植栽のアイデア 1 - Layered
Layered レイアードルック。って、昔、ファッションの世界で流行りましたよね。重ね着。何種類かの服の組み合わせを重ねることで生まれるひとつの世界。
重ねながら全体をコーディネーションするのは、やはり、そう簡単ではありませんが、それが醍醐味。
イングリッシュガーデンは多品種の植物を組み合わせて観賞する植物のシンフォニーですから、このレイアードルックの考え方は「植物一点だけを凝視する」傾向のある日本の園芸にはなかった考え方かもしれません。日本的鑑賞法は、バラなら、バラだけにフォーカスして育て愛でる。というような。
今回、バラとガーデニングショウで開催された「ガーデントーク」にて、私が話題にした内容のひとつ。「植栽のレイアードルックの考え方」、実はその後、多くの方々の反響をいただきまして、大変心強い思いです。たとえば、アリウムには何を一緒に組み合わせると素敵な効果があるのか。花期の短い植物の退屈解消法でもあります。ここでは、春はまだ丈の短いガウラとラムズイアーを組んでいます。
反響をいただきまして
「ああ、理解してもらえた」と。 とても嬉しいです。
この写真は高知の牧野植物園にて例の花皿鉢。黒オダマキをどう活かすか。
激しくケバいダリアをどう活かすか。これも、大勢の方々の集まる植物園の課題でした。
色彩、フォルム、質感、株間。すべてのバランスは、芸術的センスと.....、植物を育てた経験から成り立つという事は、いうまでもない。(こんな育ち方あり得ない。という植え方は避ける。日当たりの良い場所で育ったギボウシの間から、こぼれ種のオルラヤが育つのはあり得る事)そこをどう鍛えるか。それには、美しいものをたくさん見て、たくさんの植物を育てて鍛えるしかないのです。何事も経験。その経験を活かすしか。今回、たくさんのコンテスト参加者の方々から実質的なアドバイスを求められました。そのつど、そこに必要な要素をご説明したつもりですが、それ以前にもっと幅広い分野の美しいものに触れて、どうか、もっと美の感動を。ライブのオペラ、バレエ、美術館。いいえ、借りてきたビデオでもいい。センスの向上に適した美しいものに触れもっと、感動を。
こちらは、今日、写真を撮らせていただいた、コンテストBガーデンの方の植栽の一角。花期は短いけれど、超魅力的なサルピグロッシスの植わったエリア。とても魅力的でした。ジキタリスのブロッチと色が同調して。後は、やはり背後の景色の整理整頓ですよね。いい線いってるので、この感覚を昇華したらもっと凄くなるはず。懲りずに続けることに深い意味もあります。どうか、続けて下さい。
こちらの一角は、コンテストAガーデンの一角、いい感じです。優しくてとても良かったのですが、どこかにもっと強さも必要で。グランプリを取れなかったのは悔しいのですが、強さと優しさ、両方が必要なのですよね。きっと。
最後の写真は私の庭から。トークショウでお話したドリフト植栽(楕円の形状でレイアウトした植物の集合が重なり合っている)です。でも、周囲の反応を見ていると、この蝶々には殆どの方が気づかない。せっかくロンドンで買ってきたんですが。この蝶々の存在もレイアードの効果を考えて配置しておりますですよ。ちょっと向こう側の背景(会場の床が見えて)が貧弱ですけれども。