September 2014
September 29, 2014
愛知県豊田市で開催された緑化フェア、各種イベントや講演会が開催され、私は「緑と花のまちづくり」というテーマでお話をさせていただきました。
写真は、豊田市の駅前のハンギング、やさしい色彩で心を癒してくれました。ペンタスの淡いピンク。洗練された印象の色調です。
しかし、「街に花を飾るノウハウ」いうのは簡単でも、なかなかに思い通りに行きませんよね。
夏が猛烈に暑かった。日照りが続いた。雨が多かった。自分が忙しかった(え?)。
こんなに花が好きなのに。やはり、私自身も、自分がそういう所(花を育てるのが大好き!)から出発しているので、つい強調したくなるのですが、緑や花を愛し、元気に育てたり、数を増やすのは、もちろん楽しいことなのですが、
それを街の景色として、どのように美しく育てるか。社会貢献できるか。
というと、これは、なかなかに難しい。ロンドンの街の美しい緑と花。これは私は、圧倒的な社会貢献だと感じたからです。
イギリスで7度の夏を過し、ロンドンの街の周囲に住む住人たちが、美しい街の景色になる「ガーデニング」のノウハウを持って「成熟した文化に根付く園芸」を、楽しむだけでなく、ある種の義務感、正義感(?)を持って楽しんでいた姿から、私が学んだことは多かったです。要するに公益的ガーデニングといいますか。それはまだまだ伝え切れてないです。
ですから、栽培のコツや愛情は最も大切なことですが、どういうノウハウで、街を美しくできるのか。という点は、日本においては、まだまだ研究段階かと。(私自身も、仕事の現場は頑張りますが、自分ち。いけてないなあと思うこと多いです。とほほ。)
それには、引き算のようなアイデアが重要だし、周囲の景色とどのように調和していくのか。というような、一種の「客観性も」が大切になる。
実に、これは、簡単な話ではなく。私の庭も、プロの、木にスルスルと登って行けるような庭師の方に入って頂かないと、自分の体力での維持は無理。なので、予算や時間のことで、制限があると、これもまた理想通りにいかず。 嗚呼〜。早く、お電話して依頼しないと!いろいろ伸び放題!
いろいろな想いを45分に集約してお話するには、難しかったです。2時間は欲しかったなあ。
で、まだ、仕事の山に埋もれつつ、こちらのブログも長く書けないので、なかでも、ひとつ。夏のおすすめ植物に、ベゴニア系も筆頭に上がりますが、マンデビラ、園芸種でいうと「サンパラソル」が、景色の花に、最適だと いうような事もお話しました。伸びたツルの行く末を管理する必要はありますが、花殻摘みが必要ないので、やはり、楽です。私はこの花の眺めに、この夏何度も癒されました。
参加下さったみなさま。本当に、ありがとうございました!来年は、はままつフラワーパーク。花フェスタ2015。今は、植物の発注関係を頑張っていますが、ぜひまた、150mのボーダーを作りますので、遊びに来てくださいませね。
群馬県中之条町の花の駅「美野原」も、1万球のチューリップの庭を今計画しています!100球から200球を、種類を変えて10000球ですから、配置を考えていて、かなり混乱するのです。どれをどこに植えるか。そうとう複雑で。まだまだ、こちらも、計画夢中ならぬ、霧中ですが、何十時間にも及ぶ計画なしに、品種の多い庭づくりは成就なし。頑張ります。
September 24, 2014
秋らしい気温。いい感じではあります。しかし、本当に、食欲の秋になってきましたね。Cさまから、質問をいただきました。ありがとうございます。
秋になり食欲がましてきました。断じき道場では食べ過ぎないことを学ばれ継続していくコツはありますか!私も食事療法しないといけませんが、精神的に落ち込みます。何か良い案はないでしょうか!
わかるわあ!秋って、やっぱり食欲でますね。でも、実は、あれ以来、私は体重体型を維持しております。継続して行くコツは「食べ過ぎた!」と、思った翌日は、断食することです。そして、断食中に教わった食事法。「朝ご飯を食べない(でも、人参ジュースかリンゴ×小松菜スムージーなどは、おなかいっぱい飲む。)そのほか、食欲がでたら、生姜入りの紅茶、生姜+黒糖の紅茶。これがなんと、水太り傾向の私には、特効薬みたいでした。体を暖めることを主軸に動く、食べる。腹巻きをする。足を冷やさない。言い出すと切りがないこと。いろいろやってます。
それぞれの人にあった方法を見極める事が大切だと思うのですが、なんでも「40日続けると、やらないでは済まなくなる」という、ことをサナトリウムで教わって、実は、筋トレも続いているんです。三日坊主じゃ、やっぱりだめなわけで。もう、今や筋トレはやらないと気分が悪い。以前は車で行っていた買い物も歩いていくようになった。以前はタクシーに乗ってた駅までの20分近い道のりも歩くようになったのは、8月のサナトリウム以来です。車で行く仕事先も、なるべく電車を使うようにしています。一種の自分で自分を洗脳することに成功した気がしますが.....(え?)。
September 21, 2014
カリオプテリス ’サマーソルベ’ が今、きれいに咲いています。と、いうか、1週間くらい前がもっときれいでしたが。
厳しい夏を経て株元の葉が落ちてしまい樹形はあまりきれいではない。一緒に咲いているガウラも茎がながくびろんびろんに姿が乱れるので、ちょうどゴールデンモップの下にいて、この枝葉の間から編み込み植栽のように花が咲く。これが自然が見せてくれるヒーリング・ピクチャー。
ガウラ。夏の一番暑い時期に、ざっくりと切り戻したのが 今きれいに咲きはじめたというのもある。
カリオプテリスの黄色 は春に寄せ植えのカラーリーフとしても美しいし、コンテナでロングライフを楽しむのにも良いですね。ただし、ヤブ蚊には、ご注意を。
涼しくなって庭のことが楽しくなりましたね。さあ!今日は、妖精教室!また近日中にご報告をしたいと思います。
September 18, 2014
過日、超レア、パトリック・ブラン博士の貴重な講演会が、渋谷の東急文化村で開催されました。私がブラン博士を知ったのは、10年ちょっと前のことでしょうか。もう、日本に帰ってきていたので、なかなか思うように本などの資料が英語版でさえも手に入りにくく、そのすばらしい壁面緑化の仕事の詳細がわかりませんでした。フランス語の本は手に入れましたが、何が書いてあるのか。さっぱり?
昨日は、日本語訳付きのお話しが聞けて大充実。
パリのご自宅の写真 ↑「エクステリア(屋外)とインテリア(屋内)の バーチカルガーデン(垂直の庭)は、極めて個人的な私のライフスタイルから来ています。朝はシャワーを浴びた後、ここで早朝の仕事をこなし、冬の寒い時期は、ここで日光浴をしながらコーヒーを飲む。私の仕事はそこから生まれる」
(時々、このオフィスをトカゲとか、カエルがうろつくそうです(エッ!)
「プランツハンティングで観た植物の生態にインスパイアされた仕事の数々....」
自分自身が愛する環境を自ら世界に広めている。自身の体験がもとになった自然界の再構築とデザインがベース。お手本んは自然界から。etc
そんな印象でした。博士はそもそも植物学者、プランツ・ハンターでもあります。昨日のお話しは、前半、サー・ジョセフ・バンクスがたどったプランツハンティングの地を、ブラン博士自身もプランツハンティングして回るなかで、発見したこと。インスパイアされた例をたくさんお話いただきました。
(原生している状態のニュージーランドのフォロミウム/ニューサイラン)
また
「現代のプランツハンターの仕事は、未知の植物を発見するだけでなく、 植物がどこにどのような状態で生息しているかを研究することも、大切な仕事になっている」
どこで、どのような生態で生息しているかを知ることで、それを的確に仕事に活かすことができている点にも注目です。やはり、重要なのが、プランツエコロジーです。
(同時に樹々が茂って、そこに枝同士がぶつかりあわないように風の道ができる。枝が重ならない。自然にできる風の道。”クラウン・シャイネス” というのだそうです。素敵な音霊!)
それにしても、キャプテンクック船長の探検航海の時代。サー・ジョセフ・バンクスといえども、十分な予防注射や海賊に対する十分な備えがあったとは思えません。バンクスの花譜集の見事な植物画の描写を残しているパーキンソン氏は、ボルネオ でマラリアに罹り探検中に死去。それでも、めげずに次から次へとプランツハンティングに出向いていった熱意に感服します。
(ロンドンのホテル、アトリウム/この7月にツアーメンバーと見学に行った際、数年前よりも植物が大きくなって迫力を増していました)
さまざまな、特にオーストラリアやニュージーランドの植物の紹介がスライドでなされる合間に、植物の紹介用語として、「建築的なフォルムの植物」が繰り返し登場していました。
「植物のこの、建築的な美しさを見て下さい」の言葉が繰り返されました。いわゆるアーキテクチャラル・プランツです。私も、常々、講演会で同じような言葉を使う、あるいはもっと使いたいと思っていましたが、これでいいのだと思ったり。
植物を構築的に検証し、組み立てる。植物の選択は、なによりも、プランツエコロジーが先ではありますが、
「庭を作るうえで、どんな種類を選ぶのかがもっとも重要な課題です」
普通は言葉ではありますが、ここが、私も強く共感し、深く心に残った言葉です。
今や世界的に活躍している博士ですが
今から10年ほど前に、ブラン博士の仕事にまっさきに注目したのは、現代美術の分野の人々だったそうです。わたしもちょうどそのころ、5歳の息子を連れて金沢21世紀美術館を訪ねました。
( 5年前に訪ねたフランス、ショーモンスル城のガーデニングイベント。今はここもびっしりの植物)
芸術家の心と、科学者の知識や技術。これは、庭の世界のすべてに言えることなのだと思います。
(株間が参考になりますね。使用しているのは、ポリアシッド・フェルトとのこと)
ブラン博士は今や世界じゅう。ヘルツォーク&ド・ムーロン(日本では、表参道のプラダビルで有名ですが。ここは緑化なし)やジャン・ヌーベル(パリのアラブ世界研究所やカルティエ現代美術財団(何年か前ににツアーで皆さんと見学に行きましたね)そして、、サーペンタイン・ギャラリー)といったキラ星の建築家と仕事を協調している仕事の数々。(心のどこかでジェラシーを感じつつ)
庭づくりは「Art Form 」今後、壁面緑化だけでなく、もっと美術と建築の分野と造園家が建設的に仕事ができていくとよいのに。と、思います。
日本の造園界全体にも、もっともっとアカデミックな芸術から現代美術にいたる、深い造詣が要求されるニーズが生まれると良いのですが。
博士のアウトフィットもユニークです。ファッションブログにも書いたのですが、私も博士へのオマージュで緑ルックで講演に行ったのですが、それで博士に誉められたのが嬉しかったのでした。やっぱり、緑の集まりには、緑で!
来年の9月オープンを目指して、山口県、新幹線 新山口駅に博士の作品が登場するそうで、今から楽しみです。
そして、12月23日〜翌年3月1日まで。「バンクス花譜集」の展覧会が開催されます。ぜひに!
September 16, 2014
やっぱり、手作り。手仕事が、根っから大好きで。先日、空になった素麺の木箱を見たら、カバーリングしたくなってしまい。
決して暇ではないのに、むしろ、やるべき事が山積みなのに、やってしまった。ま、これも、ストレス解消法でもあるのでしょうね。クラフト・セラピー(ヒーリング)という言葉があるくらいですから.
なぜだか、これで、癒される。
余っていたイギリスの壁紙に糊(薄めた木工ボンド)を塗り、ざっくりと木箱にあてて切り抜いた壁紙を貼っていく。乾けば、一旦は伸びた壁紙が縮んでぴしっと貼れる。
なんか、余ってるトリミングでも貼ろうか。
こういうのとか。
こういうのも、あるのだけれども。
結局、何も貼らずに、トレーとしてキッチンの雑貨入れに。
今度の日曜日に開催の、妖精作り教室の準備も。大変ではあるけれども、どこかで癒される。
背景の花柄は、来春の洋服作りのために描いた「春の庭」。モヘアのニットにプリントするための原画です。やっぱり、糊や定規や、筆を握るのも、フェルトのニードルを握るのも、シャベルも、ハサミも。
手の仕事。心と体のバランスをとるのに非常に良いと感じます。パソコンに触る時間を、ちょっと減らして。