December 2015
December 28, 2015
尊敬する方から、年末の挨拶のメールをいただきました。そこで、その方が、今年の体験のよかったもの。の、ベストテンを書いておられたのです。(写真は、台湾 日月潭THE LALU の朝)
感動した景色。よかった展覧会。舞台。講演会などなど。ふむふむ、すごい!こんな講演会もあったのか!私も行きたかったな。などと、感心しきり。
そこで、はて。私のベストテンは何だろうと振り返ってみたんですが、なんだか、思い出せない。
先週あったことなら、すぐ思い出せるけれども、この1月に始まって、だあ〜っとひぃひぃいいながら、12月になってしまった。行きたかった展覧会や舞台もほとんど行けなかった。ただひたすら、全速力で走っていたので駆け抜けた後に、忘れてしまったらしい。熊川哲也氏のバレエを見た後、のちのパーティで写真を一緒に撮ってもらったのは嬉しかったな。などと、うっとりと思い出してみたら、おととしの話だった(汗!)ああ、もう!
だから、今年のベストテン。きっと何かあったはずなのに、思い出せないなら仕方ない。
今、思い出せるのは、先週の体験(THE LALU のSPA)か、夏のパリだったか。
鼎泰豊(ディンタイフォン)の小籠包は、本当に美味しかったが、支店で食べ比べたら、やはり、本店がダントツだった。この店はサーヴィスの質も素晴らしくて、本当に初心者にも安心。日本語のメニューも充実だし。
台湾の人たちは、あまり小籠包に興味を示さないと聞いていたが、そんなことはない。私は、毎日食べたかったですねえ。
なかでも私は、済南鮮湯包の小籠包が一番好きだったかも。
注文してから作る、うす〜い皮で汁たっぷりの小籠包。ホテルから予約をしてもらってたので、すぐに座れたけれども、長蛇の列。人気店だ。あらまあ!最後は食べ物の話でしたか。
とにかく素晴らしい絵画や庭や舞台も、観たはずなのに。なぜか、思い出せない。
「春餘園子」空間と食事のサーヴィスこうしたものも、アートだと思う。
「雇われて庭のデザイン」だけでは、そこで使う食器からサイン計画、カーテンのデザインに至るまで、空間全体の総合をディレクションしきれないので、悔しい面もあるのですが、この「春餘園子」は、オーナーがそのすべて、庭の植栽に至る見えるものすべてをディレクションされているので、トーンが整っていて、本当に素敵。
台湾では、台湾のお客さんが喜ぶデザインをすることが重要なのでその理解と研究のためにも、台湾で2週間過ごしました。わからないものを「理解」する。これも、やりたいことのひとつ。
さて、新年には、やりたいこと、ベストテンを書きだして....。
と、思うわけです。みなさまのベストテンはどんなことになりそうですか?
December 24, 2015
九份。千と千尋の神隠しの、景色設定のモデルにもなったという、それから、美しい画像で知られる侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督の映画「非情城市」の舞台にもなった、あの景色が見たくて。 行ってきました。
これは、「非情城市」的景色。
台北の街からは、流しのタクシーを拾って1時間強(タクシー代、台湾は日本よりもずっと安くて、1時間乗っても1000元/4000円くらい)。3人で動いているので、これがもっとも、便利な手段です。タクシーはホテルで呼んでもらうともっと安心ですが。時々、悪気は、なさそうですが、運転の猛烈に荒い運ちゃんがいるので、タクシーは便利だけれども、なるべく選びたい感じがします。
トワイライト。九份の暮れなずむ景色が見たいからと、台北を3時すぎに出発、しかし、あいにく、この日は暗くどんよりとした雨空でした。
さて、タクシーの運転手には、九份のセブンイレブンの前で降ろして。と、伝えた。このセブンイレブンのすぐ右側に、あの有名な景色に繋がる、細い坂道があるから。
ここを延々、独特の食べ物の匂いを嗅ぎながら上がる。人も犬も猫も、ぐちゃぐちゃ。そして時々、物資を運んだ猛烈な排気ガスを出す昭和三十年代的なバイク。中には、落としてしまいそうな危うさでプロパンガス満載のバイクが....。あぶないっ!とつい叫びたくなる。
でもさあ!?
人でごった返して、実際、ただひたすらぎっしりの人の群ればかり(そういう私もそのひとり)私、こういうの好きじゃない。って、ぶつぶつ言いっぱなし。もっと情緒のある場所はないのか。写真は絵になるように撮ったのでこんな感じですが。それで人でごった返すこのなかの一軒の店にでも入ってお茶かご飯か。と、思うわけですが、どこも満席。ごった返し。
とにかく、すしずめ状態で観光客がぞろぞろと細くて狭い坂を登っていく。人気のない脇道に何度も進んでみたり。
...で、あるところに洞穴のような入り口。(ヒントは一番最初の写真の右端にその入り口)かなり怪し。ここを入ってみる。かなり猥雑な落書きだらけの洞窟を抜けると。
別の静かな世界が広がっていた。
そこですぐに目に入ったお茶屋に入る。
入り口はあまり素敵じゃないんですけれども、中に入るとだんだん良くなる。
ニイハオ。と入っていくと「お茶?ご飯?」と、いきなり日本語で聞かれる。
私台湾の美容室で髪を切って以来、必ず中国語で話掛けられるようになっていたのでちょっと嬉しかった。
このおばあちゃんが日本語がうまくて、ね。いい感じなの。
これで、本当に台湾の烏龍茶にノックアウト。
一杯目をお湯で洗って二杯目からこのようにお茶を出しきりながら何度も何度もいただく。
阿里山茶。この一セットで10パイ以上は飲んだだろうか。おいしくて。
店内には、がらんとしていてとても静か。木造三階建の建物は古くてギシギシいう階段を登っていくと、こんどは、まさに非情城市の世界。それとも、この感じも「千と千尋」っぽいかな。
いいね。いいね。といいながら、実は、2時間もここでお茶を飲んでいた。
途中なんどか、猫が愛想を振りまきに来る。
お茶を飲みながら、眺めていたのは、ずう〜〜〜っと。この景色。本当はこの霧がなければこの向こうに海と港と美しい山の景色が見える。
デジャブのような景色。そうだ、ここだったんだ!探していたのは。
またひと気のない場所を探してわざと迷ってウロウロ歩いて九份を堪能。
さて、帰りは、また観光客でごった返す場所へ。噂通り、客引きタクシーがうるさくつきまとう。台北までは、1000元で行けるのに、1500だ、1200だと、大きな声で声をかけてくる。まあ、それでもいいんだけど、なんか悔しい。ねえ。メーター通りに行ってくれないかな?
メーター通りなら乗るよ。ダメ?あっそ、じゃあ降りる。
とか繰り返しながら、車には二度も乗ったり降りたり。押し問答して、結局ホテルまで、メーター通りの980元で帰る。でもこの気まづい感じで1時間、タクシーに乗ってるのはなんか、やっぱり嫌だったな。
チップ代わりに1000元渡したけれども、これが、九份往復の、ちょっと面倒くさいことではありました。
でも、九份に行ったら、このおばあちゃんの店でお茶を飲むのをおすすめ。とっても静かで、時間が止まったようで、まるで1930年代の台湾を感じたような気分で師走の夕方、今年を振り返るような時間が過ごせました。これからしばらく台湾の仕事が続くのですが、うまくいきますようにと願いつつ。
乗り合いバスで行って帰ってくる手もあるので、台北に行ったらぜひ。
December 23, 2015
私の尊敬するファッション雑誌元編集長、おしゃれ番長のお勧めもあって、日月譚のTHE LALU へ。
(今回、台湾のホテルの庭のデザインをやっているので、台湾の最新デザインホテルの植栽を研究するのが、今回の大きな目標でもありました。台北市内は、歩いて回れますが...)
ここに着いて一息、マティーニを飲みながら撮った景色。
でも、ここに来るのにちょっと苦労。もっとよくリサーチすべきでした。だからほれ!この密林を見ながら汗だくで歩いてこホテルの高台まで15分ほど。ポインセチアが自生しているのか?!
三ヶ月ほど前から部屋の予約。この日を愉しみに励みに、秋は、猛烈に仕事をしてきました。
繰り返しますが、ここは、台湾の知り合いからも勧められたし、今、台湾で一緒に仕事をしている方が、こちらの元ホテルマン。誇大広告かと思うほどの評判を聞いての訪問。それは、来てみれば、噂以上だったのですが、どのような方法でここに来るのがベストなのか。実は、あまりよくわかっていなくて。ちょっと焦りました。慣れない外国での自力移動って、ドキドキします。
これは、台北駅。噂通り、円陣を組んで座り込んでお弁当を食べる群れあり。台北駅から高鐡の新幹線に乗って台中までは1時間。台中高鐡駅からは、南投汽車の運営するバスで1時間強で日月譚へ。駅からホテルまでの1時間半の道のり(約40キロ強)をタクシーに乗ろうかと迷ったのですが、こっちのタクシーの運転は荒いので、気が気じゃない。ハラハラする1時間半は辛いかも、バス(リクライニングシートのよくある高速バス)のほうがきっと気楽。そして、ホテルの送迎車サービスに気づいたのは、当日の事で「要二日前の予約」とあり、間に合わず。
さて、南投バスは快適に走って日月譚へ。チケットを買うときは、日本語を話すおばさんが気さくで楽しい気分に。着いてみると、とても有名な観光地なので、日月譚の中心地はごちゃごちゃしてちょっと、苦手な景色でした。
でも、ホテルに着いてみると、すべてを忘れて絶好調に。
圧倒的な建築に住む感覚。嬉しい!デザインからのたくさんの学びに大喜びするタイプの人間には、喜びの連続です。全部で100以上も写真を撮ったのですが、無作為に数枚を。
ホテル外観。設計は、オーストラリアの ケリー・ヒル。
http://www.thelalu.com.tw/jp/lalu_architecture.php
今日は気温、28度。泳ぐのには悪くない。
でも、部屋でくつろぐのが一番。我が家もこの感じに変えようか?と心変わりしそう。
レストランは、フレンチのディナーに行きましたが、中国料理は間違いなくおいしいでしょうね。
次回は、中国料理にします。もう、1週間以上も、中国料理でしたので、若干浮気を。
朝食のバイキングも
バラエティ豊かで(イタリア風、フレンチ風、日本料理、中国料理)美味しかったです。
部屋のベッドから見える景色。刻一刻と変わる眺めに感動しましたが、これは、ホテルの位置が眺めに対して高い箇所で見晴らせるからなのですね。湖水のほとりに降りてみましたら、こんな風な見え方はしませんでした。
さて!帰りは、行きの反省を生かして、台中高鐡駅までは、ホテルのリムジンタクシーを予約しました。
ホテルの送迎バスは、ひとり、900ドル。(3600円)リムジンは、3000ドルなのですが、今、大人3人でいるので、送迎バスと変わらない価格。これで、台北から日月譚のラルーまでの往復には心配がなくなったので、次回は、友人を誘って来たいと思います。ここのSPA最高なので。
このあと、台北に夕方戻って、また最新ホテルめぐりを。次回は、わたしの見つけた九份(千と千尋の神隠しの舞台モデルにもなった景色)の世界を書きたいと思います。
December 18, 2015
December 12, 2015
先日、NHKカルチャースクール青山教室で開催した講座。お出でくださった皆様、ありがとうございました。すでに、ファッションブログのほうに書いていますが、こちらにも続編を...。
講座のなかでは、西洋の美意識の根底にある「Order」のことを、たくさんの写真を用いてご説明させていただきましたが、これはそのまま、インテリアだけでなく、エクステリア。すなわち、ガーデンのデザインのなかにも120%生かされています。
講座のなかで、ご紹介した
「モリスの黄金の法則」とは
自分が実用性があると思うか
美しいと感じるもの以外は
住まいに置かない
見えるものすべてに評価する習慣をつけること
でした。
モリス先生の金言は知るほど今の生活に活かしやすいので、目を皿のようにして、探しています。
しかし、目の前に見えるもののいちいちに、デザインの評価をする習慣が、子供のころから必要以上に身についていることが、かえって心の負担になっていると、時々思っていた私には、なんだか、逆の意味で耳の痛い言葉です。
たとえば、高速道路を走っていて、前方を走る車のフォルムがへんだ。と思い始めたり、テールランプのデザインが許せないと思ってしまうと、もう、その車の後ろについて走れないので、追い越すか、車間距離を開けて別の車を割り込ませる。など。変な行動はいまだに止められません。
学生時代から、普段、東京の街の景色は、あまり見ないように、時には、黒みの強いサングラスをかけたほうが楽だと、本気で思っていたこと。(今は大人になったので、ま、いいか。と、適当になってます)などなど。でも、それから、美しいと思うもの。いいものだけ、好きなものだけを視界に入れるクセがついたようでこれがまた、よくない。世界は、全体が見えてないと。
なかなか難しいです。
ちなみに、歯医者さんの待合室で見つけた雑誌の記事。これは、室内の整理法の収納三大ルールですが、このまんま、ガーデンデザインに活かせるアイデアです。
空間のまとめ方。これって、中も外も、似ているなと思います。面や直線を作るなんて寄せ植えにも活かせますよね。色や素材、これは、逆に注意深く選んでコンビネーションも大切でしょうが。
枠を作る。は、似た者同士を集めることでまとまるということでしょうか。
はあ〜〜。掃除したい。整理整頓したくなりますね。年末は、室内だけでなく、屋外も、大掃除のチャンスですね。