景色を作るための庭づくり
好きな花、一目惚れの花。いろいろ限りなくある花の魅力。それらのどれかを所有して、庭かベランダのどこかで育てる。そこまでは、基本、やりたいと思えば、あるていどは可能かと思うのですが。
そうした植物で景色を作るとなると、話は別です。
どうしたら、花の咲く絵になる景色が作れるのか。長い間試行錯誤していますが、だいたい思い描いても、その通りに花が咲いてくれないことも多いし。その前に景色にとって不必要な枝や葉っぱを取り除くような。おかなくてもよい雑貨を整理するような。欲望だけで手に入れてしまった花をもっと適材適所に移動させるなどの
「引き算も必要」
私の仕事のスパンでいえば、夏、7月に球根や苗類を発注して、秋に植え付けの計画をして冬までには植え付け完了。春先に様子を見て最後の仕上げ。しかし、目標だった春が来ても「あれ?」思ったのと違う景色が出来上がること多し。なのです。
それと、もうひとつ、
絵になる景色は、意外なところに潜んでいる場合があり、誰にも気づかれずひっそりと花たちが咲いている場合もあり。
上の二つの写真は、星の王子さまミュージアムですが、上のほうの、星の王子さまのフィギュア周辺は誰もが気づく場所で、この景色はわかりやすく安定して景色を描きやすくデザインしています。左右対称だと植物の補充もしやすいし。
ところが二番目の写真は、私が個人的に好んでいる景色で自然な感じで季節に応じて花の咲く庭の景色。
もちろん、誰にでも、この景色を見ることができるのですが、気づいてここまで来てくれる方は皆無です。
先日ご紹介したバラのアーチトンネルも、実は、今まではなかなか誰にも知られていなかった場所なのですが、こうして、花の咲いている時だけは、きっと注目してもらえたら良いなと思っております。
でも、それもこの
バラ 'スパニッシュビューティ'
は、早咲きのため、ほかのバラがちらほらとまだお目目をぱっちりと開けてくれない状態でも、先に華やかな様子を見せてくれるので、ありがたいつるバラですね。
バラのアーチを作りたい!って、バラを育てる方々の憧れかと思うのですが、その夢を、その季節のなかでも早めに叶えてくれて、嬉しい存在だなあと。今年つくづく思いました。