サントリーナ
先日、猛暑のまっただ中、サントリーナを買ってきました。いえ、ギリシャのサントリーナ島ではなく、植物のほう。近所の園芸店で380円。で、ひと株買ったらおまけに二株頂いた。もう、売れないかもしれないからってプレゼント。
ルーフガーデン用に乾燥に強い植物を探していたのですが、これって湿気を嫌うので、普通の日本の庭の条件では厳しい植物ですが、乾燥には強い。
今まで、なんどもダメにしてきた経験だけは豊富なサントリーナ。ロンドンでも東京で地面はもちろん、最高級の土を使ったコンテナでも、失ってきた。なので、ここ数年欲しい思っても、手がでませんでした。
秋〜春はともかく、梅雨〜猛暑と続いて黒くなって根腐れしておしまいだったのです。
ちなみに左の写真はわがルーフガーデンにやってきたサントリーナ、空の青さがちょと違いますが、たしかに強光線に似合います。
(その後コメントを頂きましたが、懲りもせずサントリーナを買い求め、夏にダメにしてしまう同朋が少なくないことを知り、妙に嬉しくなりました)
数年前の夏、ギリシャのサントリーナ島を訪ねました。そこでの体感気温以来、その原産地名を冠したサントリーナを日本で育てるなんて無謀もいいところだと気づいたんです。とにかくかの地は、カラッカラの天気。パリパリに肌が乾いてドライエアそのもの。それでいて、8月だというのに、汗で肌がベタつくことはなく、長袖で心地よく日陰は涼しく快適。
問題は、なのに、どうして日本で売られているのだろうか。今でも不思議。冬も見目麗しく、箱根(湿気の王国!)では、なんと秋に植えて見事に綺麗なフォリッジを晩春まで膨らませた。でも、夏前にお陀仏。かわいい黄色い玉っころみたいな花の開花は観られなかった。
この写真は糖度が高いことで有名なサントリーナ島のトマト栽培地。ほとんど砂地の、カサカサの地。葉も茶色でチリチリ。見た目はよくないのですが、命ぎりぎりで甘くて美味しいトマトができあがるという訳。そういう生態系で育つ美しきおいしきもの。
この断崖に生き生きと生命を謳歌しているサントリーナが生えています。で、これ、ひょっとして我が家の屋上でうまく行くのか? そう思った私が甘かったか、図星だったかは、また後日に白状します。しかし、植物の原産地を体験することはとても有意義です。頭で覚えるのではなく、体感したプランツエコロジーはそれを日本に当てはめる際に、その正解率が上がります。
観光で行くには、美しく食べ物美味しく、人なつこい現地人の多いギリシャ。経済が破綻しようが、雨がまったく降らなかろうが、美しき青い空と独特の建築様式のこの景色が永遠に旅人を魅了します。
私自身、心根の最も深いところでもっとも引かれる美術がギリシャ彫刻と神殿建築なのですが、これが、奈良の美術と繋がって、親しみの念を持って双方を眺めていると不思議に先祖供養をしているような気になるのです。
夏が来ると思い出す、ギリシャの海、白い島。
と、鼻歌を歌いながらも蚊に食われ水やりをする朝であります。でも現実は
ちょいと一杯のつもりが.....。いつのまにやら1時間、気がつきゃヤブ蚊に十カ所も食われ、これじゃ気分のいいわけないよ。わかっちゃいるけどやめられないと植木等さんのスーダラ節で幕開けする朝の水やりでした。ヤブ蚊さえいなければ、ガーデニングはもっと気楽なのに。毎朝重装備で水やりするのはちょいとばかり気が重いですね。