ロンドンのリージェンツパーク
このたびのツアーで寄るつもりが、暑さも手伝って予定を端折ったので、帰国の前日、夕食の後に立ち寄りました。
これで、午後9時ころ。かの地に住んでいた時代、家から歩いて5分だったハムステッドヒース、ゴルダーズパークに次いで、車で15分ほどの距離にあるここがもっとも、季節ごとの花が美しくて、私はこの公園を愛していました。ほぼ毎週のように通っていたのです。
それで、7月11日に久しぶりに訪ねたときのこと。有名なバラ園はその見頃を終えていましたが、暑い日だったので、目に涼しい、こんな池の景色に気持ちが惹かれました。それがこの写真ですが、いつまでも眺めていたい景色でした。
バラはもちろんのこと、花は見頃を過ぎてしまうと人の興味をそそらないのがたまにキズです。だから、花が咲いていなくても興味をそそる植物に軍配が上がってしまうのはこんな時。
左の景色、クイーメリーガーデンズカフェの花壇は、ここ数年、夏はまったく同じ植栽です。バーベナ・ボナリエンシスとエリンジューム、スティパ・テヌイシマ、そしてアリウム、この4種はベスチャトー・ガーデンのドライガーデンでもおなじみの品種たち。要するに、水やりをしなくても、花がら摘みをしなくても、一度植えたらそれっきりで秋まで放置できるような雰囲気の植栽。これ、湿気が強いとうまく行かない植物ですが、まさに「テクスチャーの植栽」急に気温が上がり、ほかの花壇はあまりきれいではなかったけれども、こういう箇所の魅力はイギリスならではのテイストを感じます。これ、東京ではこうはいかない。
10年ほど前からセミトロピカルガーデンに注目が集まっています。グラス類、ダリアやカンナの他、ここに映っているのは、珍しい銅葉のバナナ。葉の彫刻的な造形だけでもダイナミックなおもしろみがあり、実は私、このコーナーが見たくてリージェンツパークに来たのです。温暖化の進む公園緑化で何がふさわしいのか。ロンドンの公園も予算削減に悩んでいるのは解っていましたが、やはり、管理費をしぼるのは今のご時世。そんな中、ローメンテナンスでたくさんの人の目を楽しませる植栽とは、どんな?
そのあたりを皆さんに見学しながら解説したかったのでしたが、この庭は個人でも訪ねられるからわざわざバスで立ち寄らなくてもいいですよ。との、声あり。最もだなと思い、最後に個人的にタクシーでやってきたと言う訳。
目に楽しかったのは、グラウンドカバー植物で構成されたガーデナーのオブジェ。
おもに、セダム、アジュガ、そして、周囲はグラス類、ゼラニウム、マリゴールドなどでシックな色味。
公園は、植物の姿で人の心を癒すのも大事な役割。このようなかわいいオブジェがあると嬉しいですが、どのくらいの耐用期間があるのだろうか。
何も派手な花壇を作るばかりがガーデンではないし、ここには、おもてなしの心なども感じた。
公園はみんなの憩いの場所ですが、美しい花壇が多いクイーンメリーズガーデンズは、わんちゃん立ち入り禁止。
普通はパークどころか、バスなどの公共交通もわんちゃん可なので、立ち入り禁止は珍しい。そんな禁止の札も、文字だけなら心が緊張してしまうけれども、思わず心がほぐれるような写真付き。
眺め、ビジュアルな効果って、本当に大きいと思う。
ブログもきっとそうですね。
写真があるかないかで印象がまったく変わってくるでしょう。
美しい庭を作るためのトレーニングは永久に終わらない。