牧野植物園-1
園芸家なら、一度は行ってみたいと願う、高知県立牧野植物園。(詳しくは牧野植物園のHPへ)噂以上に素晴しい場所でした。建築家、内藤廣氏による建物も素敵です。まずは牧野博士のご紹介から。
「わが姿たとえ翁と見ゆるとも 心はいつも花の真盛り」時々引用させていただいていた牧野博士の歌。深い共感で惹かれていましたが、博士の植物への姿勢もさることながら、御本人のおしゃれやユーモアのセンス、おそらく美食への興味など等、限りないさまざまの生きる姿勢。人間味、なによりもその「センス」が博士なき後も、植物園に活かされ、それによりのこの植物園が素敵な場所になっているように感じました。
まずは、植物園の入り口「土佐の植物生態園」から。それにしても、植物園は全部で5ヘクタール!!!かなりさっさと見て回ったにしても、11時から5時まで、まさに一日以上を要する場所です。
植栽設計の細かい部分まで自然でなおかつ、美的。「似た様な植物を隣どうしに植えない」と私がいつも植栽のコツでお話しますけれども、まさにフォルムの違った植物が適材適所、生態的にも高度差別、乾湿の別など、プランツエコロジーを踏まえた上で美しく植栽されていて、眺める幸せが広がります。
線の植物、ギザギザの植物、岩の面など理想的にバラしてあります。一見、自然に見えて、また植物園なのである程度の面積にいろいろな品種を陳列しなくてはならない制約のなかで、しかも、このゾーンは土佐の自生種のみ。と、見れば見るほど面白い!
先ほどからお気づきかもしれませんが、植物のプレートの管理って本当に大変なんです。植物は消えたり移動したり、突然そこに生えたりと。それが昨日、園地管理長の黒岩氏にご案内頂いた中では100%の正確さで札が付いていました。植栽管理には、黒岩氏ほか、優秀でセンスのいいスタッフが揃っていることにも感激でした。
バクチの木、幹が美しくて、見とれます。こうした美しい木の背景を単純なグリーンにしたり、細かい山野草はそれぞれが生えるような修景の作り方とか。凄く、いいですっ!
菊の自生種の展示。高知だけでも実にさまざまな自生種があるのですね?今回、道路端の崖などでもたくさんの自生菊を見ました。今、街並みは日本中どこへ行っても同じに感じてしまいますが、道路端でも自生種が違うとそんな発見が面白い。さてと、続きは数日中に。