シクラメン・リターン
夏越しをしてくれたシクラメンが今、まさにこれから咲こうとしています。キャー嬉しい!たまに小型のガーデンシクラメンは、屋外の乾燥した場所で、夏越しをしますが、ここまでの大株をきれいに夏越しできたのは、初めてのことです。だいたい、夏の間に球根を腐らせてしまうこと多し。
中をかき分けてみると、たっくさんのツボミたち。ワクワクします。とても健康な表情の茎や葉っぱを見ているだけでこちらの気分まで、よくなりますね。
さて、こちらは、去年の、今頃の、様子です。お星さまみたいなツボミがまたとてもチャーミングで。なが〜く花を咲かせてくれました。
実は、このシクラメン、ちょっと特別です。
シクラメン ローゼス シリーズ といいます。福島県 矢祭園芸 金澤美浩氏作出のシクラメンで、シクラメンでは非常に稀な多弁花、いわばバラ咲きの、特徴的で趣のある豪華な花をつけます。
ローゼスシリーズは実生系ではなく、組織培養苗をもとに生産を行い、育成当初から、バラのように咲く個体の選抜はもちろんのこと、まずは夏越しをさせた上で、その耐暑性のある個体を選抜したそうです。
どおりで...、すくすく元気に夏を越したはずです。だって、なんのケアもできずに、放置状態でイギリスに行ってしまったり、台風や嵐にもあってましたからねえ。秋にこのきれいな葉を発見したときは、わっ!と、声を上げてしまいました。実は私はなんにも手柄にするようなことをこの子にはできてなかった。なのに、自分の手柄のように語るなんて、お門違いなんですが。
金澤氏は 「シクラメンが夏を越せた」という感動は1万円のシクラメンを贈られるより嬉しい事と考えて、夏越し出来るほど強くて個性的なシクラメンを育種されたそう。なるほどねえ。本当にそうですねえ。
また、雄しべが花弁になっているので花粉がでません。花粉症が心配な方への贈り物にも最適ですね。しかも花粉がでない分、一花の花持ちが良く、状態が良ければ一ヵ月ほど持つとのこと。たしかに、切り花としても十分楽しめる程の花持ちでした。お得感や満足感も満載です。
金澤氏のお話では、ガーデン・シクラメン程度の強さはあるので、屋外の寄せ植えでも十分楽しめるとの事。北風が当たらない、南向きの軒下などなら屋外も大丈夫そうですね。
さて、去年のジャパンフラワーセレクションで、シクラメン ローゼス ローズは特別賞を受賞しました。ベスト・フラワー(優秀賞)とニューバリュー特別賞のダブル受賞。ということで、やっぱり受賞には大きな意味があるんですね。少しでも良い花を作って行こうとする姿勢に拍手喝采。また、私たちのほうでも、そうした品質をよく知った上で、花を買うようにしたいものですよね。それには、情報も大切か。