イベント
September 24, 2017
はちおうじフェア。開催中のイベントとして、南大沢文化会館で開催の「花と緑のあるライフスタイル」講座。
たくさんのみなさまにお越しいただき、まことにありがとうございました。
まずは、冒頭、今、過渡期にあると思う、世界一美しい花のイングリッシュガーデンのごしょうかい。
21世紀になり明白となった気候変動にともない、未来に開かれた「持続可能な庭」のありかた。
ここがともかく大きなテーマだと思っています。
ベスチャトーさんの庭は、まさにその際たる参考例ですが、これまた、現状の東京とも異なる気候なので独自の道を開拓していかなくては。この夏の20日以上も続いた雨には泣かされた。
そんな実情のご報告と、現在〜未来の日本の庭でも適応できる、日本での庭づくりのおすすめを。
私の師、ハドスペンガーデンのノリ・ポープさんの言葉を引用させていただく。これは、ほぼ、どこの講座でも必ず入れたいページです。
で...、まず、美のこと。どうしたら美しく見えるかの講座。色彩計画の法則、重ねて眺める花のレイアーの法則。植物の形の法則。
次に技術的な話題も含め、提案を。
私の家の屋上は、雨が多くても、むしろ乾燥が厳しいので、やはりベスチャトーさんの庭がかなり参考になるのですが、盛夏は暑くてとてもじゃないけれど、楽しむ余裕もない。なのでこれから(秋)〜来年の初夏までを楽しみたい。
逆に目黒区駒場にある Shade Yoshiya Keiko の庭は、蒸れ、日照不足の問題がまだ解決できず。でも、それでも、植えるべき適正の時期(秋)に植えて、丈夫に育てるなど対策次第で、少しづつでも、持続可能な心を癒す庭にしていけたらと思っています。
昨日、自生種のことを話題にしましたが、自生種、もちろん同じ東京でも50年前とは違います。気候変動のことを頭の片隅に置いておかないとなりませんが、私自身、自分の庭を舞台に(集客を考える庭ではない場所で)植える場所と植える時期をうまく選び、ストレスなく健康的に植物が育つ庭を目指しています。
そんな自生の草花は、仲田種苗園さんの「野の花マット」が私にとっては多いに参考になっているので、今後も少しづつ日本の原産植物にもっと目を向けていきたいと思っています。
春の花 キジムシロ、カキドオシ、タチツボスミレ、ヘビイチゴ、ジュウニヒトエ、チガヤ
梅雨の花 ノアザミ、ヒメヤブラン、アヤメ、ノハナショウブ、オカトラノオ
夏の花 コバギボウシ、ツリガネニンジン、フシグロ、オトコエシ、コオニユリ、フジバカマ、ツルボ、ノコギリソウ
秋の花 カントウヨメナ、アキノキリンソウ、トネアザミ、ノコンギク、ハッカ
仲田種苗園 http://www.eco-plants.net/floralmat_p/nonohana
さて、全国都市緑化はちおうじフェアは、私の講座は3回目、次回で最後となりますが、メイン会場富士森公園にて。ますます気候が穏やかになり、花が見頃のはず!!!
10月9日(月)、屋外会場にて開催です。
お問い合わせは はちおうじフェア情報センター (電話042-686-1740)まで
April 03, 2012
May 29, 2011
梅雨、台風、まだアジサイも咲かないのに。
雨に濡れると、殆どの花はあまり美しく見えません。
しかし、アジサイだけは生き生きしていみえます。
美しく咲く花を一層美しく見えるように、花を活かすのが私たちの仕事。
そうしようと思えば、誰にでもできるはずの。
花を所有するだけでは、だめなんです。
花が美しく見えるようにと心を砕くこと。私たちが育てて、それが美しく見える。誰からも、そう、感じてもらえるように。
ところで、このアジサイの絵、というか版画。
光と陰を帯びて立体感がありますね。明後日水曜日に開催するたまがわガーデニング倶楽部の講座でも、このことも、改めて講座に取り入れたいと思っています。上明るく下暗く。手前明るく、後ろ暗くの基本です。レンブラントライトは、斜め上45度からの光が物事をもっとも美しく魅せます。
ひとつの庭、あるいは、寄せ植えの絵画的完成度は、絵画的遠近感、立体感の認識なしにあり得ないので、改めてレクチャーに取り入れたいと思います。ただし、これが基本であってこの基本をふまえて独自の創造をするのがアーティストの仕事。
この言葉のパネルは、このたびのルドゥーテ展に展示されている美輪先生の格言集の一部です。パルコ出版から発行されている「花言葉」という本から。私も思わず、アマゾンで注文しちゃいました。
昨日、講座に使う苗が一部届いたので、それも後ほどアップしたいと思います。
花の世界を堪能して、最後には美輪先生のお言葉。これも心に響きます。先日の岡本太郎展の「太郎の言葉」とはまたちょっと違うけれども、言葉にならない感覚を抱えているときに的確な言葉をもらうと、これまた泣けてくるような、そんなインスタレーションです。最初の写真は、夫のデザインによるコーナーの展示。夫のデザインはこの部分のみなのですが、私が映っているのは同行した息子が撮ってくれた写真。背中をむけているのが夫。右端が私で、ほかの素敵な女性はキュレーターさん、作品の出品者さま。床の模様は夫が作図したもの。彼がフランスのマルメゾンでインスパイヤされた正五十面体の図柄を描いたのには、私もびっくりでした。また、ほかのゾーン、パステル調の空間演出も植物のテーマ別に色彩計画がなされていて、うっとりすると同時にとてもわかりやすく見やすい構成 です。また、お土産コーナーも充実していて欲しくなるものがいっぱいでした。
ところで、入り口のパネルに私の書いたメッセージは以下の通り。
「どんな花にも人を癒す力、惹き付ける力があります。自然の力は偉大。花はそのままで十分に美しいものです。しかし人は、本来の自然を一層魅力的に表現することもできます。花の絵師 ルドゥーテに描かれた花は、花弁や葉の色姿、ある時は茎の曲がり方や刺のありようまでが、写実的でいながら一層美しく愛おしい。….そんな花の美しさは、一つ一つが発見の連続です。美の発見を通し、あなたの心も一層豊かに開花しますように」
このメッセージは当然展覧会を見る前に書いたのですが、まさにその通りの内容となってここに存在します。自分自身を高めるキッカケやヒントとしてもおすすめです。
余談ですが、植物画家 ルドゥーテといえば「バラの図鑑」が有名です。しかし、春の草花や果物、球根の花々の描画の美しいこと。英国大航海のクック船長、ジョセフ・バンクス率いるプランツハンターの時代には、 ルドゥーテさんロンドンに滞在し、キューガーデンでスケッチをされていたんですね。なじみの植物(たとえばギボウシやプリムラオーリキュラなど)がひとたびルドゥーテに描かれるや、たちまちすべてが「美の化身」のよう。こうした美しさを自分のスピリットで感じたうえで、尊敬の気持ちを持ってお花を植えると、またガーデニングも違ってくると思います。
ザ・ミュージアムのお許しを得て、館内を撮影させていただきました。東京が遠い方も、ちょっとばかり無理して見に行こうかな。と、思っていただければ嬉しいです。
May 26, 2011
実は、忙しさのピーク、山場は終わりましたが、溜め込んでいた雑誌の連載、校了、他にも課題が山積みで、とてもじゃないが、往復3時間ほどの時間をかけ都心に向かう余裕なし。でもなんとなく「これは無理をしても行かなきゃと」との、予感があった。会期は、5月24日から26日までの三日間だけ。場所は、普段は入れない東京港区にある綱町三井倶楽部(写真)。三井倶楽部は、今から約百年前の1913年に、英国の建築家ジョサイア・コンドルによって設計された鹿鳴館風の洋館。20年以上前のバブル絶頂の頃は、よく友人のファッションブランドのショウやパーティに呼ばれることがありました。だから、ここは素敵な洋館とは思っていましたが、英国から帰国してからは初めてでした。去年大掛かりな改修が終わったというこの館の美しかったこと!若いうちはわからなかったのかしらね。でも、やはりそれは、花の存在がその室内装飾性を高貴に高めたのだとも思う。花のインスタレーションに飾られたバロック、ビザンチン、アラベスクの室内装飾。繊細なモールディング、それぞれの暖炉には正統派のゴージャスな花。そこに斬新でモダンなアイデアも盛り込まれて。室内装飾の色彩テーマ別に、壁の色に映えるパープルの花の部屋。白い花の部屋、ピンクの花。シックな色彩の花だけが集められた部屋等々。ほかにもほかにも、根つきの花では見かけない珍しい花々にうっとり。切り花の世界には、黄緑色や茶渋色など、繊細で面白い色の花がたくさんあるので、視野の広がる思いです。ガーデニングの世界では見かけない品種です。私はガーデンショウで使う花材も、この切り花に目をつけ、切り花の生産者さんに花苗をお願いすることもあります。切り花とガーデニング。住む世界にちょっとした隔たりを感じていますが、もっとお互いが歩みよって、お互いの良いところを学ぶと良いと思う。とは、常日頃思うこと。ガーデニングの世界の人々も、もっと切り花、生け花、フラワーアレンジの世界の美意識をもっと勉強もすると良いはずなのです。すくなくとも、私は、切り花の洋書をジロジロ眺めてインスピレーションを得ることが多い。色彩の使い方とか造形のコンポジションとか、やはり斬新なものが目に入りますから。さてしかし、残念ながら室内は撮影禁止。今後もイベントが目白押しなのですが、 美しいものを少しでもたくさん見て、心を癒して元気を出そうではありませんか!
最後は、我が家の屋上。自宅にいても、やはり花の力に癒されています。5月の花が一年で一番好きな種類が多いように思う。 このイングリッシュローズ、ジェネラスガーデナーは飽きない色彩です。