吉谷桂子のガーデニングブログ

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September 05, 2010

害虫対策追伸

追伸です:さまざまな意見をいただき、ありがとうございました。

R0015552写真はツゲメイガの被害がでた Buxus sempervirens 16年前にイギリスから5cmほどの挿し木で持ち帰り、私が100%スタンダードに仕立てた日本にはないコモンボックス、イギリスのツゲですが、毎年今頃、このツゲメイガにやられます。超大切な株なので、目につくところに置いて、発生したらすぐに手袋を使って手で捕殺。被害を最小に食い止める努力で毎年切り抜けている。7月ころまでは見事な美しさで、冬にはまた綺麗に戻る。10本ほど挿し木して現在のこっている6本のうち一番大きな株。目に入れても痛くないほど可愛がっているけど、長期的に効き目のある農薬散布はしていない。

さて、私が18年前にイギリスでガーデニングをスタートしたころはまだ、有機農法は、メジャーではありませんでした。しかし、徐々に有機農法が支持され、今ではほとんど当たり前。そしてイギリスで販売される害虫対策の薬には国の規制も加わり、ずっと厳しくなり15年前はどこにでも売っていた害虫退治の薬が、今は売っていないような状態です。よく効く薬が売っていないので、園芸家も苦労が増え、メーカーさんも大変だろうなあ、と思いましたが、これがイギリスらしさともいえそう。徹底している。

なので、これからイギリスのガーデナーは大変かもしれません。

と、いうのも、今年の夏、ロンドンのリージェンツパークを散歩中、私も含め一緒に歩いていた数人がブヨに刺されました。

私が90年代に英国で過ごした7度の夏には、ブヨ、蜂どころか、一度もヤブ蚊にさされたことはなかったし(ただし、イギリスでワスプと呼ばれる小さな蜂に刺されたことはあり)、コガネムシもゾウムシも毛虫も見た事もなかったのです。実は最初の数年は蝶々も見た事なかった。寒かったからでしょうか。本当にたいした害虫の害にも会わずに、過ごしていたので、日本の園芸事情に出くわし本当に驚きました。それまでのイギリスの庭には、日本で市販されているような「強力殺虫スプレー!」なんて必要なかったのですから。イギリスでは、家でも庭でもゴキブリなんてみたこともなかったけれど、今、私の庭でゴキブリを発見するとゾッとする。なんであんなに許せない見た目なのだろうか。やはり殺虫スプレーは常備派。

有機肥料に集まるのか?本当のところはわからないけれど、匂いの強い有機肥料を使っているとゴキブリを見かけます。でも有機肥料はやめません。

ロンドンでブヨに刺されて10日ほど足が腫れて痒かったので、害虫について何度も考えたのですが、これから温暖化が進めば、イギリスの庭文化も危ないということです。少なくとも、姿を変えていくことは確かです。ヤブ蚊やブヨの心配がないからこそ、イギリスのガーデニングは栄えたはずなんです。現に、グレートディクスターのファーガスが言っていた、植物マニアみたいな庭は減って、手間のかからない植物を少量使ったスタイリッシュな庭という方向は本当だろう。きっと、庭は減らないけれど、植物多様性への情熱は危惧される。

文化は風土から生まれるもの。

そこに無理があると続かない。

で、英国に住んでいたときは、無農薬派だった私も、日本でガーデニングをすること12年目、今は無農薬派ではありません。たとえば、このオーガニックからケミカルまでの園芸資材の使用頻度を三段階にわけて、完全無農薬派、中間派、そのほか。と、分類しますと、私は、中間派となるように思います。

日本の伝統ある大手園芸薬品メーカーの方々と、このことについても何度もお話をしているのですが、信頼できる会社の製品を、上手に使えれば、今の日本の気候でも、なんとかなる(*サステイナブル)自然と人間との、両者の存続を視野に入れて生きること。特に庭にペット、カエルやヤモリがいると、彼らの健康を想像することでバランスをとりやすい。と、いうことです。

*sustainable=維持、継続可能、環境破壊せずに継続できるというような意味合いで使われる言葉。まさに今、サステイナブルな農業、ガーデニングを考えるべき時ですよね。

「日本の農薬取締法」は近年改正され、その安全性も高まっています。安全性や環境への配慮も含めて、私たちが正しい使用法を守ることが、とても大切です。

この熱帯アジア気候の日本で宿根草の花の庭を志向するのに、現在のイギリスの穏やかな気候と同じ条件でガーデニングを存続するには無理がある。特にこの夏は...。正午〜2時ころのベランダ、44度です!エコロジーを考えたらエアコンなんて付けられないけど、それでは自分が倒れちゃう、嗚呼エゴロジー。

さて、今日も私の庭では、適当にどこかを掘るとコガネの幼虫がでてきます。(今年は相当凄い)で、私はこれを自分の庭から徹底して絶滅させようなんて思っていません。しかし、減らしたいとは思っています。大切に思う植物の周りには防除薬を撒いておきたい。それには、何がいいかということでいうと、ニームでもオルトランDXでも木酢液でも、用法を正しく守って控えめに。というのが本心です。で、この、たとえば、3種類の名前が上がりましたが、 最後はそれを製造している会社や作り手を信用するほかないとも思うのです。木酢液の発がん性についての記事を読んだときも、本当のことを実証するには、わからなすぎるとも思いました。オーガニックだから安心ともいえないのか?とも。いやはや難しい問題ですが、無農薬派の方々のコメントも、よくわかる、賛成なので、これが私の個人的見解です。難しいけれども、よく考えて明日の地球を想像して行動を起こすべきなのは事実ですね。暑い〜。



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プロフィール

吉谷桂子

(よしやけいこ)

東京生まれ。英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。

7年間の英国滞在経験を生かした、ガーデンライフを提案。TV番組や雑誌等での企画、出演、講師を務める。また、国際バラとガーデニングショウや東京ミッドタウンのコンランレストラン「Botanica」の植栽デザインを担当。

「吉谷桂子のコンテナガーデニング」(主婦の友社)他、著書多数。

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