コンテストの価値思う事@横浜イングリッシュガーデン

園芸ガイド誌のガーデンコンテストの審査会で、秋バラの咲く、横浜イングリッシュガーデンへ。バタバタしていて、写真を撮りそびれてしまいました。(これらの庭の写真は、以前の同じ時期に撮った横浜イングリッシュガーデンの写真です)
写真で、ですが、たくさんの個人庭の応募作品を拝見しました。どの作品も花を育てる。植物を元気に仕立てるパッションは、すばらしい作品ばかり。庭をまめに維持する忍耐力や園芸知識。特に、暑い夏の管理を思うと、どの応募者の方にも頭の下がる想いです。

でも、グランプリに選ばれるのは、おひとりだけ。ほかの賞にしても、応募者全体からいえば、ごく一部の方を選ばなくてはならない。いつも、申し訳ないような、厳しい気持ちになります。
しかし、グランプリに選ばれる方は、やはり、特筆できるすばらしさを秘めている。昨日のコンテストで選出させて頂いた方の庭も、やはり、滅多に普段は見かけない庭でした。

それにしても。
日本に帰国直後から、ガーデニングに関わる仕事を始め、今年で16年目。帰国早々から、ガーデンショウやNHKの番組に関わらせていただいたので、この16年には、さまざまな方々を、コンテストによって知ることとなりました。古い記憶では、京都大原のベニシアさんもNHK主宰の「ガーデンコンテスト」に応募されたことがきっかけで、メディアに繋がった。あの時、コンテストの表彰式で私は審査員でしたが、我が子がおむつも取れていなくて。ベニシアさんからお名刺をいただき、イギリスの方であることを伺ったものの、それほどの長話もできず。でも、あのとき、ベニシアさんも小さなお子さんを抱えていたんだと、それは、最近知った。きっと、大変だっただろうなと。ひとに、歴史、ストーリーあり。

そして、また、昨日は、北海道からの上野砂由紀ちゃんと審査員をさせていただいた。砂由紀ちゃんは、みんなの知るBISES ガーデングランプリのスターである。あのときも審査員をさせて頂き、圧倒的な宿根草の庭は、パワー全開でありました。そして、その後のすばらしい仕事ぶりは、みなさまのほうが詳しいと思う。昨日は、審査会のあと、子育てと、そして、似たような、よその庭のデザインを頼まれての、まったく同じ悩みを持つことで、まさに意気投合でありました。庭は生き物。子育てと似ているので、日々の管理ができない依頼主の仕事を受けるのは、難しいものがあり...。

昨日のブログでご紹介した有福さんもすばらしい作品と、私は、そのお人柄にも惚れ込む。
やはり、最後は人柄というか、その方のキャラクター。
で、いろいろと、何拍子もそろわないと難しい。
園芸知識、技術、経験、デザインセンス、根性体力、人柄、マネジメント能力。それと、見た目も大切とは、私自身、ある時期から、強く意識して努力してきたことでもある。生まれつきの自然のままでは、どうにもならないから、「気付いて」からは、根性努力がマストである。
砂由紀ちゃんとの会話で。イギリスでガーデナー修行をされたすばらしい人材は、そうとうたくさんいるのに、その人たちの能力や可能性が、今の日本ではなかなか活かされない、その難しさについて。
「ガーデナー・コンテスト」っていうのは、ないからなあ。やはり、ガーデン・コンテスト。だからこそ、コンテストに出て来るガーデナーに期待をしたい。
コンテストに出場するのは勇気もいるし、面倒もあるでしょうけれども、ぜひ、腕に自信のある方は、コンテストにトライしてほしいと思う。また、そのつもりで、庭を作る方向で管理するのも、モチベーションになりそうですし。
これからは、コンテストで有利になる、植栽のコツなど。それこそ、計画が進み始めている、来年のバラとガーデニングショウのコンテストにむけて、少しづつこちらのブログでも、書いていきたいと思います。でもそれは、別にコンテストでなくても、ブログに掲載する「庭の写真」のあり方だったり、よりよい庭の見方でもあるかもしれない。

本当に、そうです。とにかく、社会と関わることです。外にでていかないと、自分の顔が劣化するのも事実なら、庭も、同じ。(私の庭は、そんなわけで今、見せられない状態ですが。これは、東大の先生のお話。私も時々寄稿させて頂く雑誌日経Priveの記事から。)
名付けて「コンテスト・ガーデンのヒント集」次の世代がどんどん育つよう、私も、もう少し頑張ってみようと思います...。