台湾で花の庭をデザインするには...
これは、台湾のホテル建設予定地に、溢れるほどに「花の咲く庭をつくるプロジェクト」です。
日本の庭を見た台湾のクライアントが塚本こなみ先生にプロポーズを。
私は花の植栽設計担当。
あれから半年以上が経ちましたが。いや、最初から、難しいと思っていましたが、難しさ険しさ。
たいへんだ。台湾で花の庭をデザインするには、この気候とメンテナンスのできるガーデナーの人員確保、さまざまな問題をクリアしていかないと。問題の起こらない植物を選ぶにも、卓上の勉強だけでは無理。実施に見て触って。感じて。
(たまに癒してくれるヤツ。登場。撫でて欲しくて足にまとわりつく)
花の市場に行けば、「点々と」「面で花の景色」はなかなか難しい。
きれいな花は咲いていますが、イギリスや日本の桜の季節のように、眺め全体に、ばああ〜っと花が咲いて、浮かれてしまうほど、調和する景色を見つけるのは難しいと感じた台湾花事情。
それはなぜかと、今回の全体プロデューサーである塚本先生と、ひたすら、半年ほど、話あってきた。
園芸への複雑な手間のかけ方や、まめで細やかな手入れがないからか。
とか。やっぱり、暑いからだ。
とか、写真を見てもわかるように、冬のイギリスみたいに日々雨がしとしとふって暗い。光合成がなければ、花はドバッと咲かないし。
ソメイヨシノに憧れ輸入はするものの、寒さに当たらないと開花しない花。虫にも病気にも罹る。
アメリカに渡ったソメイヨシノは、満開になるが、そのような大木はどこにもなかった。
そもそも、樹木の圃場に行っても、使えそうな樹形の樹木が見当たらない。
台北市に、緑は少なくないのですが、(むしろ、結構多い、気をくばって緑を大切にはしてる)
でも、その台北市の街路樹の樹形がかなりワイルドなのに、驚き続けてきた。(変な剪定、変な自然樹形になってしまっている木が、そのまま)私の印象だと、ガチャガチャな感じの樹形多し。
この写真はこれから庭を作る現場。これも、かなりガチャガチャ。
9月に来たときからさほど変化なく、荒れたままです。
いつか、この眺めが美しい庭になると思うと楽しみですが。
今はその構造デザインを、夫の吉谷博光が現地の建築家と進めています。
私と違い、英語力がしっかりしているので、安心。
ここに見えているのも、現場唯一の桜の木。ここにも、蛇でるのかな。
陽明山は今、「花季」として、賑わっているそうなんですが、日本の感覚からすると、あまりパッとしない印象で(この写真の場所がいちばん華やかだと、現地の案内人)。だから、なるほど、台湾や中国からたくさんの花見客がここ数年訪れるようになったわけ。
だんだんわかってきました。
ここも陽明山でもっと花の公園として有名な場所らしいのですが、(手前の樹形。ありえない形の木が植わってますよね。さくらのようなんですが)日本の素晴らしい桜やフジの景色を見て、あれと同じものを作ってほしいとたのまれたプロジェクト。
最初から、それ、無理です。難しいです。と、言い続けてはきたけれど、どこかに希望はありました。
いや、でも、クライアントには「ソメイヨシノたくさん植えてください」と言われたことに対し、いろいろリサーチした結果「NO」と言わなくてはならない。
(日本語の読めるクライアント様。きっと、これをお読みになるでしょうか)
だめです!ソメイヨシノは植えて数年でひたすらトラブルを抱えるタネになります。
塚本先生が10年以上にわたって育ててきたフジ。日本から持ってきた見事なフジを植えますが、さて、これから、数年後、どうなるか。実際は誰にも不明である。
滞在中のゲストハウスの庭にて。毎回ここにステイ。とても過ごしやすいすてきなところで、庭もきれいに保たれてはいるが、「MUM、あなたの足と同じくらいの太さの蛇がでるから気をつけてね」と、ハウスボーイに言われ、若干びびる吉谷であった。しょぼしょぼと降ったり止んだりの雨が何日も続く。このために自分でデザインしたレインコートです。ストレッチ撥水素材の、誇るべき日本製。
みたことのない植物に出くわすと、疲れが吹き飛ぶ。これもおもしろい。斑入りのセンリョウみたいな。
春不老。という。
そういえば、ディーン・フジオカさんおすすめの「無老鍋」(お店の名前)に行きました。
前回と今回で2度目。鼎泰豊ばかり通い続けてもと。
薬膳仕立てで本当においしい!体によさそうで、おいしい食べ物いっぱいの台湾。
やっぱり、それはそれは魅力的です。
こちらは、士林夜市の薬膳スープ。
なんとなく「年を取った犬なので、ガラスを叩いたりしないでね」と書いてあるんだなとわかりますね。
ミッソーニのブティックなのですけれどもね。
毎回通っている気功マッサージの近くにて。茶藝や、甘いもの。マッサージやお灸も魅力ですね。