吉谷桂子のガーデニングブログ

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January 24, 2016

花すがた 諸行無常

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今年は、申年。1956年生まれの私は、いよいよ、今年60歳になるというので、今年からは「諸行無常」をテーマに取り入れて、これから、もっとちゃんとすべきこと。もう、卒業していくこと(減らすべきもの、断捨離のような)。いろいろ振るいにかけて、生き方を整理していこう。と、ずっと考えておりました。

ダジャレのつもりはないけれども、年頭にあたって自分の念頭にいれるべきこと、その言葉を探していたのです。そうしましたら「諸行無情」が、みごとに、これからの生き方のキーワードに、ぴたりとはまったというわけです。

諸行無情は、ウィキペディアを見てみると「存在は同一性を保つことはできない」とありますが。
英語だと「All things are in flux and nothing is permanent」とありますが。vanity とは考えたくないんだけど。


で、それは、あるとき、仕事に行く途中、車でラジオを聞いていたら、「諸行無情は英語でいうと、Everything changes....」(changeingだったかも)それが耳に入ってきて、それがすぅ〜っと。腑に落ちたというわけです。

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寄せ植えの写真が冒頭にやってきたのは、ただいま、寄せ植えの本を上梓中という理由も大きいのですが。

常々思うことのひとつに、私にとって寄せ植えは、諸行無常の象徴のひとつ。

初めて寄せ植えを作ったのは、1992年イギリスで。あれから、20年以上の間に何百という数え切れない寄せ植えを作ってきましたが。

諸行無常といっても、1週間だけ綺麗なのはだめで、できれば3ヶ月はきれいに咲いてくれる、もっと、できれば、何年もきれいなコンテナガーデンがいいと思う。でも、それも、同じ顔で時を過ごすわけではないので、Changeing も、見どころだ。

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さて、寄せ植えの本はこれで何冊目かの上梓になるけれど、コンテナガーデンの楽しさが、重要性が、まだまだ日本に伝わっていないという焦りもあり、少しでも、この分野を伸ばしていきたいと思う気持ちが、いよいよ強まって。こんなにコンテナガーデニングが向いている国なのに。

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で、今、考えていることのすべてを書き切る時間がなくて、悔しいのですが、ひとつは。

● 作った寄せ植えを「写真にしておく」ことの重要性。生きた植物の一番いい「とき」を撮っておきたい。

●寄せ植えを置く「環境や景色」への配慮の重要性。写真を撮るにも、その背景がよくないと、寄せ植えが映えないし....。


それで、たとえば、上記3点の写真は、テレビ番組用に作った寄せ植えですが、こんなにきれいに咲かせたのに、私のお店の前で撮ったこの3点しかなくて、こうして、ブログ用には撮ったものですが、この背景では、本の上梓には使えない。残念ですが、こんな風に写真に撮っておくだけでも、残ったから良いけれども、取らなかった寄せ植えもたっくさんあったものなので、どんなのを作ったか、もう、覚えてもいない。

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外国の寄せ植え。人の目を愉しませる事を、念頭に。


いろいろやってきたけれども、これからのスタート・ダッシュ。重要だと思ってます。


さて、老人クラブは60歳から、入会可能だそうですが、やはり、先日、ラジオを寄席で「60歳のおばあさんがそこにいてね」なんていってるんですが、もちろん、自分をおばあさんとは、思ってないけれど、講演会などで私がよくいう「生きていれば、必ずおばあさんになれます!」がいよいよリアリティを帯びてきたので、よりよいおばあさんへの自覚。として、やるべき仕事の焦点を絞ろうとしているわけです。

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(写真は、横浜イングリッシュガーデンの講座で作った寄せ植え。作ったものを、そのまま先方に置いてくることも多いので、嫁ぎ先で、元気にしてると嬉しい)

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「箱根 星の王子さまミュージアム」の庭、「はままつフラワーパーク」の庭と、今後ますます力を入れていくことになった群馬中之条の「美野原花の駅」の庭を気合いの入った花の庭にしていく以外は、寄せ植え!それも、「同じような寄せ植えを作らないこと!」自分のドグマにはまった寄せ植えは、だめ。とかね。なにか、違うこと。始めていきたいです。

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何が、自分の本質かと。それもつくづくわかってくるのも還暦ではないでしょうか。


私の場合は、どこまで行っても「デザインする」ことが自分の本流で、衣食住のできるところ、できるところどこまでも。そこに花育てが大好き!が合致して、暮らしのガーデンの世界へ。これは、ガーデン・デザイン大国イギリスでそれに出会ったからで、ずっと日本に住んでいたら、この世界には行けなかった。

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それから、洋服大好き!が高じて、服のデザインもしている。これは、イギリスに行く前からの杵柄と、人との出会いが影響して。

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今年は、ルドゥーテの版画を模写したバラのシリーズや花柄の新しい技術に挑戦。

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また、旅のデザインも本性かと思うほど入れ込んでしまうことのひとつ。それが高じて海外旅行ツアーをほぼ毎年開催しています。今年は、去年のパリでのテロ事件をうけて、当初考えていたイギリス行きのガーデンツアーに参加者さんがないのではないかと、不安材料も多いので、まだ検討中。でも、今、台湾も面白いし、奈良への注目も高まっているので、大型ツアーでないまでも、ツアーは必ず敢行!これも、観光は光を見る旅。一瞬しか見られない諸行無常のような光と花の絶景を探す旅は、健康に注意して続けていきたい。


何事に対しても「無自覚なのが嫌だ」とは、30代のはじめ頃から思って生きてきました。だから、このままでは、と、30代に日本を一旦離れた。一生住む気がないのなら、帰るのは、今。と、苦労して所得した英国の永住権がもったいなかったけれども、最終的に日本で生きていく。ために40代で帰国。同時に子育て。いやもう、誰の人生にも、荊ならぬ、綱渡りの道はあるでしょうが、すごい綱渡り。それも、も、あと、彼の成人まで3年ほど。あとひとがんばり。やはり生きている時間や注意力の多くのエネルギーが子育てに当てられるので、私はこの17年間は、仕事に対してはエネルギー全開にできなかったと思っています。ああでもね。60代からの全開でターシャさんや紫竹のおばあちゃん。いらっしゃいますものね。頑張ろう!

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さて、残念ながら、何かを自覚できずに終わってしまう事も、多々あるであろうことは、わかっているのですが、とにかく、同じではない。何か違うこと、自分なりに新しいことに挑戦していきたい2016年のスタートです。寄せ植え!!!だれにでも、というと怒られそうですが、誰にでも作れるのが寄せ植え。やっぱり、そこが重要なポイントです。そして、写真、花のポートレートです。自分の子供の写真を撮るのにも似ていますが。


さて、今年も、新潟のサントピアワールドで、合計賞金100万円の寄せ植え&ハンギングバスケットのコンテスト(2/10)があります。私も日帰りながら、審査員に行きます。

3月6日(日)に北海道で今年2回目の講演会決まりました。
(2月11日のイングリッシュガーデン展では、予約満員御礼ありがとうございます。)

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バラとガーデニングショウは、盛り立てていきたいです。今年は、私は、ガーデン審査ではなく、コンテナガーデン審査をさせていただきます。力の入った素晴らしい作品が集まるので、いつも感激します。

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私がデザインするのは、この写真がヒントです。

ぜひ、5月は、バラショウへ!

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久々に、本音を書きたくて書き始めたら、長くなってすみませんー。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。



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    プロフィール

    吉谷桂子

    (よしやけいこ)

    東京生まれ。英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。

    7年間の英国滞在経験を生かした、ガーデンライフを提案。TV番組や雑誌等での企画、出演、講師を務める。また、国際バラとガーデニングショウや東京ミッドタウンのコンランレストラン「Botanica」の植栽デザインを担当。

    「吉谷桂子のコンテナガーデニング」(主婦の友社)他、著書多数。

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