花殻摘みが肝要。切り戻すことで、新しい頂芽優勢の可能性が生まれるのですが、花博会期もあと、10日ほど。あえて切り戻しせずにこのまま行きます。樹勢を落とさないように、この後切り戻しを。

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温室栽培ではないジニア。この暑さでどっと咲き始めたようです。私のもっとも好きな植え方は
同じ色でフォルムの異なる花を組む。ここは同じ色のキンギョソウとジニアで。

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写真真ん中。ちょっとピンぼけですが(周囲の光が強すぎて、ピントのチェックができないんですね)、これからの期待の花です。リシマキア・エフェメラル。これから美しい白い花が、もっと高い剣咲きをします。散らかって見え勝ちな庭の景色に倒れない花です!

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私は、頑張ってタテ方向に立ち上がってくれる花が大好きですが、バーバスカム・ボンビシフィラム。も大好きなひとつ。
今回たくさん植えてかなり、目立ったので作業をしていると、皆様から繰り返し名前を聞かれます。何十人も繰り返し聞いていただくが、99%の方がメモをとるでもない。大抵の方は「はああ?覚えにくいな」とのリアクション。でも、笑ってしまったのが「『バーバのカス』っておぼえりゃいいがね」「ずいぶん埃が溜ってるように見える」前回、オダマキが咲いているのを、「これよこれよ!美川憲一よ。オダマリ!っていうのよ」にも、笑ってしまったが。ファッツ・ヘデラがハトス(鳩の巣)ヘデラと呼ばれていたのにもびっくりです。

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バーバスカムは花だけでなく、この大きな葉っぱが「アーキテクチャラル」なので、とても便利です。
キャットミント’シックスヒルズ・ジャイアント’も大きくなりました。切り戻すと長く咲くので、これも切り戻しが重要です。ハドスペンでは、毎週少しづつ切り戻して、9月までノンストップで咲かせていた。

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最後の写真は、私がもっとも好きな景色。アリウムの隙間をリアトリスとエリンジュームが埋まる眺めです。冬の間に植えた幼苗のリアトリスやエリンジュームはうまく育つかどうか心配でしたが、元気に大きくなった。本当はルーフガーデン等で、もっと大きく育ててみたいのですがエリンジュームは手入れのたびにトゲが刺さっていたいことです。

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この二日間で300枚以上も写真を撮ってしまいましたが、今撮らなくていどうする!という状況でお天気に恵まれたので、撮るものは撮らなくては!と忙しかったことです。


来週14日は、館林のローズガーデン。15日に再度浜松。閉会式にガーデンパークに伺います。そして、17日、18日は、星の王子さまミュージアム。梅雨に入ってお天気が怪しいのが心配です。お天気が良くなくても私は行きますので、ぜひぜひ!!!今日は雨のおかげで仕事は減ったのでブログを長々書いてしまいました。

そして、明日の朝、雨が上がっていれば、ペチュニアは、かなりカットバックした後、置き肥をしておくといいですね。



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June 06, 2014

浜名湖花博2014 と デュフィ展

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昨日と今日で、今期最後の「はままつフラワーパーク」の花博期間、最後の植栽チェックに行って参りました。アリウム・ギガンチュームが大きく育ち、しかも長く咲いていて感激でした。
リアトリスも、いい感じで育っています。

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繰り返しさまざまな花が咲くボーダー。メンテナンスにご協力頂いた皆様にも感謝です。

見学においで頂いた多くの皆様にも喜んでいただき、本当に嬉しいことでした。
おかげさまで、フラワーパーク、ガーデンパークと併せて 1.100.000人の入場者達成。お花を見るために多くの方々が足を運んでくださったというのは、本当に嬉しいことでした。


しかし、まあ。私の作った150mのボーダーガーデンは、最初の1月の植栽から約半年の時間を経て、うまく行った点と、いくつかのうまく行かなかった問題と。

自分の中でも、その問題点だけが記憶のシミのように残る。今は、あの問題をどうしたら解決できるのか。問題点は、株間と倒茎。.....さまざま問題に直面して、初めてわかることって、たくさんありますね。


支柱を使わずに植物をスックと、まっすぐ育てること。環境によっては、かなり難しい。(私のルーフガーデンは、ほとんど大丈夫ですが。やっぱり、根がしっかり張ること、風が通ること。この条件を微妙にクリアできてないと倒れます)

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浜松ガーデンパークにある花の美術館、素敵です。
もとのモネの庭。昨日訪ねた時は、黒いユリとディルの競演。素晴しいです。

さて!数日中に東京新聞にレビューを書く関係で浜松から渋谷に直行。今日は、渋谷文化村で明日から開催される「デュフィ展」のレセプション。もう!最高です。デュフィの絵がこれほどまでに集合するのは素晴しい!!!もの凄いお勧めです。色彩の勉強にも、打ってつけです!!!
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June 03, 2014

憧れのイングリッシュ・ガーデン

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あなたは「イングリッシュ・ガーデン」と、聞いて最初にイメージするのは、どんな庭ですか?

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私は、最近では、21世紀の代表的なコンテンポラリー・ガーデンとして名高い、コッツウォルドのブロートングランジを思い浮かべますが、クラシックな庭や、個性的な庭もすべて、イギリスにあるほとんどの庭が、正真正銘のイングリッシュ・ガーデン。 たまに、日本庭園やイタリア式、フランス式もあるわけですが。それはそれは、ひとつとして、同じ庭のない素晴らしい世界です。ベス・チャトーさンの庭は、イングリッシュ・ガーデンというよりも、ベスさんの庭。と、思うのですが。あの庭は、本当に特別。

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コッツウォルズでは、国道を走るだけでも、素敵な景色をたくさん見ることができて、イギリスの景色は本当に素晴らしいです。


さて!いよいよ一ヶ月後に近づいてきた「イングリッシュ・ガーデンの旅」。16名様での出発が決まり、その案内人として、予習を始めています。先日、BISES出版から出た「美しき英国ガーデン」を調べていましたら、今回の訪問先に選んだ Seend Manor が「ため息のローズガーデン」の筆頭に掲載されていました。

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今回の旅の日程上、バラの最盛期を過ぎているかどうかは、その年の気象次第なので、何とも言えませんが、こちらは、一般非公開の個人庭園なので、 このツアーの特選庭として、ここを訪ねることを心から楽しみにしておりました。(今回、初訪問です)

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この庭を設計したのが、去年訪問したチャールズ皇太子の庭をデザインしたバナーマン夫妻。 造形物の美しさでは、世界一美しい!と、思っております。花だけでなく、植栽全体のアイデアや庭のデザインをしっかりと勉強してきたいと思います。

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ところで、シーンド・マナー。庭のデザイン・テイストは、ヴィクトリア調です。

アランデル城庭園

現在、NHK総合で日曜夜に放送中のイギリスの大ヒットドラマ「ダウントン・アビー」に、私、まさに夢中ですが、登場人物や屋敷の景色に、花のイングリッシュ・ガーデンの創世記が重なります。女性の地位が低かったこの時代に、ガートルード・ジーキルやヴィタ・サックビル・ウエスト女史たちが、活躍を開始したのですから、この空気感をテレビを通してだったとしても、味わうのは、かなり楽しい!また、ファッションやインテリア、役者のキャスティングもすべてワクワク、ヴィクトリアン・ファッションのマギー・スミスの登場だけでも、ニヤニヤしてしまいます。

さて、イギリスの庭と出会って、かれこれ22年の歳月が経ちます。あれから、時代の経過と共に、イングリッシュ・ガーデンのスタイルも、かなりの変化を遂げているように思います。

それでも、いまだに、イギリスの庭は、憧れの存在。

とてつもなく、美しい存在。

その、 庭を見学に行けるということ。その幸せを心からありがたく思います。さまざまな事に感謝です。

ツアー最終日は、自由行動の一日ですが、お問い合わせいただきました現地の日本語ツアー(コッツウォルズツアーなど)というのもあるようですし、私も、最終日、ご希望の方を募って、日曜日は午前中のみ、コロンビアロードのガーデンマーケット見学を いたします。午後は、私も自由行動をさせていただきますが、コロンビアロードからの戻り方ルートとして、最後はオックスフォードST×リージェンツST×ボンドST&セルフリッジデパート周辺に戻るルートなので、その午後は、各自お買い物の自由行動になるかと思います。最近は、日曜日といっても、殆どのお店が開いているので、美術館のみならず、見所がいっぱいですが、今回の宿泊先が、いつものケンジントンエリアではなく、マーブルアーチのモダンなホテルですので、歩いて、ハイドパークの公園や、メイフェアの素敵なウインドウコンテナのあるエリア、ボンドストリートや、今、一番ロンドンでおしゃれなセルフリッジデパートにも行けます。



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June 01, 2014

これから4ヶ月は...

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真夏並みの気温でしたね。植物たちもぐったり。かと、思いきや案外元気、風の通るルーフガーデンの花達は、まだ、今の時期ですと蒸れる心配もないので、元気に美しく咲いています。私の自慢は、バラ”レッドカスケード”。

何年か前のこと。12月に決まった雑誌のロケに、どうしてもバラが必要になり、関西にある確実園さんから送られてきた12月に満開だったこのバラ。12月満開だなんて、なかなかレアです。最初は、それほど好きになれなかったのですが。まあ!とりあえず、ルーフガーデンに植えました。で、とにかくよく咲く、管理の悪い私の庭で、不満ひとつ漏らさずせっせと咲きます。面白いのは、花殻摘みがほとんど必要ないこと。花が終わると勝手にポロポロと、茎ごと折れて散って行きます。うそみたいー!です。実際は、写真よりも、非常にダークな赤で大人っぽい色で咲いています。

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まったく剪定をしないのん、このように花の咲くバラは偉い。と、太鼓判です。

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さて、先日のたまがわガーデニングクラブで、名前をど忘れしたのは、ヤマホロシです!何度でも忘れてしまう品種のひとつです。美しい黄金葉のツル性で、白いナス化の植物独特の花を咲かせます。

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日差しが強いほど、美しい発色をする5つ星シリーズのペチュニア。チャチーンチェリー。本日、猛暑のなか麗しく咲いています。

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数日前から咲き始めたトリテレイア。放置で毎年咲きます。こんな暑い日にとても涼しげです。去年の秋に開催した「たまがわガーデニングクラブ」の寄せ植えにも使った球根です。受講された方々のお庭でも咲いているでしょうか?今、さすがにあの時一緒に植えたパンジーは地際で切ってしまい、もう咲いていませんが。

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あまり綺麗な写真ではありませんが、実家の母(90歳)が、東京豊島区の住宅密集地で花を育てております。ポンコツのショッピングカートが彼女の「花の立体ガーデン」で、それぞれの時期の、日当たりと風通しの良い個所を撰んで、母がこのカートを自宅前の私道に動かしてありまして、クスっと笑えました。アイデアおばあさんです。

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また、同じく、実家近くの国道沿いの路側帯の隙間から素敵な色のホリホックが咲いていました。排ガスも凄そうですが、日当たりと風通しはよさそうで。放置でホリホックが毎年咲く場所が、ちょっと羨ましいのです。私の庭では、どうも、この子が居座ってくれません。

さあて、これから、4ヶ月は、暑さとの共存、うまくやっていきたいですね。まずは、扇風機に当たりながら暑さを凌いでいます。



iris_garden_blog at 20:39   Tweet

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プロフィール

吉谷桂子

(よしやけいこ)

東京生まれ。英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。

7年間の英国滞在経験を生かした、ガーデンライフを提案。TV番組や雑誌等での企画、出演、講師を務める。また、国際バラとガーデニングショウや東京ミッドタウンのコンランレストラン「Botanica」の植栽デザインを担当。

「吉谷桂子のコンテナガーデニング」(主婦の友社)他、著書多数。

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