絵画的コンポジションの勉強法
私はすべてのガーデナーが描画の訓練をした方が良いと思います。「絵になる庭づくり」の、それが基礎だからです。絵画的素養なしに美術学校などに行かずとも、家やちょっとした講座で可能な方法。ずっと考えていたのですが、ついに発見しました! きっかけは、横尾忠則さんのインタビュー記事です。幼いころから模写がお好きだったそう。実は、私も模写が好き。やはり偉大な芸術家のエッセンスをスルスルと吸い込めるような気がするからです。で、相変わらず、ipadのお絵描きが楽しくて、忙しくても、ちょっと3分だけ。とか、楽しんでいますが、左のイラストは、天才コンポジションの芸術家、ピカソの作品(彫刻)の、コンポジションだけまねてみたものです。大きな花が真ん中で、左の花と右の蕾のバランスの違いを、左右の葉の大きさで補っています。天才の作品からこういうレッスンができます。
寄せ植えや庭づくりも、偉大な作品から影響を受け、コンポジションを作ると自分の枠からさらに広い視野に一歩前進するのではないでしょうか。
まずは、寄せ植えの作品を作る前に、たっくさんの画集を見て、これだ!と思う絵や彫刻からそのコンポジションのエッセンスを盗んでみてください。
今の日本に、色彩センスの良いガーデナーは少なくありませんが、コンポジションの弱い人は多い。絵画バランスのボリューム感が狂っていたり(デッサンが狂っているように見える)バランスが単調にみえる場合が多いので植栽に完成度がないんです。植物の大小ボリューム、線や点、面の構成。植物のフォルムをうまく活かして作品を作るともっと素敵になります。そうすると、いつかは日本の街の景色が、もっともっと素敵になるはずなのです。戦後の日本の街並みは、デッサンが狂いっぱなしだと思う。フランス人の知り合いが、成田から都心に向かうバスのなかで、これから1年間住む町がこれかと思うと、青ざめたといっていたのに、同感だった。私も若い頃は、ヨーロッパの帰り、成田からのバスのなかでムンクの「叫び」状態だったので。今は見ないように生きてるけれども。どこかでずっと、どうにかしたいって気持ちはある。
これも、先日の色彩構成の話の続きでありました。こうして、今また、新しい本づくりの準備が進んでいます。この秋以降、3冊の出版予定、できるかな?