August 2017
August 27, 2017
世界の見るべきブルータリズム(brutalism)の建築10に入っている、ロンドンのバービカンセンター。ロンドン交響楽団とBBC交響楽団の演奏本拠地でもあるヨーロッパ最大の芸術文化複合施設のなかにできた庭。
いわゆるニューペレニアルの庭をできるだけたくさん見るべく、例のオリンピックパークの植栽デザインをしたナイジェル・デュネット氏のプランした庭を見に行きました。(写真は7月9日)
この建築、2003年に、ロンドンのもっとも醜い建築("London's ugliest building")に選ばれています...。私もこの建築、長いこと好きじゃなかったのですが、物事って不思議ですよね。イズムみたいな名前があると、見方が変わる。意味が高まり、価値が膨らむ。
同じ2003年、人工地盤屋上の耐水工事と同時に、これまでハイメンテナンスだった花壇や芝生などの庭を、ローメンテナンスの庭として設計変更。それを担ったナイジェル・デュネット氏
http://www.nigeldunnett.com/barbican/できてすぐに見学に行くのも良いのですが、庭は、10年以上が経った時の意味や価値も重要です。
『デザインされたプラントコミュニティ』ここが重要。 デザインされた植物コミュニティが、生態学的にお互いに存続性があり、自然な植物生態系の特徴を捉えて選ばれ、それなりに面白い眺めが長く続く。
しかも、人口潅水はしない。
ブルータル(brutal)=無慈悲
まさに、潤いを感じるのは難しい乾いたコンクリート打ちっ放しの建築に、この野生的、ナチュラルな植栽が心に潤いを与える。1970年代のモダンデザインと21世紀初頭の新たなガーデンのコンセプトの対照が素敵です。住居棟の窓辺にずら〜っと並んだゼラニウムやペチュニアなどのウインドウコンテナも印象的。
トリトマ、バーベナボナリエンシス、グラス類、アリウム類でミックスプランティング。
この混ざり具合が地面の露呈をなくし全体に植物でまんべんなく埋まったように見える。
時間がなかったので、バービカンエステートにはタクシーで行った。すると地図上の右下(T)の場所に到着。コンサートや美術館に行くにはここからが早道なのですが、目的の庭に行き着くまで、かなり迷ってしまいました。ついでといってはなんですが、ブルータル建築内部を見学。コンクリートの塊のなかをウロウロウロウロ。有名な温室は時間の関係でパス。しかし、なんのことはない、地下鉄バービカン駅から歩いてすぐ。駅からの歩道を渡ってすぐのところからその庭が始まる。実際に行かれる時は、駅からのアクセスが便利です。
以前にご紹介したPiet Oudolf さんデザインの Potters Fields Park もそうですが、世界中でこのムーブメントが広がりつつあります。
昨日、Pietoudolf さんのInstagramにアップされた、ドイツにあるMaximilian Park のペレニアル・ガーデンが素晴らしかったです。いますぐ行ってみたい景色です。
August 25, 2017
またここ数日暑いですね。残暑厳しき折ですが、先月、ロンドンに滞在した際に予約をして出かけた、SPRING という名のレストラン、とても素敵だったのでご紹介を。
アートとカルチャーの拠点としてもICONIQなサマセットハウスの一角にあります。
サマセットハウスには以前ご紹介したトムズキッチンなどもあり、どっちを先に行こうか迷うほどですが(どちらも素敵! トムズは、ハンサム、スプリングは、フェミニンな印象)
SPRINGが開店前から注目されていたのは、あのピーターシャムナーサリーのレストランの名声を高めた、セレブシェフ Skye Gyngell にあり。
インテリアデザインは、まさにブルーミング。一年中春のような雰囲気です。
人物を写せなくて残念ですが、セレブカップルっぽい方々もたくさん。
シャッター音のしない設定で雰囲気のみお知らせ。
料理のカテゴリーでうえば、モダンブリティッシュ。フレッシュで、オーガニック、素材を生かしたヘルシーメニューが中心です。
男女カップルでのお出かけが基本のイギリスでも、ここは女子同士で、来やすい雰囲気。ただし、どんな季節であれ、白っぽいアウターとか、トップスのお洋服でいくことをお勧めします。
空間がホワイトだし、来ているゲストたちもかなりホワイトでした。
サマセットハウスには美術館やイベントスペースもあるので、レストラン以外にも見るべきイベントがあれば要チェックですね。
サマセットハウスのことと、この時、開催されていたイザベラ・ブロウの回顧展。今も忘れられない感動が心に沁みていますが、
その記事はこちら http://shadeyoshiya.com/blog/サマセットハウス@london
さて、明日は、日本橋三越本店で「GARDEN TEA PARY 」のトークショウ。午前11:00から....。
A cup of Tea について
お知らせがもうひとつ。写真は台湾、淡水の山の中腹にある「春餘園子」
2018年2月に開催予定の「吉谷桂子的台湾現代意匠散歩」ツアーの開示がネットだけで始まりました。今年の7月のイギリスツアー、マナーハウスの部屋の予約可能数に限りがあり(15部屋しかとれず)どうしてもキャンセル待ちがたくさん出てしまったのですが、今回も、日月潭の「ザ・ラルー」ホテルが15部屋しかとれていないので、お一人で宿泊される方が多いと、すぐに満席になってしまうので、なるべくお早めのご予約がお勧めです。http://tabi.omni7.jp/7tabi/ab_tour/618701/
August 17, 2017
8月の銀河庭園は、本当に気持ちがいい。
東京では、5〜6月に咲き終わっているような宿根草が、今すてきです。
ブラック&ホワイトガーデンのリアトリス、後ろはベロニカストラム。
群生するベロニカストラムが壮観。この、群生と直立する姿が素晴らしくて。
一言で言うと、「気持ちいい!」
これから、ダリアが咲いて来ます。今、手前で咲いているのは、クレオメ。
カサブランカも今咲くのですね。我が家では6月。
ペニセタム。風に揺れてふわふわ〜。動きの美も鑑賞ポイントです。
オカトラノオ
それでいて一足早いシュウメイギク
今欲しい球根花の一つ、ヒメオオギ
そして、これからはダリアの季節です
ヘメロカリスも今まだ美しい。
花の美術館だなあとつくづく思う。銀河庭園でした。今日も植え替え作業に行って来ます。
銀河庭園、8月の様子を確認するためと、いくつかの会議、検討、発案、実施決定などのために、北海道へ。発案と言っても、後にも先にも、土壌改良。草花を育てるには、やはり厳しい火山礫っぽい土地の改良。手間も予算も工夫をしなくてはいけないが、何より時間もかかる。
自分の経験値。イギリスに始まって、東京はもとより、群馬や静岡県や神奈川県でも経験したことのない土地で、短い期間にそう簡単に、思い通りに植物たちが育つとは限らないけれど、やはり時間は、かかるとはいえ限りあり。効率よく結果を出すにはどうするか。うまく行っているもの。さらなる努力や改良が必要なもの。課題は山積みですが、この庭で、10年前からすくすくと育って素敵な植物たちもたくさんいます。そこにも大注目。
サステナビリティはそこにあり!
写真はクロコスミア・ルシファー。満開の様子も素晴らしいけれどこの葉群の美しさと、いわば、ピート・アウドルフ氏がいう所の「Born to dead (芽出しから枯れるまで)」が魅力的な植物。
写真は先月の様子で 、今はまだ羽田空港。まだ帰省ラッシュが続き、とても混んでいます。羽田空港の駐車場は、朝の6時頃に来ないと満車になることあり。なので、本日も4時半起きで。
北海道の気候ならこのようにアリウムのドライになる美しい姿が楽しめてこれは本当に素敵です。
湿気の多い本州では梅雨の間にカビて真っ黒に。それは早く抜かないと。ということになります。
とてもじゃないけれども植えっぱなしで翌年になど咲かない。あらかじめ豊かな土壌で、水はけを肥料も考えて十分に太らせた球根なら掘り上げて通気しながら夏ごし。さもなくば、痩せた球根なら来年の開花の見込みは?微妙。しかし、せっかく太らせた球根でも、夏ごしの間にカビを生やすことあり。
なので、この美しさは、北海道で十分に堪能を。
そして、このビスタも。
お天気が悪いとドラマチックな演出なしで(いわば照明を消したような状態で)鑑賞せざるを得ませんが、これから訪れるであろう、秋の日の夕方など。素晴らしい景色を探しにいかがでしょう。
それにしても全国的にお天気が良くないです。
せめて気持ちだけでも晴れ晴れと、悪天でも頑張って咲く花たちがいたら、「よく頑張って咲いたね!」と、庭の花たちと気の交換をするのも、私は大切なことと思います。
さて、搭乗ゲートへ。本日の庭の様子、うまく育った植物のご報告はまた24時間以内に!
August 15, 2017
パリのBIOマルシェ。オーガニック・マルシェのストールは、ほとんど食品屋さんですが、わずかに自然素材の雑貨やオーガニック石鹸やアロマ屋さんがあり、そこで見つけたこれ。
オーガニックな雑貨には、南仏ほかフランスの田舎からやってきた素敵なものがありますが、なかにはアフリカや中東などの珍しいものも売っていて、それがこれでした。
このセットを一言で、「何と呼ぶのか」未だ判明しておらず。その場でお店の人から聞いたことは、メモしないと忘れてしまう。失敗。今、覚えていることとわかったことだけでいえば。
丸く黒いものは、エチオピアの香炭。シーシャ炭とも呼ぶらしい。水パイプ用の炭でもある。
この香炭に火をつけて、その上に乗せたのは、フランス語を訳してみたら「香岩」とも「樹脂香」とも。それも、いろいろな種類の香りがありました。
どれを選ぶとよいのかわからず。マルシェのマダムのおすすめをいくつか。それが、 Benjoin と Oliban
Benjoin は、ツツジ目エゴノキ科の安息香の樹脂。リラックス、心を鎮めるのに効果的。
もうひとつの Oliban は、オリバナム乳香、フランキンセンス。これはもう言わずもがな。イライラを和らげ、集中力を得る香り、仕事に、息抜きに、これも暮らしに欠かせない香りです。
さて、そのまた上に、その時の気分で、アロマオイルを数滴垂らすとよいのよ。と、マダムの助言。南仏産のラベンダーやモロッコ産のローズマリーをおすすめされました。家にもいろいろストックがあったか?と思いましたが、買ってみました。パワーが違うかもしれないので。
パリで買った後、借りていたアパルトマンの部屋で試したらかなりの煙がでて、火災報知器が感応するかと焦りましたが、自宅なら、蚊取り線香とそう変わらない感じの煙。
今日のように、湿度が高く、雨や曇りの日に、香を焚くのは気持ちの良い一時を過ごすのに効果的です。
このパリで買ってきた香炭がなくなったら、日本の香炭を使えば良いかと。さらに、そこに乗せる樹脂香も、レジンインセンスとか、そんな名前で。どうやらネットでも売っていました。インド製が多いようですが、そこに垂らすアロマオイルの香りも、いろいろ試して...。楽しいです。
湿気の強い日の夕方におすすめ。