吉谷桂子のガーデニングブログ

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August 10, 2013

旅行から1ヶ月:2


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今日から、お盆休みですね。さっきベランダの温度計を見たら37度!でした。外にでられない。

納涼イギリス思い出し大会が続きます。

ウィッチフォードポタリーを後にして向かったのは、ガーデンルームズの殿堂、ヒドコートでした。詳しいヒドコートの説明は、ヴァージンエアのコラムに書いたのでそちらを読んで頂きたいのですが、やはり、この庭も、植栽の美しさもさることながら、構造物が素晴しい。

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この庭を作ったローレンス・ジョンストン大佐の居室を再現してあるかと思うのですが、なんとも良い感じの部屋です。趣味がいい。

さて、コッツウォルズは、アーツ&クラフト運動の本拠地でもあたことから、そうした造形の影響を多いに受けた構築物も、よおく観察しておきたい部分です。昔は25種類のガーデンルームズと言われていましたが、今は増えて、30のガーデンルームズ。朝から終園まで、じっくり見たい庭ですが。この日の庭のスケジュールは4カ所。次を急ぎます。
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チャールズ皇太子の庭のかなりの部分をデザインしたバナーマン夫妻のデザインした庭を。背後に見えている屋敷の一部は16世紀からある建物だそうですが、表のゲートはバナーマン夫妻のデザインによるもので、門柱にそびえる巨大なコーンのトップも、バナーマン氏のアイデアだそう。このコーンの巨大さが個性となって、ちょっと不思議な、伝統とエキセントリックの混ざった庭の存在を予感させます。
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いよいよ中へ。現在のオーナーはロンドンの画廊オーナー。この日は、この庭の ヘッドガーデナー氏に案内して頂きました。コンテナの配置やトピアリーの存在感が、フォーマルスタイルとナチュラルスタイルの混在になっていて、これまた、伝統とモダンエキセントリックの混在に重なる。
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(オーリキュラシアター。とてもオリジナルな形で凄い。ボリュームの捉え方が素晴しい)

でも、そうね。現在はバナーマン夫妻の管理ではないため、植栽の輝きは失われていたと、私は感じました。(オリジナルの写真をネットで見ることができる)けれども、構造デザインが素晴しくて、多いに勉強になる。今、ひそかに、このバナーマン夫妻の現自宅の庭を見学に行くツアーを検討中。興味のあるかたは、I&J Bannerman design のサイトを見てみて。リンクは許されているかどうか不明なので、グーグルで。
(見た?)
すご===い。ですよね。Arundel Castle の庭!エキゾチックプラントにノックアウトされます。英国の庭も温暖化で大変な変化を遂げていますが、彼らがコーンウォールに引っ越した理由がわかります。
このTrematon Castle もグループツアーのみ、アポイントで受付をしているので、次はそこを狙う他ないと考えております。

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Hanham Court に戻ります。これぞ、バナーマンスタイル。本来は石で造形するスタチューやエンタシスなど、すべて無垢の木で彫刻されています。これの、もっともっと、エキセントリックなのが、ハイグローブにもありました。

それにしても、写真を撮る位置にこの子はいつも鎮座してみんなの人気ものでした。イギリスの庭のわんちゃんたちは、本当に幸せそうです。 こちらに見えているイチイのトピアリーも、他のものも、年に2回借り込むそうです。数が多いので、大変そうです。この庭の維持費だけで、年間数千万円。古い家の維持費も大変だろうから、よほどの情熱と資産がないと、こうした庭の維持は...。
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「植物を彫刻的に扱う」これは、ガーデンデザイナーのトム・ステュワート・スミスの言葉ですが、現代の庭は常にそうです。直線とオーガニックな植物の形のコントラストが美しい。
運の良いことに、まだまだバラもデルフィーも満開でした。
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最後に駆け込んだサマセットのレディファーム。(こちらのHPのGALLERY ページ、クライブニコラスほか、錚々たるカメラマンの写真が素晴しい!)オーナーのジュディさんが、「あの東屋でみなさんとお茶を、と思って用意していたのに」「あ〜、なんて残念!」考えてみると、英国人は、「庭や東屋でのお茶の用意」はスタンダード仕様 だったなと。
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「かならず、又、来てね!」と言っていただいた。ジュディさん。
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庭は斜光の瞬間が最も美しい。この奥の方は行かれなかった。LADY FARM。

時間がなくて、本当に惜しかった。私が調べに長い時間をかけ、断続的に旅程を立てているので、あとから数が増えるほど、関係者の苦労も増えます。逆に、1日に2カ所程度にして、ゆっくりと過ごせたらどんなにいいでしょうとは、思うのです。あるいは、実際に見る価値があるかどうか、不明でも、近い場所で移動時間を短くして一度にたくさん見ることも可能なのですが、でも、旅程は3日間。やはり「話題の庭」を厳選し、それをたくさん見て欲しいと思うのが主催者心。移動に多少の時間がかかっても、全英トップ20に入った庭をできる限り見たいと思うのです。旅行社の方も、かなり頑張って気合いを入れて旅程を組んでくれます。みんなあらんかぎりのハートを込めてやっていることなので、ハート同士の相性が良ければ、きっと感動の旅になるはずと。裏目にでたら悲劇ですが、
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(翌日に訪ねたソロワムコートのティータイムのお菓子。可愛かった)

今後は、お茶の用意のある庭かどうかを事前に確認してから、旅の予定を組めると良い。フィジカルな意味でお茶を飲むと嬉しいけれども、メンタルな意味で、素敵な庭で飲むお茶は特別なもの。これも、個人の旅ではなかなか実現出来ない贅沢なグループツアーならではの仕掛けです。

Sir James Dyson の庭でも、手作りケーキを作って待っていてくれました。「お茶の時間」は、英国人の心意気を感じる、欠かせない儀式。なので、たとえ、紙コップで用意されるお茶でも。庭とお茶は大事なコンビです。次は是非ね!
 

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    プロフィール

    吉谷桂子

    (よしやけいこ)

    東京生まれ。英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。

    7年間の英国滞在経験を生かした、ガーデンライフを提案。TV番組や雑誌等での企画、出演、講師を務める。また、国際バラとガーデニングショウや東京ミッドタウンのコンランレストラン「Botanica」の植栽デザインを担当。

    「吉谷桂子のコンテナガーデニング」(主婦の友社)他、著書多数。

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