August 2016
August 29, 2016
イングリッシュガーデンツアー、初日の最初に訪ねる予定なのが、Pettifers Garden です。名前をご存知ない方もおられるかと思います。
実は、私も、ここを訪ねるのは初めてです。なので、当然、私が撮った写真もありません。
というのも、アポイントメント・オンリー。一般公開をしていないので、イギリスに住んでいた時代も、よほど、取材で尋ねるとか、特別なアポを取らないかぎり、見ることができない個人の庭だったのです。写真は、コッツウォルズにある個人庭ボートンハウス。今はもう、オーナーが変わってしまった。
普段、ツアーの旅程を組むときは、なるべく有名な庭園を優先的に選びます。有名庭園は、あらゆる意味でみる価値がありますから、コッツウォルズを訪ねているのに、ヒドコートを見ない、キフツゲートをみないのは片手落ち。とも言えるのですが、今回の旅程では、ほかに行きたい庭を優先するため我慢でした。
(写真はヒドコート)
さて、そこまでして、なぜ? Pettifers Garden? それは9月の訪問だからです。
愛読書 Gardens Illustrated 2011年の記事に取り上げられて以来、いつか見たいと思っていました。2015年の同誌でも、私が尊敬するアラベラルノックスボイド女史にも絶賛。
この庭を作ったGina Price さん。
Pettifers Garden のホームページからわかる限りの情報ですと、
庭が始まったのは1984年の夏。まったく何も植わっていなかった空白の場所に、潅木とバラを植えることから始まった庭であること。
始めた頃は、何の知識もアイデアもなかったけれども、幸運なことに、親交のあった、アイコニックな有名庭園である(ヒドコートの向かいにありますね)キフツゲートガーデンの、当時のオーナーであった Diany Binney と彼女の姉妹、Betsy Muirが、年に一度、批判やアドバイスをしてくれたことがどれだけ助かったかと記されています。
おもしろいと思ったのは、彼女がグラス類の植物と恋におちて以来、バラを banished (消えされる、追放される)していった話。そのあたりは、現地で詳しくうかがってみたいと思います。
で、私は、ぜひ、9月〜秋に行くならと、見たい庭の筆頭にあげていた次第です。
with an emphasis on Autumn.(emphasis=強調)と書いてありました。期待が高まります!
さて、以前私が取材キャスターとして、出演させていただいた、1998年9月に収録をした NHK BS 「イングリッシュ・ガーデンの秋」では、ベス・チャトーさんのほか、さまざまな庭の取材をしました。(写真はベスチャトーガーデンズ)
当時はまだ、現地に住んでいたので、あらゆる手を尽くして調べましたが、1998年当時は、まだPettifers Garden は注目されていなかったと思います。
その名前を頻繁に聞くようになったのは、2000年以降の本当に最近のことです。しかし、庭のスタートから、30年が経って、その偉大なることは確実。
ただし、ボッティチェリ・メドゥという名のエリアは、どうも春が美しいらしい。きっと、ボッティチェリのプリマベッラ、ほかの絵に出てくる野の花が美しいのでしょうね。それもいつか、見たいですね。
ブログの記事には最新の状態や写真を見ることができて、期待が高まります。
https://pettifers.wordpress.com
August 28, 2016
イギリスへ。イングリッシュ・ガーデンのツアーへ。来週、いよいよ出発です。
そのまえに済ませるべきこと多く、きっと皆々様もお忙しくお過ごしのことと思います。
春の庭と違って、草花の色調にも変化があることでしょう。
しかし、例えば、この時期に咲くシュウメイギク、そこで咲くのはやはり柔らかいピンク色。
きっとそこには濃いピンクもありますが、庭にどれだけ秋が近づいていても、それぞれの場面で美しい色彩に出会えるであろうことは、約束されていると、期待をします。
でも、大切なのは、そうした色彩や美しさの発見。
「発見力」、あるいは、気づきといいましょか。
「は!」っと、気付くこと。 目で見える光と影のなかに、あるいは、そのハザマに。
イギリスでは何度もそんな発見の喜びがあると思います。
先日からコメントをたくさんいただいたのは、「黒い服」の話に対して。
「旅行に行くときにはいつも吉谷さんの「黒い服」のお話を思い出します。自分の写真はあまりないけれど、人にちょこっと撮ってもらった写真も以前よりいい感じになったように思います。他の方の記念の写真に万が一見切れて写っていても、服の色が景色になじんでいれば迷惑度も下がりそうですし。美しいものを見たくなったとき、美しさを追求する高い意識に触れたくなったときにはこちらを拝見しています!」
ありがとうございます!
何を見て、嬉しいかといって、「人間が作り出した美しいもの」を見る、見つける喜び。ですね。
逆もありで。なんか、がっかりみたいなこと。
ですから、いただいたコメントに拝見しましたが、自分が写真のはしにでも、映るときの馴染み具合とか気にされるというのは大変な意識でいらっしゃるだろうと思います。
そして、いろいろなことを、学びながら、生きていくことへの喜びや、エンドレスな期待感も含めて、「人間が作り出した美しいもの」に出会うと、気持ちが高揚するし、元気がでる。
もちろん、自然界の美しい青い空や山や海を見ても、感激はしますが、庭なども含めて、やはり、人が作ったものに強く惹きつけられます。要するに、いくら美しい朝焼けや海の青さに出会っても、それを芸術とは呼ばないという点でも、なんというか、とにかく人が作ったものに出会いたい。それが芸術。
たとえば、パリのセーヌ河に沈む夕日がきれいですが、やはりこの街のシルエットに感動します。
なので、やはり、究極は芸術なのだろうと思います。
手芸のレベルなどでも、自分の心に響くものは、自分のなかでは、芸術と。
美しい建築や庭、あるいは、家と庭でも。
モリスのいう、人類にとって、もっとも重要な芸術はなにか。
答えは、美しい家と庭である。
との問答に加えて、人のアティチュード。やはり、ずば抜けてやはり気になりますね。
何色の服を着ていたとか。海外にでると、また一層気になります。自分たちが何かと一生懸命、見学したくて行く旅行ですが、いつもとは違う空間で、自分の普段以上に人から「見られるのだ」と、意識すると、あああ〜!洋服選びが大変です。まずは、靴を何にしようから始まって。
迷いますが、まずは、色で。明るい色、花の色。草地の庭に、空の色に、つらなるのは、何色か。
行く先々の景色に思いを馳せ、そこに交わる自分の衣の色の「親和性」難しいとか、面倒だ。ということではなくて、考えてみる。というのが、よいのだと思います。
今回、シシングハーストにも行きます。この写真は、おもわず、撮らせていただいた写真ですが、完璧ですね。
もう、何年も前になりますが、ベス・チャトーさんを訪ねた時。まんなかで一番派手な感じのピンクのシャツ着ておられるのが、ベスさん。右側の緑のシャツが私。
やっぱり、これを見ても、私自身、もっと華やかでもよかったかなと思います。ベスさんと肩を並べるほどに。
普段の暮らしとは、まったく違う次元に行くのだったな。と、思い出します。
ガーデンツアー、初日は、オックスフォードのホテルを朝、出発。朝はお茶かコーヒー、しっかりと朝食をとって。
1、Pettifers Garden で、紅茶付きのビジット。
2、Highgrove Gardens 昼前後に、チャールズ皇太子の庭へ。ハイグローブ内のレストランでランチ。
ここは、周囲のお客さまも、わりとアッパーなクラスのアッパーな年齢層の方々がランチをする確率高し。やっぱり、白系で行こうかなと思っております。
3、Jekka's Herb Farm へ。ここでも、紅茶のサービス付きで。
ジェッカさんの庭の見学が終わるとブリストルのホテルへ。
イギリスの病院に入院していたとき、病院で、1日に7回のお茶がでてびっくりしましたが、
アーリーモーニング、ブレックファースト、イレブンジス、ランチ、アフタヌーンティー、ディナー、そして、寝る前のイブニングティ。このレベルで、初日は、たくさんのお茶を飲むことになりそうです。
August 24, 2016
いつ、来ても感動します。
銀河庭園の美しさ。
バニー・ギネスさんのデザイン力。
カラマグロティス。台風の後でも、すっくと立って、すごい。
しかし、低い場所では、水が溜まって、美しく見えるけれども。これhガーデナーにとっては、厳しい眺め。
でも、この白樺と、ベルベリス(メギ)とベロニカ・ストラムと。素敵なコンポジション。この美しさに対して、花が咲いてないとか言われてしまうことあって、ガーデナーはそんな時....。
私だったらカッとなって、言わなくていいこと、言ってしまうだろう。嗚呼!
土壌環境や気温。私の知る世界とまた違う。
嗚呼ー。でも、本当に美しい。ブラック&ホワイトガーデンでした。
スケールの大きさで度肝を抜かれるドラゴンの庭。庭。景色やデザインの面白さよりも、花が見たいでしょうか。
ドラゴンの顔。素敵だと思う。でも背びれの部分はなんとか、考えていけたらいいですね。
尖ったアーキテクチャラルプランツで。
あ!美しいダリア! これは、ビショップ・オブ・ランダフ?いいえ、ジャパニーズ・ビショップという品種?え、そんなのがあるの。丈夫で良く咲く、いい品種です。
やっぱり元気に咲く花を見ると、テンションが上がります。工夫して、たっくさん花が咲く景色、作るのも私たちの仕事ですね。
August 23, 2016
支柱先手必勝!
昨日の台風、各地で大きな被害が出たと思います。何しろ、この時期、背が高くなった宿根草たち。台風の強風でポキポキ。私の庭でもジニアが折れてしまい。
ところが先手必勝。あまりひどくは折れてない!のは、箱根 星の王子さまミュージアム。
今日は、星の王子さまミュージアムから台風被害の報告メールで写真を送ってもらったので。それを。
実は今、北海道、銀河庭園に来ているのですが、銀河庭園の写真は、また明日にでも!
箱根。やはり東京都心よりも涼しいので、シュウメイギクが咲き出して。
実は、6月から、ずっと皇帝ダリア、ガッツァリアが、ずううう〜っと咲いて3ヶ月目。
そうなると高さも出るので。それで台風で折れそうというので、その前に麻ヒモで。
しかし、ガイラルディアはバタバタと。もう、一旦重たい花首が落っこちてしまうと戻りにくいので花芽を残してカットバックを。肥料さえサポートしていれば、晩秋まで咲きます。
エキナセアとか。これも、頭が重いと雨で倒れます。倒れる典型アナベルは、今回、早期に支柱大作戦。まあ、庭が支柱だらけになってしまい。
7月はこうでした。ピンク アナベル。この後、普通に茶色くなるのでコノドライ花を残すか、切るのか悩みます。
ヘリアンサス。ルドベキア、奥に見えるのは、淡い黄色のマリゴールド。
これですね。マリゴールドはずっと咲いてくれるので、好きな色を見つけたら是非、ですね。
初夏に色彩を放っていたコーナーも今はちょっと厳しい感じ。次に植え替えをするのは、9月、イギリスから戻ってから。今は暑くて、まだ何を植えてもうまくいかないでしょう。ちょっと我慢の日々です。
7月はこんな感じでした。
しかし、相変わらず、ラ・セビリアーナがよく咲いています。ソコヂカラあり。
台風直後の箱根からでした。明日は、晴天の恵庭、銀河庭園からご報告の予定です。
August 21, 2016
9月は、グラス類の植物が美しくなる時期でしょうか。日本では、台風や大雨で倒れてしまいそうな植物が、夏の終わりにイギリスの庭で、いい感じで風に吹かれているところを見ると羨ましくて。真似をしたくなります。
新型の庭。いろいろ登場中ですが、今回、実は RHS ウィズレーガーデンに行くのも楽しみです。
Piet Oudlf さんのボーダーがあるし、フラワーショウも開催中。どんな9月を提案しているでしょうか。
調べても、調べても、きりがない。知りたいこと、たくさん。
でも、知らないで済ませられないので、ありとあらゆる資料からイギリスのツアーの可能性を探しています。とても時間がかかります。
それから、久ぶりのロンドンなので、短い滞在ですが、行きたい場所を絞って、探しています。
ルーフガーデンの美しいホテル。そこで朝食を食べるのも楽しみ。
ピンポイントで訪ねたいところ、絞って。
ロンドン、パリ、ニューヨーク。それぞれの都会で探すのは、手芸店。
リバティ・デパートの手芸コーナー。便利なところで基本の手芸用品が買えるので、John Lewi などと一緒に、 たいていは、行くのですが、本当は、かわいい路面店に行きたくも思います。それがだいたいちょっと外れたところにあります。
今回は、必ず行こうと思っているのが、
Camden Passage にある 毛糸専門店 Loop 。
http://www.loopknittingshop.com
ロンドンのニッティングブームはまだ当分続いていると聞いていますが、やはり、色彩センスが素晴らしい!
私はガーデニングと、手芸。どっちがなくても、生きていけないなあと思うのですが、もちろんイギリスは、ガーデニングの王国ですが、手芸の世界も細々とではあるけれども、センスのいい世界が生き延びている。そこにうっとりです。
さて!先日、お知らせしていた、チャリティ・ニット・カフェ。コルミッコのイベントまで、あと6日です。
ファッション・ブログのほうでは、コルミッコの作り方の最新版がダウンロードできるようにしてありますが、独創的に作るのも楽しいものです。
この時期、庭にでると、必ず蚊に食われるので、万全の装備をしないと外に出られないのですが、手芸ならちょっとした移動の最中とか、お昼休みに構えないでたのしめます。この週末の最新作(下)
これ以上リラックスできること、ほかになしという感じで。コルミッコ作り。
最近どこへ行くにも毛糸のセットを持ち歩いています。古い毛糸を出してきて、色を結んで繋げて色あわせをしたり。ここに写っているコルミッコは昨日完成したのですが、毛糸、実は、その上の写真。1986年にイギリスで買ったウール刺繍の残りの糸を集めて編んだもの。たまたま実家にこの毛糸がずっとしまってあったのを見つけて。なんて古い古い30年前のイギリスの毛糸で編みました。台風の日、窓に大雨が吹き付ける室内で。
色の感じが、やはり、ちょっとしたことで、今の日本では手に入らない感じです。(実はチャリティでは、このコルミッコ、各2000円で販売します。誰の手に渡るでしょうか)先日、絵の具のことを書きましたが、毛糸も、やはり、ヨーロッパには、かなり微妙な色だしあり。
なので次に、ロンドンに行ったら、また少し毛糸を買って。また、次の10年でも、楽しく編み物ができるとしあわせですが。
それにしてもこのところ、台風が次から次へとやってきて、植物たちがちょっとかわいそうな風情です。
成長の早い樹木は折れることも多し。なので、朝は5時に庭にでて、伸びすぎた枝葉を刈り込んで。と、でも、庭仕事はもう少し涼しくなってからの方が安全でしょうか。熱中症の心配。まだまだありますね。