猛暑の英国?
今度の旅行に参加くださる a さんから、コメントをいただき、誤解があってはいけないので、追記しますね。以下は少し省略しましたが。
イギリスは梅雨がありませんので今頃返り咲き薔薇や宿根草が準備している頃だと思いますよ。アンドリューローソンさんの写真みたいなお庭に出会うなんて難しいです。だって、彼は早朝と夕暮れに撮影に入って一番素敵な画像を狙っていますもの。吉谷さんの連れてってくださるお庭ではきっと何かを発見出来るはず。それは吉谷さんが用意するものではないのでもっと気楽に一緒に楽しみましょう。
お気遣い、ありがとうございますね。
でも、私は皆様を責任もって引率するのに本気です。そして、モティスフォントには、実は苦い思い出があります。それはずっと以前のこと。15年以上も前のことですが、イギリスで最も美しい華麗なバラ園として、モティスフォントは、誰にでも、お勧めしていたのです。私自身も好きで5〜6回は行ってます。しかし、いつもバラの最盛期を狙っての時期でした。通常、イギリスのバラの最盛期は6月中旬〜下旬でした。(今は早まる傾向です)
ロンドンに住んでいたころは、日帰りで1週間おきに行ったりもできたので、マメに花の見頃をチェックできていたのです。しかし、日本から5日間くらいの旅程で庭を見にくる旅人は選択の余地がありません。
あるとき、知人が7月の上旬にモティスフォントに行きました。そして怒りの電話。「酷かった、あそこまで苦労していったのに、バラが終わってみるべき物はなにもなかった!」と。私はその方がその時期に行くことは知りませんでした。しかし、行くなともいいそびれていたのです。なので、その方は、バラが終わったバラ園で憤慨。ああ、しまった。と思いました。
モティスフォントは、ほかのバラ園と違って300種ものオールドローズのコレクションを誇る庭。オールドローズは一度に満開になったあと、パタリと咲かなくなる品種が多いものですから。それで、アデレイドオルレアンの滝のように枝垂れるトンネルも、緑のトンネルになっていたはずです。返り咲きしてくれるイングリッシュローズもかなり入っていますので、全く何もないわけではないのですが、やはり、ピークが見たかったと思います。また、私はモティスフォントにはほとんど夕暮れにしか行っていません。真っ昼間に行くと興ざめします。バラのピークは20時すぎまで開園するので、だれでも、アンドリューのような景色に出会えます。でも、7月は5時で終わる。それで、モティスフォントの7月には恐れがあったわけです。じゃ。やめれば?と思う方もあるかもしれませんが、理由は先日の記事に書きましたよね。しかし、ハンプシャーにはほかにも1級の庭があるので、心配はしていません。ブラムディーンにヒントンアンパー、大丈夫です。そして、バラが咲いてなくても、あの庭の「ゲニウスロキ」は強い。それを感じてほしい。
ただ、私が住んでいた90年代と決定的に違うのは、イギリスでも、気温が30度を軽く超すことです。住んでいた7度の夏にはそんな経験はなかった。25度で暑い!とか言ってました。エアコンが必要になったこと等なかったし、8月に入ればカシミアのセーターを着てその上にバーヴァーのジャンパーを着て、夜はセントラルヒーティングのスイッチを入れていたのです!
ただ、温暖化する今日の英国には、新たな庭を模索するスタイルも多く見られます。なので、グラハムトーマスがモティスを設計した1970年代とは違った庭のありかたを、いくつかのモダンガーデンで見いだす楽しみもあります。そういう意味で、ベスさんのドライガーデンと、グレートディクスターのセミトロピカルガーデンは先見の庭とも、いえます。最終日に行くグレートディクスター、気温が高いほど、美しくなる庭なので、そちらはそれなりに盛り上がること請け合い。
でもね。去年もそうだったのですが、30度を超えちゃうと、見ているこちらがぐったりしてしまい、庭を見るより、木陰で休んでいたい気持ちになってしまいます。植物もぐったりして美しく見えにくい。本来のイギリス、夏でもちょっと肌寒くて、晴れた日でも、たくさんの雲が浮かんで、直射日光のないリフレクションライトが庭にほんわかとあたった状態が花を美しく魅せてくれます。そんな雲も一つもない晴天だと、ギラギラして写真にもならない。
ちなみにこの写真は、データを見ると6月21日でした。時間は、午後8時ころ。雑誌の取材で訪ねたときのこと、薄手のコートが必要な感じでした。このとき、ローブリッターは五分咲き。満開が見たかったなあと、思ったのを覚えています。
なので、少しは曇り空の、イギリスらしい天候の7月でいてほしいと願ってしまいますね。私にしたところで一合一会。適度な天候に恵まれることを切に祈ります。
あ、それから、ご希望の方は滞在予定をのばすことができたはずですが、聞いてみてください。帰りの交通のアテンドがなくても大丈夫な方は、のばす方もおられます。私もひとりで13日まで居残るのでちょっと寂しい。
いつか、バラが満開のイギリスを訪ねてみようと思っていらっしゃる方々にも、旅行の計画、ベストはだいた6月中旬前後、日本の梅雨が始まったさなか。みたいなタイミングかと。もちろん、その年にもよるし、なにも確かなことはないのですが、少なくとも、チェルシーショウのころはまだ、公開庭園は静かな調子。宿根草は背が伸びていない感じです。
最後の写真は、ロンドン、ハムステッドにあった私の庭、ロドデンドロンが咲いているので、5月下旬でしょうか。バラはまだです。フクシアが夏の間じゅう、5月ころから9月ころまで、ずっと満開になります。夏の間じゅうこの庭にいて、一度も蚊に食われたこともなければ、暑くて汗をかいたなんて経験も、7年間、経験がなかったように思う。ホントの話。
そういう変化が地球に起きているということを、心に念じながら日々をよりよく節電を心がけ生きて行こう。なので。パソコンもなるべく短く......え?これは、だいぶ長いのでは(シマッタ! 汗)