6月のイベントと新製品
国立西洋美術館、カポディモンテ美術館展のオープニングレセプションと、ダイソン社がこの夏新発売するエアマルチプライアーの新シリーズの発表会で久々の都会へ。東京都下に住んでいるので、青山とか上野へ行くには「今日は東京に行ってくる」と、家族に告げることになる。
9月まで開催される、イタリア・ナポリにあるカポディモンテ美術館展の注目作品は、ポスターにもなっている「貴婦人の肖像」が凄まじい美しさ!だけれども、見所は、ほかにもたくさん。ルネサンスからバロックまでの、今までに見た事のなかった優れた作品の数々。よく、ヨーロッパの美術館めぐりをしていて、慌てるような気持ちになるのは、私たちが日本にいて、名前を知ることも、その作品を観るチャンスもなかった名作に出会うことである。「その作品の存在を知る事もなく、自分が歳を重ねるのは惜しい!そういう落ち度はないようにしたい」そのように思うけれども、たとえば、ナポリの美術館へなど、なかなか行けない。実は、過去に2度もナポリに行ったのに、カポディモンテ美術館は行っていないのだ。これから先の一生においても、そう簡単にはナポリまで行けないだろう。そう思うと、絶対に見ておきたかった展覧会であった。ティッチアーノのマグダラのマリアと、グイドレーニのアタランテとヒッポメネス、素晴しかった!
それから、ダイソン社のエアマルチプライアーである。エアコン嫌いの私たちが夏の間、欠かせないのが扇風機の類い。でも、日本の扇風機はカッコ悪くて家に置けないと、扇風機選びで私たち夫婦が、何度もめたことか。でも、それも、エアマルチプライアーにて解決。持ち運びが楽なので、エアコンのない園芸作業室でも大活躍。新発表のタワーファンといわれる細長いタイプは風の容量が上下に広く当たるので、蚊がまとわりつきそうな足下にも風がくるので、特にまた気持ちいい。エアコンを弱めにつけて部屋に風を送るとこれまた穏やかに涼しく、エコにもなる。
今の私の生業は、ガーデンデザイナーでありますが、プロダクトデザイナーであった前世、じゃなくて、20年以上も前のことだけれども、インダストリアルデザインが自分の情熱の中心だった時期も長い。そして、その後のイギリス移住、テレンス・コンラン卿とのコラボレーションによるボタニカの庭づくり、そして、ジェームス・ダイソン卿とのご縁に繋がる。素晴しいデザインは、見た目だけでなく、メカニズムも素晴しい。美しい庭は、見た目だけでなく、自然の理にかなったものでなくてはならない。デザインとはそうしたもの。
そういえば、私がデザインしたバッグがもうすぐ発売になります。今年の2月にスタートして、長かったけれども、ようやく商品化。見た目はもちろん、軽くて、便利な機能がついて、必ずや普段の生活に便利で嬉しいバッグになると思います。最初の販売は、ミセスの誌上通販で、その後、秋になったら、いまのところ、箱根星の王子さまミュージアム、京成バラ園など、ご縁のあるショップで発売します。ファブリックは、すべて英国サンダーソン社の生地です。
ハードに使い込まれる椅子の張り地としても使われるインテリアファブリックの丈夫さに注目、しかも、テキスタイル・デザインの美しい英国製を使ったバッグなんて、他にないはず...。
バッグの内部は、チャックやポケット類。たくさんのものを仕分けしながら、持ち運べるようになっています。
取っ手の部分はもちろん本皮。葉っぱのデザインに施されたステッチが葉っぱの葉脈風で強度をつけています。
今後はさらに素敵な模様の生地のバリエーションも増やしていきたく思っていて、この秋に出るのは、ウイリアムモリスのデザインによるバラの模様。サンダーソンのフラワーもチーフは、どれも素晴しいものばかりで、一点に絞るのは至難の業。また、この日本のバッグメーカーさんの技術も素晴しく、仕立ての良さも大事なポイントです。乞うご期待!