The art of plants ecology
(写真は、1997年、夏のシシングハーストキャッスル 午後7時半。
園内は私たち夫婦とカメラマンと編集者のみ。ひとけが引いた瞬間
草葉の陰からホワイトガーデンに現れたハリネズミ。
ナショナルトラストがオーガニックガーデニングを提唱しているおかげで
安心してナメクジを食べにやってくるのだな、と、勝手に思った吉谷)
今日は、先日鹿児島で開催した講演会の内容の一部を
ご紹介したいと思います。
講演会では、さまざまな台詞が画像に載って登場しますが
書き写そうとされる方々の気配を感じつつ、
時間の関係で次に行かなくてはならないことも多く、
お伝えしたかったことが飛ばされてしまうこともあります。
しかし、私の本に何度も登場する台詞でもあり。
こうして文字化すると、つまらないかもしれませんが
ただ、改めてここに編集しなおして記載すると
新鮮に感じていただけるかもと思い...。
The art of planting はよくご存じだと思います。
イギリスのガーデンのお土産屋さんで、この文字の入ったTシャツが
売ってます。直訳すれば、植栽の芸術ってところか。
チャールズ皇太子の有名な台詞も「生きた植物を使った絵画作り」
でも、庭には、プランツ・エコロジーが密接に関わってきます。
そこで、一歩も二歩も先を行ったのが、かの、ベス・チャトー先生です。
1996年のベス・チャトー先生への長いインタビューの後
「何であれ、大切なのはプランツ・エコロジー」と伺い、以来
私の魂には、その言葉が杭みたいに打たれたのだと思う。
ありがたき、お言葉でした。
Photo Chisako Hara
(写真は2007年 ベス・チャトーさんと
9 年ぶりの再会の時の写真
このとき、ツアーを変更して、ツアーメンバー全員で進路変更
グレートディクスターまで先生を追いかけた。
私、舞い上がりすぎです。スミマセン。後から反省)
(杭となったとはいえ、よくわからず、延々と植栽の失敗
The failure of Planting を繰り返してきたわけですが)
ともあれ.....
「プランツ・エコロジー」と「芸術」をまさに一体化させたのが
あの、ベス・チャトー・ガーデンです。
ベスチャトーガーデンのグラベルガーデンは
乾燥に強い植物の庭
そして、香り高き世界最高のアートガーデンです
ここがまさに The art of plants ecology
そもそも、いつもでてくる Plants Ecology って何でしょう。
エコロジー、最近は「エコ」と聞くと「減税の対象?」
だなんて、思っちゃいませんか? まあ、それもそうだけど。
こっちは多分、economy の eco なんだと思います。
エコロジーを辞書で引くと
生態学 《人間を含めた生物 (organisms) とその環境
(environment) との相互関係を研究する学問》とあります。
まさにプランツ・エコロジーは、植物とその環境の
相互関係に、心を砕くことをいうのでしょう。
その後「ガーデニングはアートとエコロジーの共存した理想の状態」
と、あらゆる英国のガーデナーたちから、幾度となく洗礼を受けて
1998年に帰国しましたが、日本に戻ってみると、
その価値観は未だ曖昧なままでした。
まあ、基本的に、日本の物事の考え方は曖昧な点が多い。
それに、気候が、英国よりもずっと厳しい!
でもいずれにしても「おしゃれ」であることが優先され、
私自身も経済(economy)のために、「おしゃれ」であることを優先させました。エコノミーって、言葉は似ているのに、エコロジーとは
全然 違います。ちなみにギリシャ語の economy の語源は「家計」
話が逸れましたが
これからは、
「左手にアート、右手にエコロジー」
「左手に美意識(センス)と直感」「右手に技術と経験と情熱」
この両極の要素の融合が、超文化的なガーデニングだけでなく
あらゆる仕事の分野でも活かされるべき課題だと思うのですが。
また、
欲望で植物を買う事を(少し)控えて、テーマを持ちましょう。
この春、自分は何を表現したいのか
どんなバックグラウンド(環境- environment) でその表現をするのか
総合的に考えて、表現をして行きましょう。というような事を
鹿児島でお話させていただきました。いや、ちょっと違ったかな。
この頃、物忘れが激しくて、うまく思い出せないのでありますが
かいつまんでみると、私は、そんな話をしたかったんだと思います。