旅の荷物/ブリリアンテに
旅の支度、案外時間を取られます。また、
若い時にくらべて、マダムはとても時間がかかるようになってます。
荷物を減らすコツは、メモ帳などに必要最小限のリストを作って
それ以上増やさないこと。メモがないと、要らないものが
どんどん鞄に入ってしまいます。すると移動で辛い思いをします。
若き日々は、出たとこ勝負の着たきりスズメで旅ができた。
成田を出るときは、ほとんどの空っぽのスーツケースで。
常備薬も、化粧品も、現地調達が基本。どこへ行くにも
黒い、動きやすい服で。
しかし、それには私、反省がありました。
西洋では、顔色の濁った印象の東洋人(特に私は、日焼けして
顔色がくすんでいる)色彩的に汚れて見え
ショウウインドウに映った自分を見て愕然とするんです。
西洋を旅する時は、努めて明るい色を。
それがレストランやブティックで
感じのよい対応をしてもらう秘訣。 服の色彩、おしゃれ度で
まわりの対応が全然違う。ーーー高尾山に行くようなスタイルで
シャンゼリゼを歩かないで! と、つくづく思う。
なので、服のTPOがかなり気になり、ハイヒール&夜のお出かけ用
昼だって、明るい色のバリエーションが必要。
常備薬(サプリも含む)化粧雑貨、電気製品、
いろいろの持ち物があって、すぐに20キロ。それでは、
買い物もできないし、移動も大変だ。
10キロ以内に制限するのに、かなりの時間がかかる。
旅程が5日だろうが10日だろうが、2週間だろうが
服は、移動で着る服以外に2種類までにしぼる。
軽い素材で。明るい色で。軽く明るく!
スカーフなどでイメージの変化が出るよう工夫する。
下着靴下類は、手洗い基本の最小限。海外のホテル、冬の場合は
一晩で乾く。個人旅行は時間が自由なので、
足りなければ、いつでも買いに行ける。
でも、海外ロケのときはそうも行かず、場面に合わせて
多めにそろえる。自由時間はほとんどないので、買い物もできない。
最初から、27キロほどの荷物で出発。お迎えの車やスタッフが
いるから自分では持ち上げられなくても大丈夫。仕事だから。
今回は、個人旅行。移動が多いので、とにかく減らした。コートなんて
毎日同じ。気分は飽きるけれど、ずっと同じ街にいる訳でなし。
ところが、出発前にヨーロッパに大寒波のニュース。
厚手の手袋、毛皮の帽子、ホカロン、ヒート系下着上下、子供の分も。
などと、余計な要素が、さらにさらに増えた。
でも、実際は、氷点下ではない。空港、列車内など
屋根のある場所で大汗。足らないくらいで丁度良いのだ。
さて、あるときラジオの放送で、イタリア人から聞いた話。
「日本人が固まっている景色は黒っぽくて、輝きがない」って。
その「輝き」ってのをイタリア流に「ブリリアンテ」といってた。
そうかもなあ。と、その言葉が、私の心に響いた。
イタリア人って、明るく濁りのない肌色に軽妙な合わせた
おしゃれがうまい。おじさんも、ベイジュのコートを美しく着る。
マダムは、真っ赤なスカーフなどを上手にあわせる。
パリやベルギー、ドイツの街では、灰色の服も良いのだけれども
南仏やイタリアって、どうも、ブリリアントな色彩だなと。
ところがそんな色彩を東京で着ると、これまた似合わないのだ。
ずっと前、イタリアを1ヶ月ほど旅したとき、
ピンクの皮のコートを買ってしまい、これが東京で×だった。
ハワイで似合う服も、日本では×。ハワイの服はハワイで。
とはいえ、年を取るほど、明るくて派手な色の服を着るよう
ブリリアンテな色彩を自分のなかに取り入れるよう、
努力はしたほうが良いとは思っているんです。
これまた、服選びも楽な方へ、転びがちなので。
日本人の着物のセンス。素晴らしいのに、おばあさんの着物は
ネズミ色って、誰が決めたの! おばあさんは奇麗な色を着よう。
2010年は、珊瑚色で行く!服も口紅も!そして、補色にグレー
を合わせるなどして膨張色とのバランスを。