箱根は これからがバラの季節
東京より遅れること1ヶ月弱、私が愛を注いでいる、箱根 星の王子さまミュージアムの庭にバラが咲きはじめました。これはほぼ、イギリスと同じような開花タイミング。
それにしても、先日、草ぶえの丘のバラ園へ、野村和子さんを訪ね、その時に伺ったお言葉が、ずっと印象に残っています。「バラは、最初の5年までは、どうであれ育つ。勝負はその先...」ミスターローズとして知られる鈴木省三先生の教えだそうです。
ここのバラも、しっかりと面倒を見、立派にしたいものだと思っています。
とは、いえ、バラの庭は最低でも、3年は経過しないと未熟な感じが否めない。この日、6/16に、昨年の植え付以来、初めて見たのが、ピエール・ド・ロンサール・ルージュ。とても情熱的なルージュ色で、今後の生長が楽しみです。四季咲きと言われていますが、箱根では、この一年で咲いたのはこれが初めて。
.....さて、私がデザインする庭では、メインの花を植えた、その背景を何色の植物にするのか。そのことにも、かなりのエネルギーを注いでいます。たとえば、上記の赤いツルバラの場合は、背後に見える黄色い葉群を意識して構成。
さらにその背景も近寄ってみると、黄色い葉群のなかに、小さなオレンジの花を植えたりと芸が細かい(笑)。たとえば、このカカリア(写真左)は、初夏から秋まで繰り返しよく咲く一年草ですが、箱根のような高地(ハイランド)では 、光の色温が低いので、赤やオレンジの花が美しいハレーションを起こしながら風に揺れるさまが素晴しいのです。
青い花、赤い花、それぞれが、海抜の低い地域で眺めるのとは、全く違って見えます。ですから、箱根では、私も意識して、庭のなかにアクセントとなるハレーション色を植え付けています。見学で訪れた方が、その「色彩の違い」が楽しめるように。しかし、その背景になる植物は、くすんだシックな色調にするのもポイント。メリハリがないとうるさくなるからです。そのためには、安定して静かな表情をしているヒューケラなどが大変便利です。
去年の秋に植えた宿根草で、徐々に大きく育っているアストランチアは、個人的にも大好きな花です。しかし、花も葉も、パラパラとした質感なので、それを引き立てるためには、これまた、背景が大切になります。そのためにも、まとまり感のあるヒューケラが便利なのですが、ワンパターンになるのを恐れてよく悩んでいます。
しかし、今年の秋は、アストランチアのコレクションをもっと増やしたい。土に湿気が多く曇り空の多い、箱根の気候によくあっているからです。
実際にそこの生態環境にあっているかどうかは、最初は、わからない。今までの経験と創造力が頼り。しかし、あとは、どうしても、実際にやってみないとわからないですね。とにかく、やってみることです。
生きている限りは、労力や少しのお金も使って、ひたすら経験を積むことに価値あり。と、考えます。