となりの百合が美しい
先日、王立園芸協会主催で開催されたサマーナイトフォーラム、ユリの大家、アリスター・アードさんにお話を伺い、30種近い日本原産のユリが紹介されました。古いものでは、1740年に英国で紹介された日本原産のエゾスカシユリなど。実は、その原産地、シベリアや北海道などの寒冷地の栽培環境の関係もあるでしょうが、案外、関東地方の暖地では、日本原産のユリに、ご縁のないことに気づいたものです。やはり、園芸種はわりに買うことも容易ですが、原種はなかなか...。お店でお見受けしないことも多く。
↑ 写真は、Lilium lancifolium オニユリ 仲田種苗さんの野の花マットに咲く夏のネイティブプランツ花たちと。
そこらじゅうで見かける タカサゴユリとその交雑種。
台湾産で大正時代に観賞用として帰化したとか。こぼれ種で増えるので、道路のアスファルトからでも咲いていますね。
最近、日本原産のネイティブプランツのほうが、やっぱり、かわいいなあ。などと、思うようになってきたのですが、それが案外、欲しいと思っても、手に入りにくいですね。
バラとガーデニングショウに必ず登場するコンカドールはオリエンタル系。やはり、丈夫な園芸種です。肥沃な土だと2メートルくらいに育ってしまうことあります。半日陰でうまく育つので、我が家の日当たりの悪い湿っぽい場所で元気です。
対して、アジアティックリリーは、日なた好きですね。
それにしても。ユリの球根、オランダからは、日本に、毎年 12000万球も輸入されているのですって!おそらく、切り花が多いのでしょうが。大変な数ですね。イギリスへは4000万球。日本への方が断然多いのですね。
私が好きなのは、リリウム リーガル。リーガル リリーです。100年ほどまえに中国四川省でプランツハンターに発見された品種で、イギリスの庭では大変によく見かけます。1〜2年は、私の家でも咲いていますが、なんとなくその後消えてしまう。夏の乾燥がいけなかったか。それでもめげずに、来年のはままつフラワーパークの植栽には、50球ほど注文、開花の早いアジアティック・リリーほか。植えれば翌年、必ず翌年咲いてくれる花は保険のようなものなので。
わが庭シリーズ、長太郎百合。これも、数年で消えてしまった。斑入りの葉が綺麗でした。我が家の自称ホワイトガーデンの華でしたが。
ボタニカに植えた ’カプチーノ’ このような花の庭を維持するには、毎年のようにメンバー構成を再構築しないと、同じように作っていくのは難しいです。やっぱり消えた。
一年で消えたので 、本当に、儚かった。残念です。
あら、カプチーノのお仲間?フランスのショーモンスル城のフラワーショウでみかけた品種です。
ラトビア かもしれないけれども、違うかもしれない。
アップライトの百合、これが雨に当たると参ってしまいますが、華やかです。ウィッチフォードポタリーにて。アジアティック系で日なたを好むタイプでしょう。
こちらもアップライト。園芸種で、名前が不明です。こういう形のパリっとした花。庭では、デザイン上の見事なアクセントになります。庭の景色をまとめやすい。
逆に、カサブランカ。花びらがびらびらして、あっちこっち向くので、案外難しい。でも、非常に手に入りやすいのが、メリットです。
イギリスで買ってきた球根 ブラックマジック。これは、とても丈夫で、植木鉢で、毎年咲いています。
アジアティック系で、日なたを好みます。屋上で毎年開花するので、偉い。
もうひとつが、ピンクジャイアント。背が高くて花の数が多く数年の間毎年咲いていましたが、あるとき、消えてしまった。ああ、すてきな花だったのに。多分、夏に乾かしてしまった。
でも、ユリの球根、少なくとも、植えた翌年は必ず咲きますから、それが嬉しいですよね。かならず肥沃な土に深植えして球根より上の部分から養分を得られるように。
札幌市百合丘公園のサイトでは、さまざまな原種のユリのショッピングサイトがあり、園芸種ではない、原種のユリもさまざまな品種が紹介されているので、見ていると欲しくなってしまいます。園芸店には、およそ園芸種の華やかな品種しか売っていないので、日本原産のユリに着目してみるのもいいですね。