ブルタリズムとデザインされた植物コミュニティ
世界の見るべきブルータリズム(brutalism)の建築10に入っている、ロンドンのバービカンセンター。ロンドン交響楽団とBBC交響楽団の演奏本拠地でもあるヨーロッパ最大の芸術文化複合施設のなかにできた庭。
いわゆるニューペレニアルの庭をできるだけたくさん見るべく、例のオリンピックパークの植栽デザインをしたナイジェル・デュネット氏のプランした庭を見に行きました。(写真は7月9日)
この建築、2003年に、ロンドンのもっとも醜い建築("London's ugliest building")に選ばれています...。私もこの建築、長いこと好きじゃなかったのですが、物事って不思議ですよね。イズムみたいな名前があると、見方が変わる。意味が高まり、価値が膨らむ。
同じ2003年、人工地盤屋上の耐水工事と同時に、これまでハイメンテナンスだった花壇や芝生などの庭を、ローメンテナンスの庭として設計変更。それを担ったナイジェル・デュネット氏
http://www.nigeldunnett.com/barbican/できてすぐに見学に行くのも良いのですが、庭は、10年以上が経った時の意味や価値も重要です。
『デザインされたプラントコミュニティ』ここが重要。 デザインされた植物コミュニティが、生態学的にお互いに存続性があり、自然な植物生態系の特徴を捉えて選ばれ、それなりに面白い眺めが長く続く。
しかも、人口潅水はしない。
ブルータル(brutal)=無慈悲
まさに、潤いを感じるのは難しい乾いたコンクリート打ちっ放しの建築に、この野生的、ナチュラルな植栽が心に潤いを与える。1970年代のモダンデザインと21世紀初頭の新たなガーデンのコンセプトの対照が素敵です。住居棟の窓辺にずら〜っと並んだゼラニウムやペチュニアなどのウインドウコンテナも印象的。
トリトマ、バーベナボナリエンシス、グラス類、アリウム類でミックスプランティング。
この混ざり具合が地面の露呈をなくし全体に植物でまんべんなく埋まったように見える。
時間がなかったので、バービカンエステートにはタクシーで行った。すると地図上の右下(T)の場所に到着。コンサートや美術館に行くにはここからが早道なのですが、目的の庭に行き着くまで、かなり迷ってしまいました。ついでといってはなんですが、ブルータル建築内部を見学。コンクリートの塊のなかをウロウロウロウロ。有名な温室は時間の関係でパス。しかし、なんのことはない、地下鉄バービカン駅から歩いてすぐ。駅からの歩道を渡ってすぐのところからその庭が始まる。実際に行かれる時は、駅からのアクセスが便利です。
以前にご紹介したPiet Oudolf さんデザインの Potters Fields Park もそうですが、世界中でこのムーブメントが広がりつつあります。
昨日、Pietoudolf さんのInstagramにアップされた、ドイツにあるMaximilian Park のペレニアル・ガーデンが素晴らしかったです。いますぐ行ってみたい景色です。