完璧だと思う庭の景色
これは、完璧。だと思う庭の景色です。完璧な景色なんて、ひとそれぞれに受け取り方も違うし、求めているものが違えば、興味の持てない、要らない景色でもありましょうが。
写真は、17〜8年前にチェルシーフラワーショウで見た、カールラガーフェルド・デザインの「シャネル(ボスケ・ドゥ・シャネル)の庭です。一眼レフ、ポジフィルムのカメラで撮った写真。それをスキャンしてサイズダウンして、ブログで見られるようにしました。
白いカメリアとジキタリスのコントラストが美しい。完璧なパルテール花壇とトピアリー、この庭は、チェルシー史上でも最高額の高価なガーデンで話題になりました。当時の金額で2億円以上がかかっていたことを新聞のニュースで読んで驚いたものです。また、金額は聞くまでもなく、とにかく完成度が高く、非の打ち所なし。それを、当時の私は、「完璧すぎて、一種、面白くないかなあ」などと、うっすらと感じた記憶もあります。もっと花が咲き乱れていないとつまらない。と、いうように。
でも、18年経って、時々目にするこの写真の景色。ぞっとするほど完璧だと思います。
今、「モナコのグレース王妃に捧げる庭」の準備をしていますが、完璧。は難しい。で、つくづくこの写真を撮ったときの、十数年前の自分の目の節穴に気づくのです。引き算のエレガンスを目指した度胸。あっぱれだなあと。お金をかければ、素晴しいものが作れるというのは、ある程度本当ですが、引き算のエレガンスは、百戦錬磨。
庭づくりも、人生も、経験値を活かすことが重要。いくつになっても、学ぶ姿勢が、大事だな。
と、いつも、思うのですが、学ぶにも家にいたらなかなかチャンスは掴めない。思い切って家をでてみること、遠出をしてみることも大切だと痛感しています。
今年の「イングリッシュガーデンツアー」は、20世紀初頭からずっと続いてきた花のイングリッシュガーデンの美と、21世紀の新たな庭、その両方を見つめてみます。お申し込み締め切り日が近づいていますが、どうぞご一考を。http://tabi.7netshopping.jp/7tabi/ab_tour/914304/
そして、その行き先に撰んだのが、去年訪問したチャールズ皇太子の庭に引き続き、その皇太子が自分の庭のデザイナーとして撰んだガーデンデザイナー。バナーマン夫妻の自宅の庭、シーンド・マナーです。さまざまな個性を持った世界で超一級と思う庭の、植栽、構造、個性、生態系、21世紀に望まれる庭あり方など探ります。
また、ツアーに行けない方は、5月に開催するたまがわガーデニングクラブの講座にどうぞ。
去年から今年にかけて訪問した庭の最新の写真を見ていただきながら、日本での新たな庭の作り方を探ります。好評を頂いた種苗会社タキイ社の「はなとやさい」に書いた Piet Audlf さんの「新感覚の庭」植栽アイデアの記事もプリントしたものをお配りし、勉強会の内容をブラッシュアップしたいと思います。http://www.cctamagawa.co.jp/oneday/