吉谷桂子のガーデニングブログ

August 2014

August 31, 2014

となりの百合が美しい

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先日、王立園芸協会主催で開催されたサマーナイトフォーラム、ユリの大家、アリスター・アードさんにお話を伺い、30種近い日本原産のユリが紹介されました。古いものでは、1740年に英国で紹介された日本原産のエゾスカシユリなど。実は、その原産地、シベリアや北海道などの寒冷地の栽培環境の関係もあるでしょうが、案外、関東地方の暖地では、日本原産のユリに、ご縁のないことに気づいたものです。やはり、園芸種はわりに買うことも容易ですが、原種はなかなか...。お店でお見受けしないことも多く。

↑ 写真は、Lilium lancifolium オニユリ 仲田種苗さんの野の花マットに咲く夏のネイティブプランツ花たちと。

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そこらじゅうで見かける タカサゴユリとその交雑種。

台湾産で大正時代に観賞用として帰化したとか。こぼれ種で増えるので、道路のアスファルトからでも咲いていますね。

最近、日本原産のネイティブプランツのほうが、やっぱり、かわいいなあ。などと、思うようになってきたのですが、それが案外、欲しいと思っても、手に入りにくいですね。

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バラとガーデニングショウに必ず登場するコンカドールはオリエンタル系。やはり、丈夫な園芸種です。肥沃な土だと2メートルくらいに育ってしまうことあります。半日陰でうまく育つので、我が家の日当たりの悪い湿っぽい場所で元気です。

対して、アジアティックリリーは、日なた好きですね。


それにしても。ユリの球根、オランダからは、日本に、毎年  12000万球も輸入されているのですって!おそらく、切り花が多いのでしょうが。大変な数ですね。イギリスへは4000万球。日本への方が断然多いのですね。

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私が好きなのは、リリウム リーガル。リーガル リリーです。100年ほどまえに中国四川省でプランツハンターに発見された品種で、イギリスの庭では大変によく見かけます。1〜2年は、私の家でも咲いていますが、なんとなくその後消えてしまう。夏の乾燥がいけなかったか。それでもめげずに、来年のはままつフラワーパークの植栽には、50球ほど注文、開花の早いアジアティック・リリーほか。植えれば翌年、必ず翌年咲いてくれる花は保険のようなものなので。

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わが庭シリーズ、長太郎百合。これも、数年で消えてしまった。斑入りの葉が綺麗でした。我が家の自称ホワイトガーデンの華でしたが。

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ボタニカに植えた ’カプチーノ’  このような花の庭を維持するには、毎年のようにメンバー構成を再構築しないと、同じように作っていくのは難しいです。やっぱり消えた。

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一年で消えたので 、本当に、儚かった。残念です。

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あら、カプチーノのお仲間?フランスのショーモンスル城のフラワーショウでみかけた品種です。
ラトビア かもしれないけれども、違うかもしれない。

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アップライトの百合、これが雨に当たると参ってしまいますが、華やかです。ウィッチフォードポタリーにて。アジアティック系で日なたを好むタイプでしょう。

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こちらもアップライト。園芸種で、名前が不明です。こういう形のパリっとした花。庭では、デザイン上の見事なアクセントになります。庭の景色をまとめやすい。

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逆に、カサブランカ。花びらがびらびらして、あっちこっち向くので、案外難しい。でも、非常に手に入りやすいのが、メリットです。

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イギリスで買ってきた球根 ブラックマジック。これは、とても丈夫で、植木鉢で、毎年咲いています。
アジアティック系で、日なたを好みます。屋上で毎年開花するので、偉い。

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もうひとつが、ピンクジャイアント。背が高くて花の数が多く数年の間毎年咲いていましたが、あるとき、消えてしまった。ああ、すてきな花だったのに。多分、夏に乾かしてしまった。

でも、ユリの球根、少なくとも、植えた翌年は必ず咲きますから、それが嬉しいですよね。かならず肥沃な土に深植えして球根より上の部分から養分を得られるように。

札幌市百合丘公園のサイトでは、さまざまな原種のユリのショッピングサイトがあり、園芸種ではない、原種のユリもさまざまな品種が紹介されているので、見ていると欲しくなってしまいます。園芸店には、およそ園芸種の華やかな品種しか売っていないので、日本原産のユリに着目してみるのもいいですね。



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August 28, 2014

ちょっと、気が早いかもしれませんが

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関東地方、急に気温が下がって10月なみの温度だそうです。過ごしやすくてありがたいです。なので、この際、何かやっておきたいと思う次第。


お花に夢中になるところから始まった私の「ガーデニング熱」でしたが、あれから20年以上が経って、好きだと思うバラエティがたくさん増え、それぞれの魅力に惹かれるようになりましたが、秋冬が近づいて強く心惹かれるのが、トピアリーです。

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(小林養樹園さんにて)

自宅では、様々な失敗があり、うっかり枯らしたり、ツゲでいうと、ひと夏で害虫にやられたり、刈り込みのタイミングを逸して 形がどうにもならなくなってしまったり。(汗)


それだけに、ほかの方が美しいトピアリーを作っている景色を見ると興奮するし、嬉しくてワクワクします。拍手!

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今年の7月に英国ガーデンツアーで訪問したアイフォードマナーのガーデンリビングルーム。すばらしい!!!拝見して、大興奮でした。


アイデア、芸術性、ここまでくる忍耐と努力と技術と。また、自然条件がこれを邪魔しなかった幸運など。もうもう、すべてがすばらしい。

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さて! 自分では、トピアリー。イケてないのですが、誰だって、植物をフォルムで捉えることはできます。星の王子さまミュージアムの冬は、花を咲かせ続けることは、かなり難しいのですが、樹木の樹形やアジサイなどの枝の多い灌木類も、乱れた枝を整理してそれなりに美しい形を作り上げる事はできます。

美しい枝ぶり。日本庭園の枝作りはすばらしいです。で....、日本庭園の場合は、不等辺三角形の美意識がありますが、西洋式の場合は、左右対称が基本です。樹木の剪定も、なるべく左右対称になるよう調えて行きます。

とりあえず、夏の間、暴れた枝葉の気になる灌木があれば、左右対称に切り調えておくと、庭が少しまともに見える。と、その作業を、今週、涼しいようですので、すこしやっておきたいと思います。自分の手の届く範囲で。ただし、9月は、スズメバチや毛虫など、まだまだおそろしい奴が庭にいる可能性があるので、くれぐれも要注意。昨日も一匹、部屋に入ってしまい焦りました。ジェット噴射のスズメバチ用スプレーを近くに配備して庭の作業です。

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そして、庭を作るうえで、その基本形を作り上げるのが、ストラクチャー。

「花」は表層的な美を飾る部分であり、その芯になる構造(平面図からなる)デザインに加え、構造的な植物や樹木への興味を、自分なりに、見る目を肥やすこと。

美しい、緑と花の世界観。少し角度を変えると、いくらでも興味の尽きない世界ですね。

このところ、自分のカラダのファスティングに焦点があっていたんですが、庭も、若干、ファスティングというか、ちょっと、締めていきたいと思う次第です。まずは、何かを減らさないと、増やせないですから。



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August 23, 2014

ウェザード or 熟成すすむ?

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7月に、箱根、星の王子さまミュージアムで見事な色に咲いていたアジサイ。あれから、一ヶ月以上が経ってどうなったか。気になっていましたが。

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昨日訪ねた時は、こんな感じになっていました。これはこれで、素敵な色味だなあと。私は洋服のためのテキスタイルデザインもしているので、来年の初夏に向かってアジサイの絵柄を描きたいと思っていた、そのイメージに合った花色、葉色でもあったので、じっろじっろと観察してきました。

人間も、若い時だけでなく、中年以降〜に、いい味わいがでてこそ、価値ありと思います。

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毎度、派手に花をつけてくれる「ノリウツギ」も、大活躍。まるで発光しているみたいに、輝く花でした。

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ミュージアムの入り口でかなり目立つ、ちょっとしたシンボルツリーです。人気があるので、ミュージアムでは、これと同じ植木の苗も販売しています。結構、探していらっしゃるかた多いようです。

このノリウツギも、秋のマチュアカラーが素敵です。その写真は、来月撮ってきます。

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さて、服に風がはらんでお腹で出ちゃってるみたいに見えますが、景色の後ろは太平洋です。8日間の間、伊豆高原のサナトリウムでファスティング(断食)をしていたので、だいぶ、気分が若返った感じです。(詳しくは、ファッションブログで)3キロ痩せて、だいぶ、お腹も引っ込んだんですよー。毎日、生姜湯をたっぷり飲んで、温泉に入って、生姜湿布を繰り返して。どうも 石原結實先生の診断では、私、水太りなんだそうです。水分摂るなら、生姜湯で!を合い言葉に、毎日、腹巻きして、今後は生きて行こうと思います。


効率的な運動もかなりしていました。これからも、朝は人参ジュース。昼はなるべく蕎麦。夜は適当に好きなもの(と、いっても必ず家では、小豆入りの寝かせ玄米と根菜汁など)で、体調管理を本格化させようと60歳まであと、2年! 気合入れて頑張ります。



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August 22, 2014

星の王子さまミュージアムの8月

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涼しい夏だったという箱根  仙石原、羨ましいような気候です。この写真  ↑ 8月のバラに見えません。

先月はもっと凄い開花でしたが、今も咲き続けるとは....。8月22日です。

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もちろん、2年前から、本格化した肥料や土が効果を出しているということなのですが、今までの4年間はこんなバラの開花を見た事なかったので、驚くばかりです。

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涼しい気候の場所、私たち人間も、そこに滞在する楽しみを感じます。
植物たちも楽そうですし。やっぱり、涼しい場所。いいですね。


右に見えているのは、去年の秋は、自宅に持ち帰り、私の家で冬越しさせたフクシャ。関東平野部での夏越しは無理ですが、さすが、箱根。ま、日当たりがすばらしいという場所ではないので、花数は多くはないのですが、休みなくフクシャが咲く気温って、いいなあ。

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これから、秋までしばらく咲いている ヘレニウム。イングリッシュガーデンでも、おなじみの宿根草です。

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先月作った、トレニアの寄せ植えも大きく育ちました。順調に育ってくれる植物たち。やっぱり、かわいい。嬉しいです。

今、日本中の自然現象が厳しい状態です。不安も多く、呑気なことを言っていられないのですが、穏やかな日々が戻ってくることを祈っています。



iris_garden_blog at 21:59   Tweet

August 18, 2014

夏のペチュニア

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あまりにも暑い、そして強い太陽が出る毎日なら、水やりも間に合わないなら、どんなに太陽が好きだとされるペチュニアでも、半日陰の場所のほうが育てやすいと言えますね。

旅行に出ることの多い8月は、植物を枯らす危険も多い時期です。

大切に育てているコンテナ植物は、水やりの工夫もいろいろあって、出かける前は皆様大変かと思います。 上の写真は三日ほど前のもの。このペチュニアは、4月から、ずっとここに植わっていて、旅のまえには、必ず切り戻していたので、8月でもこんなにコンパクトでした。

いえ、実は、バランスを崩すほど、伸び放題になったので、だいぶ切り戻したのでした。
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これは、7月上旬、イギリスに行く直前。葉のないところを切り戻してしまうと、それっきり枝が光合成もできず、弱って枯れてしまうこともあります。なのであまり深くは切り詰めなかったのでしたが。
次の節で、葉っぱの萌芽を見つけ次第、また切り詰め。こうなると。散髪気分で可愛くて仕方ないので、枯らしたくない。

でも、うっかり日なたにおいて、家を留守に。 ああー。しまった!

日当たり加減が理想的な家の場所。そうはたくさんないですよね。大概西日が厳しいとか、風通しがもうひとつとか。環境に合って元気に育つ植物。 植木鉢のサイズや土の質も大切ですが、植物を育てる楽しさは、まず、そこから。もう、20年も植物と付き合っているのに、いつも、そこに戻ってきます。そして、栽培の成功は、からのスタート以外ありえないですね。

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プロフィール

吉谷桂子

(よしやけいこ)

東京生まれ。英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。

7年間の英国滞在経験を生かした、ガーデンライフを提案。TV番組や雑誌等での企画、出演、講師を務める。また、国際バラとガーデニングショウや東京ミッドタウンのコンランレストラン「Botanica」の植栽デザインを担当。

「吉谷桂子のコンテナガーデニング」(主婦の友社)他、著書多数。

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本当にありがとうございました!!!The Last
いままで、ありがとうございました!
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